日本はなぜ後進国になったのか。

今現在、会社員として働いてる私は職場の中ばかりに目を向けてきた。
意地悪なお局軍団に自分の賃金の低さ等、上げればキリのない不満。
でもそれって、この会社だけの問題なのか?

恐らくだが、日本のほとんどの会社は同じような状況にある。低い賃金でやりがいという名の搾取労働で一日12時間の勤務。よっぽどのことがなければ同じなのだろう。

多分、30年前と今では働く先の未来の見え方が大いに違うためにこのような職場環境を生んでいると思っている。誰しもが不安の中、日本人同士で互いをつぶしあっている現状がある。変に日本人はまじめだから(褒めてない)

30年前、生産性の高い企業ばかりだった日本

1990年頃の日本は企業の時価総額がどれほどだったのか。こちらの記事を参照

正にジャパンアズアナンバーワンである。中でも上位はのすごい勢いだ。いかに日本が金融資産に入れ込んでいたかがわかる。このころの銀行の預け入れの金利が5%とかだったらしい。ありえない。

そして現代はほとんど米中の企業にとって代わられて残っているのはトヨタ一社のみという大惨敗を喫している。

そして現代の時価総額を見ると上位に来ているのはIT関連の企業だ。
日本が世界に敗北した理由、それはIT投資に乗り遅れたことに他ならない。

ITへの乗り遅れが日本の敗退の理由

平成31年時点での時価総額トップ4はおなじみのGAFAMである。(FACEBOOK:現METAは9位だが)
中でも最大の敗北はOS(オペレーションソフト)のシェアを獲れなかったためだと思われる。

現在のPCOSの雄といえば1995年から変わらずマイクロソフトのウインドウズである。まずこの初手でつまずいた。

そもそも日本もOSを開発していなかったのかといわれるとそんなことはない。有名なのはTRONといわれる東京大初の日本製OSだ。
このTRONを情報処理系のOSへ普及させることができなかったことが商業的に大失敗だったといえるだろう。
※lot分野でのOS活用はTRONが現在でも世界シェアの6割ほどらしい。

恐らく、このOSソフトの普及が成功してたら今頃日本は世界のどの国よりも豊かな国になっていた。アメリカに先手を取られそのままシェアを握られてしまったのである。しかも本格的に官民一体でITを推進し始めたのは2000年頃、時すでに遅しである。

もう一つの衰退の原因は製造の海外拠点化

我々の雇用を奪っているのは製造の海外拠点化である。20世紀末からのデフレから人々はお金を使わなくなり物が売れなくなった。売れるようになったものは安価な製品だ。

そして安価な製品は中国を筆頭に人件費コストの安いアジアの工場で作られるようになった。ユニクロがチベットの搾取的労働で批判を浴びていたけど、結局他の国の物価が安いため人件費も安くできた。

結果、日本ではモノづくりを行わなくたった。上流の仕事しかしなくなった。結果、本来下流の生活を支えるはずの工場作業員の職業(正社員)がなくなっていった。挙句に小泉政権時の竹中平蔵の温度により製造業の派遣業緩和が実施されて人の消耗品化が始まったのだった。

カルロスゴーンによる大規模なリストラだって、すべて日本工員の賃金の高さが原因だった。結局90年代に贅沢していた世代が資産や給料が減っても贅沢な暮らしをしたいという需要から100円均一という業態が生まれ、日本の仕事を奪っていったのだ。

トランプが大統領が製造業を守っていたのは、安価に海外でものづくりさせると雇用を奪うだけでなく、ノウハウや物価の底下げを警戒していたからだったのだ。日本はこれに気付かずに我先にと海外に製造拠点を移してしまった。

日本に挽回のチャンスはほぼ残されていない。

ITに乗り遅れ、製造業の雇用を海外に渡してしまうと必然的に雇用が減り、貧困が増えるのは必須だった。

ゼネコンでもITでも上流のベンダーコントロールなんてたくさんいる必要がなく、限られた人間しか就けない。ピラミッドやカーストと同じ図式になる。

そうなってくると日本人は働く場所さえなくなり、下流の人間はサービス業くらいしか稼ぐ産業がなくなってしまうのだ。

このピンチは簡単に脱することはできない。ITに次ぐ近未来の産業をいち早く察知して官民一体となりリソースを投入していく、これに尽きる。

しかしもうすでに次世代型産業は米中に握られてしまっているだろうと予想される。

代表的な産業は恐らくエネルギー産業だろう。石油等の資源に頼らないクリーンでかつ永続的なエネルギー開発。噂によるとアメリカ・テスラ社が自動車産業の次に蓄電効率化なんてものを狙っているとかいないとか(ホリエモンが言ってたw)

日本がもし本当に豊かになりたかったら、まずは身の丈にあった生活を送らなければならないだろう。



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