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「地域団体の永続性」を願いがちな理由に関する話

 時に、権力者は永遠の命を望んだものだ。始皇帝とか有名だ。

 中華を統一した権力者ならさておき、現代社会に生きる我々は自身の永遠化を望むだろうか。あんまり望んでいなさそうに思える。むしろ古今の神話や文学は人が永遠の命を持ったらろくなことになんないよと繰り返し言ってきたし、そのミームを受け継いだ我々は永遠の命にはさほど関心は内容に思える。せいぜいアンチエイジングくらいであろう。

 仮に我々が自身の永遠化はあまり望まないとして、その代わり別のものの永遠化は案外カジュアルに望んだりする。例えば、組織である。

 例えば私達は、しばしばまちづくり活動を担う組織が持続可能ではないことを問題視する。行政は補助金を投入する時に、その対象となる団体が、補助終了後もどの程度永続するかということを気にするし、地域住民も、活動の担い手不足や資金不足によって組織体の自己保存ができなくなることを恐れているように見える。

 生き物の不老不死はそんなにほしくないというか、死を受け入れているようだが、組織体の不老不死はけっこう本気でそうであってほしいと思っているように思える。

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