【随筆】冬の呪縛と偏愛 ~毛布から離れられない~
引っ越しまで残り数日となり、それまでのスケジュールは真っ白。
更に、風邪をひいて喉はイガイガ、声はカサカサ。
しかもよりによって薬は前日、健康だった時に処分してしまったので
いつものように家にひきこもっている。
そろそろ暖かくなり始めてもいい頃だと思うけれど
室内にいるとまだまだ肌寒くて、こたつから抜け出せない。
これはきっと、誰しもが囚われる呪縛…。
でも、私にはそのこたつを越える呪縛に囚われているのだ。
その正体は、毛布。
私は幼い頃から、毛布が大好きだった。
ふわふわもこもこな、あの独特の手触り。触れた手を優しく包み込んでくれるあの感じ。
そういえばスヌーピーに登場するキャラクターも毛布を握っている子がいたような…。それはきっと安心を得て、癒されるためなんだろうけど、私はちょっと違う。
毛布の手触りが心地よすぎて、癒されるどころかちょっと興奮してしまうからだ。
一度触れば、頭の中はふわふわともこもこ以外考えられなくなる。寝る時も意識的に毛布を握っててしまうため、なかなか眠れなくなるほどに。
さすがに、春先になると暑苦しくなってくるけれど…。
それでも、こたつやストーブ、上着を使わなくなったとしても、毛布は夏直前まで手放さない。
(夏になると泣く泣く手放す)
認めます。私は毛布に囚われていることを。
我ながら度がすぎている偏愛を綴りながらも、左手のひらのしあわせな感触に身を委ねる。そんな午後でした。
野乃
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