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詩それぞれ

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君を通して

君を通して

今日は満月。ピンクムーン。
4月の満月は夜空に煌々と輝いて世界を照らす。僕らも、僕らの住む街も。等しく、分け隔てなく。スポットライトのように、世界をありのままに浮かび上がらせている。

ベランダから見上げる、ピンクムーン。
きれいだね、と君が言う。少し開いた口、真っ直ぐに月を見つめる澄んだ瞳。頬にかかった長い髪が夜風に揺れ、繋いだ君の手の熱さを思わせる。

二人で眺める、ピンクムーン。桃色に染まっ

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明るい霧と、暗い霧

明るい霧と、暗い霧

明るい霧は、軽い。
ずっと包まれていたいのに、いじわるな風がすぐに吹き飛ばしてしまうから、長持ちしなくて、悲しい。

暗い霧は、粘っこい。
重くて嫌な臭いもして、明るい霧と違って長く長く留まるから、世界のすべてが悪いものに感じられて、私をひどく落ちこませる。

明るい霧は、儚い。
暗い霧は、冷たくて怖い。

それでも暗い霧にどこか親近感を覚える私は、怠惰にうずくまったまま、重く嫌な臭いの空間に浸り

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なにもない一日

なにもない一日

今日は、なにもない一日だった。

特別に良いこともなかったけれど、気分が落ちこむようなこともない、本当になにもない一日。

いつも楽しんでばかりでは、心が愉快さに飽きてしまう。
いつも嘆いてばかりでは、心が苦しさに耐えられなくなってしまう。

なにもない一日。面白みのない、一日。
心穏やかに過ごせた、大事な大事な一日だった。

私の世界

私の世界

部屋の掃除をする。きれいに。居心地がいいように。

部屋の中が、私の宇宙であるから。

ゴールが見えないウィーク

ゴールが見えないウィーク

世間はゴールデンウィーク。

一方で、毎週がゴールデンウィーク、いや、何連休してるのだという状態の私。無職。

ゴールどころか、進むべき道も判然としない。入り口すらわからない。

ゴールが見えない、毎週。
ゴールが出ない、ウィーク。
まさにゴール出んウィーク、てか。ははは。

笑って生きてこうぜ。

深い、呼吸

深い、呼吸

深く、呼吸をする。吸って、吐く。
一回、二回、三回。

その三回の深呼吸が、心を少しだけ軽くする。軽くする、と信じることが、心を少しだけ楽にする。たぶん。

辛いときに、どうぞ。