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地域組織と社会教育の話〜あるいは人材不足が専制化の遠因の一つかも?説。

櫻井常矢. (2022). RMO の組織形成と地域政策—人材の発掘・育成の視点から—. 地域政策研究, 25(2), 57-72.を読みました。

RMOという言葉がある。地域運営組織(Region Management Organization)の略だそうで、その定義は総務省によると、「地域の暮らしを守るため、地域で暮らす人々が中心と なって形成され、地域内の様々な関係主体が参加する協議組織が定めた地域経営の指針に基づき、 地域課題の解決に向けた取組を持続的に実践する組織」だそうだ。主には小学校区域を基本範域 として、地域内にある自治会、NPO、各種団体、学校、事業者等がフラットに横につながり、持続可能な地域の暮らしを実現する課題解決型組織であるという(P58)。

京都だと小学校区ごとに学区連合会っていう組織が(あるところには)あって、これは町内会と各種テーマ別団体による連合組織で、地域自治を担っているが、こういう組織はRMOと呼ばれている様子をあまり見かけない。おおもとの総務省も、高齢化・人口減少という流れは特に中山間地や過疎地などで、地域の暮らし、生活機能の面で不自由を強いる状況を作り出してきており、最終的には生活機能が成立しない状況にまで至る地域も出てきているから、RMOが要るんだよ、というようなことを書いていて、農村地域対策としての側面が強いようだ。

さて、そんなRMOが理念通り機能すれば、地域内の組織体が断片化することで生じる非効率を解消し、活動や人材などの資本の最適化につながることを期待することはできそうだ。しかし、どうもうまくいっていない現状もあるらしい。

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