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キクイモでわかってきたこと

今年で菊芋を栽培してから
9年経ちました。

だいたいわかってきたこと、
気がついてきたことを
振り返ってみたいと思います。

結局のところ、菊芋は
強い野草でした。

成長は想像をはるかに超える、
恐怖を感じるくらいです。

投げ捨てるだけで
たくさん実る。

気遣い無用。

人手は加えなくていい。

畑よりも、
ちょっと荒れたような場所で
よく育つ。

具体的には、畑の敷地外、
角か端っこの柵があるような
場所、斜面などです。

ススキやササがあると
なお良い。

大きなススキ、このまわりで
育つキクイモは、
とても大きい。ススキの根は
刺々しいですが、
成長の刺激でも
受けているようです。

ススキ、ササが生えているところでは、
特に大きな菊芋が目立ちました。

耕す必要も、畝をたてる
必要もない。

最近、わかったのは、畑では、
意外にも小さいものが目立った。

実は、昔、有機で栽培していたという畑も借りているのですが、
キクイモは今ひとつの出来でした。

大きさは普通です。

ススキやササが
生えているところのものよりも、
おとなしい感じです。

味は悪くはないけど、覇気、
突っ張るようなハリが少ない。

生で食べてみて、元気がでる
という底力を感じない。

畑のキクイモはそんな感じです。

ササの場所のものと比べたら何か違う、
感覚的なことで、うまくは
説明できないのですが、

オーラ測定値みたいなものでも
あれば、わかるかも。

ただ、畑の方が、ずっと
収穫は楽です。
なにせ土が柔らかいし、
ササの刺々しい根がない。


ササの根。
素手だと刺さります。
竹ぐしのような感じです。

ササ=荒地、って考えが
浅はかだったことが、
最近わかってきました。

ササがが生えているところ、
実は土の香りがいい。

またクモやムカデも
結構見かけます。

生き物、いっぱいいます。

決してガチガチに硬い土ではない、
というのがササの周りです。

トゲトゲしい根っこは多いですが、
その間で植物はよく育っていました。

キクイモはササのトゲに刺激され、
大きく育つように思います。

大きな岩がある場合も同様でした。
岩が邪魔、だから負けじと育つ。

何か障害か、
敵がいた方がよく育つ、9年間で
わかってきたことです。

ササ、見渡せば、山に多い。

大きなクマザサの薮
その中で育つ木。

ササの中で木が育つ。

考えにくいことですが、

実際に大きく、また健康そうに
木は育っていました。

菊芋が野草だと思ったのは、
こういうササの中で
大きく育つからです。

ササが生えているところの土には
植物が育つ栄養素か
何かの源があるのかもしれません。

以前、何かの農法の本で
生えている植物で荒地か
ランク付けを見たことがあります。

ササやススキ、セイタカアワダチソウが生えていたら、
結構下のランク、荒地に
該当していたかと
思います。

ただ、それは人間がある種の野菜を
栽培する場合の世界、って考えていいかと思います。

山の植物、野生の植物の場合、
人が決めた荒地の基準は
当てはまらないんじゃないかと思う。

ササの役割もきっと何かある。

正確にはわからないけど、
少なくとも、キクイモが大量に、大きく育つ事実があるわけです。

ササは野草・薬草、
野生化した野菜のような
植物には何か良い環境に
思えてきました。

ササ、ススキ、セイタカアワダチソウが
生えている現場の菊芋畑です。
畑に見えないと言われますが、
一応、栽培している場所です。

長年、菊芋の茎や葉が積み重なって
土ができる。

実際に何も
手をつけていないですが、
自然の流れで土が柔らかく
きれいになってきた。

キノコが生えてきたところがあります。おそらく、
菊芋の枯れた茎が
積み重なる。しいたけの木と同じような環境かも。

キノコが育つ環境が
できてきたのかもしれません。

キノコがあっても、
キクイモはよく育っています。

ススキ、あえて切らずに
残していました。
中心なので、何かのシンボルにも
いいかと。

3メートルを軽く超える高さです。
またその周りは、
土がやわらかく、良い香り。

ちなみに夏から秋にかけて、この3メートル級のススキは
キクイモの影に隠れていました。

キクイモはだいたい4メートルくらいの高さ、場所によってはさらに高い。
最大で約5m。

ススキを刈らなかったのは、
キクイモの林に埋もれて見えなかかったから、というのが理由。

外から見えないものは、
そのままで。


肥料入れなくて、
3メートル強のススキを追い抜かす。

一体このキクイモって、何なのか?
って何度も思いました。
ススキもここまで
大きくなるとは知らなかった。

ススキとササは
菊芋とは相性がいい。

ちなみに近辺の畑で
キクイモを少し植えている人を
見ました。

ウネをたて、ビニールのマルチをする。
ごく普通に見かける一般的な
野菜栽培です。

そこではキクイモの背丈が
2メートルにも
及ばないくらいでした。

耕運機で耕し、畝を立てる。
盛り上がって土は柔らかい。
きっと肥料も入れているはず。

手間をかけているようでしたが、
結局は、何も対策していない

ところのものの方が、
ずっとよく育つ。

おそらく、野草のたんぽぽなどは、
下手に人手を加えて
育つものではないはず。

こうしたことから、耕して畝をたてる、
普通の野菜のようなことを
しなくてもできるのが、菊芋です。

むしろしない方がいい、
無農薬は当たり前で、
肥料もいらない。


空き地で過去に何も
栽培したことのないような、
荒れ地が理想、最もいい。

何も植えたことのない、
家の庭や空き地、
未踏の地のようなところ。
そんな場所が最も育った。

ちなみに、最もダメだったところは、
昔田んぼだったところ。

そのつぎが、10年くらい前に、
有機栽培していた畑です。

畑は、夏野菜などはよく育ちます。

土がやわらかく、おそらく
野菜が育ちやすい環境なのだ
と思います。

でも、そんな畑では、
意外にもキクイモは少なく、
育ちが悪い。
控えめな感じです。

このことからしたら、
過去に人の手が加わったところは
あまり良くない。

逆に10年経っても、
人の跡が残っている、
と言えそうですね。

さて、ササやススキの
ところは土がきれい。

菊芋自体もあまり洗わなくても
良さそうなくらい、
きれいなものが目立ちます。


デコボコが少ない。
またフランス菊芋がなぜか、
赤っぽく
なってきました。
これは謎です。確か何年か前は
紫色でした。
形も大半はデコボコが少ない。
もちろん、小さなものなどもあります。
そういったものは、そのまま置いておけば、種になります。



やっぱり赤い、エンジとも
言えそうなくらいです。
白い菊芋。
こちらが原種に近いものです。
デコボコが少ないのも、
ササやススキがある
ところの菊芋の特徴です。

洗いやすくて、助かります。

茎や葉はそのまま土に変わる。
木材チップもいらない。
土や肥料を持ち込ませず、
自ら枯れた葉や茎で
土壌をよくしていく。
ここでは完全な植物の
循環ができています。
モグラの穴、
モグラの穴を手でたどれば、
結構楽に収穫できます。
また大きいものが目立ちます。

モグラと菊芋の相性がいい、
というのも、
おもしろいところです。

モグラの穴をたどれば、
高い確率で大きな菊芋がある。

モグラとうまく付き合っていく。

耕すのはモグラにしてもらう。

耕さなくてもいい、
土はだんだん柔らかくなっていく。
これは、楽です。

このことは強く実感しました。

モグラは害獣ではない、
むしろ歓迎すべき存在。


耕すのは結構な重労働です。

耕運機など使えば、一瞬ですが、
いらない。

なくても野菜はできる、
というのがわかったことです。

キクイモの不耕起栽培、
ってことですが、
耕す必要がない、って言えます。

耕運機は高価な上、
燃料もいる。

また時々壊れて、
メンテナンス費用もかかる。

要は管理も大変で、
実はメリットが少ない、
と思っています。

時々壊れて、地元の農機具販売所が
潤う、そんな流れがあります。

いわばこれも経済の循環ですが、
あまり関わりたくないのが
正直なところ。

耕すことで、柔らかくなった
ところって、毎回耕さないと

何か栽培できないくらい、
土は硬くなってしまいます。

毎回していることの中で、
手間がかかる、
費用がかかる、
やらなくてもいいかも、

と思ったことを
切り捨てていく。

そうすると、意外にも
種まきだけだった、

その種まきもしなくていい野菜が
あった、というのが
菊芋やニンニク、らっきょうなど
ですね。

全部収穫しなくてもいい、
収穫に疲れたら、
やめる。

菊芋の全収穫は、
今までできたことがない。
掘っても掘っても、菊芋。

勝てない。

植えた記憶がないところでも
生えてくるくらい、怖い。
繁殖力がすごい。

途中で落としたたった一つの
キクイモから
5kgオーバーの収穫も。

丁寧に種まきや良い種を選ぶ、
なんてことはキクイモの場合、
全く必要なかった。

切れ端やヘタをばら撒く程度で、
どんどん育っていく。


キクイモのヘタ。こんな1cm程度の
ヘタの切れ端一つで、5kgオーバーの
収穫になった。
根が出てます。
地面にばら撒けば
育つ。


とても強い繁殖力と生命力です。


こんなものから、
成長していきます。

浅く植えるだけ。
深く植えると、収穫のときに
深く掘る必要がでてくる。


要は苦労するだけ。
浅く広く、あるいは、
もう投げるくらいでもいいかと。
菊芋の茎は枯れて、
天然の肥料になります。
最近はキノコが生えて
きたところが目立つ。


菊芋の種は当初は確か3kgくらいから始めました。

今では数百キロは余裕であるくらい、
ほぼ毎年大豊作です。

正確には全て掘れない、
毎年負けます。

あとわかってきたのは、
以前にも書きましたが、
フランスキクイモなどの
新しい品種改良されてできたもの、

あまり強くはないですね。

フランスキクイモは
色がだんだん薄くなって、

白いものに変わったものが
結構あります。

1月くらいまではまだましですが、

2、3月頃になると、フランスキクイモは
だんだんと水分か
覇気のようなものが抜けていく。

そのためかどうかわかりませんが、
春の発芽が早い。


確かに発芽は白いものに比べると早い。
理由は不明ですが、おそらく、
ヘタの部分が広いから。
ヘタの箇所から、
どんどん水分が抜けて、
発芽がはやまるのかも。

発芽が進んできたら、キクイモのシーズンは終了です。

11-4月下旬まで通常は
収穫できるキクイモですが、
フランスキクイモ多くは
発芽が早い。

おそらく4月上旬で終了かもしれません。

はじめは栽培地や日当たりもあるかと
思ったのですが、全体的に
発芽が確かに早かった。

一方で白い通常にキクイモに関しては、
発芽がやや遅めです。

これは簡単に言えば、
賞味期限/収穫期間が短いのが
フランスキクイモ、
長いのが、白いもの、ということです。

ササに押されるのか、
色はだんだんと抜けてきます。
赤いのは本当に謎です。
(赤菊芋という品種は別にありますが、
もっと小型です。)

きっと何年かしたら、
フランス菊芋の大半が
白いキクイモになるのでは、
って思います。

最近何人かの人に
「赤紫色のフランスキクイモを
初めて見た」
と言われました。

言われるまで気が付かなかった。
確かに赤っぽくなってます。

こうなるとわけがわからないですね。

確か、蒔いた時は紫色だったのは
覚えています。

色は華やかでいいのですが、
品種改良したものって、

原種に戻るのか、
それともさらに変化するのか、
よくわからなくなってきます。

こうなると、原種に近い品種だけに
すればよかったかと思います。

在来種の種などを中心で
進めていたので、キクイモに関しては少し後悔。

でも、赤は好きな色で
華やかでいいです。

それにほとんどの人が
紫色のを望んでいるようです。

また人にあげる時なども、
紫色が好まれる。

テレビか雑誌の健康情報ゆえの
ことだと知りましたが、
これは事実なんだろうか?

手で持った時の質感で、
どうも白い方が良さそうに思う。

いや、正直わからないですが、
元気がありそうな気がします。

ただ、色の明るさや華やかさは、
いいかな、というのが
正直に思うところです。

赤って何か活力を与えてくれる。

キクイモは北アメリカが原産、
先住民のインディアンが
栽培していたものですが、

時代背景からして、
友好な広まりではないはず。
虐殺で奪い取られた可能性が高い。

彼らがどのように扱っていたのか、
どれくらい日々食べていたのか、

文章や資料では
残していないだろうけど、
実際に食べて食べすぎた時の弊害

1日の摂取量なども概ね
わかっていたのでは
ないだろうか。

主成分イヌリンの
取りすぎの弊害は
きっとあると思う。

現に白人のエドガー ケイシーが
後にリーディング(自分では知らないことなのに、何かに導かれたかのように、治療法を人に説く。)でキクイモが糖尿病などに良い、と説いた。

確か摂取量のことも
説いていたと思います。

もし薬草として治療目的でキクイモを
取り入れるなら、
エドガー ケイシーか

あるいは可能であれば、先住民がどのように扱っていたのか、
調べる必要があると思う。

多すぎてもよくないだろうし、
何か先住民が体験で知っていることは
きっとある。

新しい品種を作り、
成分の多いことをうたったものが
あるようですが、おそらくあまり
期待するものでもない。

フランス菊芋も実際、原種より弱いし、
色は抜けていくわけです。

フランス菊芋は沢山実っては
いるのですが、
原種に完全に追いやられている
様子を何度もみました。

ただ、品種の違いより、
むしろ生育環境で見た方が
いいかと思います。

どこでどう育ったものか。

たとえば、高麗人参に関心を
持ったとする。 六年根がいいと調べたとしても、それがどこで
どう育ったのか。

国産がいいとも言い切れない。
というのは、高麗人参の栽培が
容易ではなく、

日本よりも朝鮮半島の方が
合うわけです。

仮に大きな六年根があったとしても、
どういうところで、どう育ったのか。

皇帝が求めていた山に
自生しているようなものは、
一般人には回ってこないだろうし、

かといって、自分で簡単に
栽培できるものでもない。


何かの成分が多い=良い、
とも言えない。

ビワの種も、トリカブトも
量次第で、薬にも毒にも
なるわけです。

水、コーヒー、飲み過ぎ、
食べ過ぎは裏目に出る。

とは言っても、別にキクイモを
毎日食べても、
なんら異変はない。

シャキッとしていて、
加熱しても生でもおいしい。

量は豊富。
非常に助かる野菜ですが、圧倒的な量で
毎回驚きます。

ただよかったと思うのは、
大量にあると、
ケチくさくなることもない。

近所でも誰でも、たくさん
タダであげたら、何かいい人、
って思ってくれるみたい。

変わった人ならいいけど、
変な人では、
ちょっと辛いところはある。

でも何してるかわからないけど、
実はたくさん何かくれる人、

実はいい人かも、
みたいになると色々と助かります。

フレンドリーに
話せる人は確かに増えた。

こっちは多すぎて、収穫も追いつかず。
困ってる。

好かれたいからではなく、
ありったけあるから、
素直にあげられる。

キクイモは多くて、
湧いてくるような野菜ですが、
大量にあるもの、できるものって、
無償で施せる。ありがたし。

掘るのは大変だと思えば大変。
雪の中でも収穫できる。

ただ、キクイモ栽培を通して
これまで見てきたものは
はかりしれない。

栽培は繁殖力の強さで嫌う人が
多いですが、
私にとっては受けた
恩恵は計り知れない。



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