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「窓の魚」を読んで

「作家は冒頭の書き出しを大事にする」という言葉をよく耳にすることがあるだろう。 名作と呼ばれる本ほど、作家は冒頭にその本のテーマや主張したいことを持ってくること…

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1年前
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「しろいろの街の、その骨の体温の」を読んで

皮膚の内側で否応なしに成長する骨の、皮膚を裂いてくるような痛みを感じる本だった。 この本からはノスタルジーを感じるような描写はほとんどない。温かみもなければ色も…

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2年前
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「正欲」を読んで

オードリーの若林さんがとある番組で、「自分はコメンテーターはやりたくない。なぜなら街で急に叫んじゃう人の気持ちが分かるから。ただ、世間はそんな意見を求めていない…

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3年前
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「窓の魚」を読んで

「窓の魚」を読んで

「作家は冒頭の書き出しを大事にする」という言葉をよく耳にすることがあるだろう。
名作と呼ばれる本ほど、作家は冒頭にその本のテーマや主張したいことを持ってくることが多い。
窓の魚はその中でも、作家が主張したいことを冒頭で丁寧に書き出した本である。逆を言えば冒頭の意味を理解しなければ、何をテーマに書いたかが分からないようになっている。なぜなら、この本はミステリー要素がかなり強く、大多数の人はこの本を恋

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「しろいろの街の、その骨の体温の」を読んで

皮膚の内側で否応なしに成長する骨の、皮膚を裂いてくるような痛みを感じる本だった。

この本からはノスタルジーを感じるような描写はほとんどない。温かみもなければ色も白色、そのおかげなのか登場人物の色が、個性がくっきり感じ取れる。

物語はニュータウンに住む少女の群像劇。どんどん土地開発は進み、新しい駅が建ち、同じ形の同じ間取りの家が立ち並び、子供の秘密基地的な裏山はこぎれいな公園に変わり、どんどん伸

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「正欲」を読んで

「正欲」を読んで

オードリーの若林さんがとある番組で、「自分はコメンテーターはやりたくない。なぜなら街で急に叫んじゃう人の気持ちが分かるから。ただ、世間はそんな意見を求めていないし、製作にかかわる人にも迷惑がかかってしまう。」と発言をしていたのをよく覚えている。

自分にも似たエピソードがある。学生の頃母親と警察24時的なテレビを見ていて、女性の前でコートを広げて自分の恥部を晒した男がいるという無線を受け、警察が出

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