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すごい日記

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すごい得のない日記
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#小説

指差す者を探す

「これはどこにあるの?」「これってあります?」「探したけど見つからないんです」
私は、「ああ、それなら」から始まり、腕を上げて指差す。「あちらにありますね」
 私が言うと、困った顔や申し訳無さそうな顔、不機嫌な顔も一様に満足げになり私が指さした方へと進んでいく。なんて楽な仕事だろう。行くべき場所を伝えただけでみんな上機嫌になる。ただ指差すだけで誰かの役に立つ。自己肯定のハードルが低ければ低いほどこ

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そうやってはぐらかすのね

 ご周知のことと思いますが私は頭の中に複数の人間を飼っておりまして、それぞれが私に必要なときに声をかけてくださったり代わりを担ってくれたりする。これは便利でもあるが時には邪魔にもなる。いやほとんどは邪魔なのだが。近頃は20代のパンツスーツが似合うバリキャリショートの元バレエダンサー趣味乗馬バイオリン学生時代のあだ名は女王、現在は工作員として流木を拾う仕事をしている謎の女性が現れて日々の生活について

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人生の一部

人生の一部

22歳:実家がおしまいの極地にあり、完全ヤケクソ状態で出版社に送りつけた小説が編集者の目に止まり、小説を書くことになる。
23歳:工事現場の爺さま達に囲まれながらゴミを拾ったり岩を運んだり、買い出しに走ったりする。
24歳:相変わらずアルバイト生活。小説がどのコンテストにも引っかからず半ヤケクソになってエロ小説を書く、がこれも飛ばず。完全ヤケクソになって女性向け小説を書いたところなぜか評価されてし

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見出し画像がなくてもいい

 noteを書くとき、いつも見出し画像があったほうがいいのか迷う。
フォトギャラリーを開くところまではいくのだけど、ずらっと並んだ写真・イラストを数秒眺めて閉じる。Netflixで名作映画一覧を見ている気分だ。

 amazonでKindleセールをやっているので和山やま氏の『カラオケ行こ!』と『ファミレス行こ。』を買う。
 和山やま氏の作品はpixivとツイッターで何度か拝見したことがある。イブ

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