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ミニ物語「シマウマ柄のヒョウ、ヒョウ柄のシマウマ」

サバンナのとあるところに、シマウマ柄のヒョウがいました。
そのヒョウは、大変臆病もので、まさにシマウマのごとくきょろきょろしては周囲の警戒を怠りませんでした。
というもの、そのヒョウはシマウマ柄なので、シマウマと間違えられてよく肉食獣に狙われるからです。仲間のヒョウに近づくこともまた、できませんでした。

一方で、そのヒョウは食べ物には困りませんでした。シマウマ柄をしているため、シマウマの群れに簡単に忍び寄ることができるからです。


またサバンナのとあるところに、ヒョウ柄のシマウマがいました。
そのシマウマは、大変寂しがり屋で、いつもとぼとぼと歩いては地面を見つめていました。
というもの、そのシマウマはヒョウ柄なので他のシマウマに近づくとヒョウと間違えられて逃げられるからです。群れることができず、いつもひとりぼっちでした。

一方で、そのシマウマは、肉食獣から逃げることには困りませんでした。ヒョウ柄をしているため、肉食獣はヒョウと勘違いし、襲うことがないからです。

あるとき、シマウマ柄のヒョウと、ヒョウ柄のシマウマが出会いました。


              *


あるところに、シマウマとヒョウがいました。
シマウマはよく肉食獣から狙われるため大変臆病者でしたが、ヒョウが守ってくれるため、安心して地面に寝転んでいます。
ヒョウは大変寂しがり屋でしたが今はシマウマがお話を聞いてくれるので、楽しくなって無邪気にそのシマウマに話をしています。

そのヒョウはいつもとぼとぼと下を向いて歩いていましたが、シマウマと出会ってからは、上を向くようになりました。

そこには、雲一つ無い青い空が広がっていました。


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