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私たちは、人々のために見えない妖怪と戦ってくれる戦士達に、どれだけのサポートをすることを了解できるだろう?という話。

 昔、夜に家に帰ると、自宅マンションの前で座り込んで何かをしている人がいて。どうも道の脇の排水溝の上で背中を丸めて何かを洗っているようなんです。え?なに?こえー!と思ったんです。妖怪の類に見えたんですね。だけど、近づいてみると実は友人で。事情を聞くと、農作業かなにかで汚れた長靴を、家に持って上がるわけにもいかないから、ここで洗っているんだ、みたいな説明を受けて、あー、そうなのね、とほっとした覚えがあります。

 このとき僕が思ったのは「前後の因果関係がわからない人や出来事」っていうのは、妖怪の類に見えるんだな、ということで。大昔、僕が学生だった頃のこと。たしか3月の、少し暖かくなってきたある日、近所を歩いていたら、アングロサクソン系の男性がパンツ一丁で全力疾走してきて、通り過ぎていったんですが、あれも妖怪に見えました。前後がわからないんですね。どこから来て、どこへ行くのか。時期も時期だけに、僕には彼が春を運んできた妖精に思えました。

 最近、こんな面白いマンガを見まして。

 なるほど、人が自殺しようとする因果っていうのも、僕らにはいまいちわからないものです。いくら自殺者数が少なくないと言っても、コンビニほど身近にありふれている出来事というわけではないので、やっぱりどうしても前後関係がわからない。だから、自殺も妖怪の仕業であるという認知は、おかしなことではないと思うんですね。で、この漫画が面白いのは、その自殺を押しとどめるのも妖怪の仕業なんですね。ここでは魔法少女とされていますが、「人ならざるもの」であるということでは同じで。

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