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職業:アイドルオタク

ある日、アイドルオタクに就職してました。この職は収入がゼロです。

女優志望(23)の私は気づいたら "職業:アイドルオタク" になっていました。なんでかは分かりません。ただ、落ち込むほどオーディションに落ちまくり、女優の仕事がなく、数ヶ月に1回の舞台スタッフの仕事とアルバイトのみで生きていた私は猛烈に現実から目を逸らしたかったんだと思います。

お仕事並に推し事して、てか、推し事だけをして24時間推しの事を考えてました。誰よりも早くコールを覚え振りを覚えグッズを買い揃えライブは遠征をしてまで全通して……、今は考えたくない程お金を注ぎ込みました。推しの為に痩せようとしたり、お洒落したり、オタク友達と朝まで語り尽くしたり、推しが生きているだけで幸せで、24時間365日推しのこと考え、そんな日々が夢のようでした。



そんな夢のような日々は推しの卒業により突如目の前から消えました。


目覚めると私は社会人3年目になっていました。はやい…。あまりにも日々がはやすぎる。。。2年間て秒じゃん…。絶望の2文字で頭の中はいっぱいになりました。思い描いていた23歳の私は女優と名乗れていたはずだ、と。周りの友達は就職先が決まり働き始めていました。正直焦りました。浦島太郎くらいな気持ちで焦りました。夢は夢だったと実感しました。私もきちんと就職することがいいのか、今度こそ逃げずに頑張るのか、きちんと向き合いました。私は何がしたいのか、今後どうなりたいのか。

こんな私です。"強み"なんてありません。"若さ"なんてありません。光る個性やオーラ、センスなんてものも持ち合わせてはいません。人の夢に夢見てて現実見れなかった自分がどうしようもなくて、吐きそうになるくらい劣等感の塊。でも、今度は逃げない、やるだけやってダメならスパッと諦める、そう決め、今に至ります。

職業:アイドルオタク

わたしの人生という目でみたら無駄な日々ではありません。でも、女優になりたい私の避難場所、にしてはいけなかった。毎日落ち込んで泣いてた私をアイドルは救ってくれました。そこに依存してしまったのはわたしの弱さです。

強い女優になります。誰かを救える作品を作ります。今の私がいる理由はそれだけです。








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