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📘️ Book Club:サステナブル・デザイン思考とは?サステナブル企業の幕開け-デジタル技術で深刻化する環境問題に対処しよう。

デザインは結果の背後にあるおもわくです。

今日デザイナーは、持続可能を意図を念頭に置いて色々なプロダクトやサービスをデザインすることを求められています。 欧州連合(European Union)の持続可能なプロダクトポリシーによるとエネルギー関連プロダクト(ErP)の生産、流通、使用、および寿命の管理は、エネルギーやその他の材料や資源の消費、廃棄物の生成、有害物質の放出など、環境への重要な影響に関連しています。プロダクトに関連するすべての環境影響の80%以上が、プロダクトのデザイン段階で決定されると推定されています。

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デザイン思考とサステナブル・デザイン思考の違い

デザイン思考は、単に表面化した問題や課題を解くのではなく、プロダクトやサービスを使うユーザーの立場から考え、根本的な解決策を探ることを指します。デザイン思考のベストプラクティスの1つは、人間中心になされたデザインです。人間中心のデザインは、特に人の欲求とニーズに対応しています。

サステナブル・デザイン思考は、またその奥のエイドソリューションに焦点を合わせるのではなく、満たされていない人間のニーズに長期にわたって対応し、対処することを目的としています。人間中心のデザインが普及し続けるにつれて、このアプローチを採用することの重要性は、特に人間のニーズと持続可能な問題に関連するため、さらに重要になると言われています。またこの考え方は、将来を見据えた結果を生み出す意図を推進することで、プロダクトのライフサイクル全体にわたるエネルギー消費を含む、プロダクトの環境への影響を減らすことも目的としています。

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デザイン思考は、ユーザーに優れたエクスペリエンスを提供するためのフレームワークで、サステナブル・デザイン思考は、ユーザー、その子供、孫に素晴らしい体験を提供するためのフレームワークとも言われています。

なぜサステナブル・デザイン思考が求められているのでしょうか?

今後5年以内の企業の気候変動の予想累積コストは1兆ドルで、72%の企業が、気候変動は事業、収益、支出に大きな影響を与える可能性のあるリスクをもたらすと述べています。

今日、人々は「持続可能性」を強くまた普遍的に求めています。最も一般的な例は、人間が現在どのように社会や環境と相互作用し、課題や障害を克服するかです。いくつかの例には、再生可能エネルギー資源、リサイクル、および「グリーン化」が含まれます。

私も買い物をするときに企業の環境に対するビジョンや、責任感を考え、トレーサビリティを重視します。

💡トレーサビリティとは、「その製品がいつ、どこで、だれによって作られたのか」を明らかにすべく、原材料の調達から生産、そして消費または廃棄まで追跡可能な状態にすることを意味します。

例えばオンラインでの買い物が増えた現在、人々や企業は、環境のために、ダンボールやプラスチックなどのアイテムのリサイクルを開始を今まで以上に力を入れていく必要があると常時考えています。企業はリサイクルをしたダンボールボックスや、コンポスト化できるプラスチックバックなどを使用する傾向があります。

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また消費者が、より環境に配慮した決定を下すことができる1つの方法は、グリーンエネルギー計画を利用していることです。多くの人が、プリペイド・エネルギーと言って、エネルギー使用量を設定する特定のサービスを選択できるプランに切り替えています。これは、コストを削減し、同時に環境にやさしいものになることができることを意味します。

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目に見えない影響を視野に入れる

多くの人が、持続可能な問題は地球の保全と保護に関係していると信じています。これは事実です。 なぜなら「持続可能」問題は、人間の存在を維持することに関連しているからです。これは、人間の主要なニーズであり、したがって人間中心のデザインの確かな例です。

さらに、デザイン思考または人間中心のデザインを使用して、次の100年間を前向きに考えることにより、今日の専門家や組織は、人間、ビジネス、存在、および技術のニーズに効果的に対処し、満たすことができます。

•ユーザーには見えないかもしれないが、私たちが作成したものの結果である持続可能性への影響を考えましょう。
•クリエイターとして、ユーザーには見えないように見えても、プロダクトの影響について責任を負います。

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グリーンクラウド

デジタル・プロダクトデザイナーとして考えるとあまり環境に影響を与えないと思う方々も多いかと思いますが、最近デジタル・サービスのさまざまなホスティング・オプションを調べ、それらの環境への影響を評価している、非常に興味深いサービスの実行による環境への影響についてのポッドキャストを聞きました。

グリーンクラウド:クラウドプロバイダーは気候にどの程度配慮しいるのでしょうか?

サーバーレスでグリーン化
2部構成のエピソードのパート1で、ホストは「グリーン」であるという点でサーバーレスが従来のコンピューティングとどのように比較されるか、データセンターが気候に与える影響、効率が最初のステップにすぎない理由などを語っています。

クラウドでのエネルギー使用に関する記事とレポート
https://blog.container-solutions.com/the-green-cloud-how-climate-friendly-is-your-cloud-provider

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サステナブル企業の幕開け-デジタル技術で深刻化する環境問題に対処する

サステナブルな環境を目指す取り組みは、もはや企業の社会的責任(CSR)の範疇を越えています。だからといって企業は、コンプライアンス遵守や報告書作成だけやればよいというわけにはいきません。あまりにも切迫した課題なのです。環境問題は企業のどの部門にとっても、リスクであり機会でも
あります。それは、あらゆる組織の戦略や経営モデルに挑む課題なのです。企業がどのように環境問題に取り組むかは、企業経営や、競争戦略に直に影響します。具体的には、新たな市場開拓や、経営の改善、リスク管理、顧客動向の把握、サプライチェーンへの対応など、あらゆる場面での企業活動に影響を及ぼします。

特にその影響は、世界がコロナ禍から立ち直る過程で、ひときわ重みを増すと言われています。今日では世界のどこかで起きた事象が生み出す影響は、あっと言う間に世界中に広まります。経済的な悪影響はもちろん、「環境問題」を企業にとって周辺的な課題にとどめておける時代は過ぎ去りました。なぜならそれは、サステナビリティー、気候変動、大気・水質汚染、廃棄物処理、代替エネルギーなどの、あらゆる課題に影響を与えるからです。

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→ デジタル化による加速
環境問題の解決が容易に進まないのは、システムの硬直性や、環境ポリシー、環境配慮の欠如などに問題があるのであって、テクノロジーの不備に問題があるわけではありません。それどころか、これらの諸問題の解決にとって、デジタル・トランスフォーメーションこそが重要になります。

変化こそ商売上のよい機会
高業績企業ほど、デジタル技術を駆使することで、環境課題を商機に変えています。

洞察を行動の改善につなげる
データを詳察すれば、企業も社会も変化を遂げ、ひいてはサステナブルな企業が誕生する契機となります。

コラボレーションが実現する環境ガバナンス
民間と政府がデジタル技術を介して協業すれば、新しい形の環境ガバナンスを実現できるでしょう。

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追加リソースのリンク

IBMデザイン・プログラムについて:
•エンタープライズデザイン思考へのフレームワークとアプローチ

www.ibm.com/design/thinking

こちらでIBMのアカウントを制作すると、現在IBMのすべてのツールキットに一時的に無料でアクセスできます。このツールキットを利用すると、リサーチスキルを構築し、チームの新しいテクノロジー戦略を定義することが可能になります。

これらのツールキットは、持続可能性のためにデザインするために着手できる活動の概要を示しています。すべてのアクティビティが問題のスペースやプロジェクトに適しているとは限りませんが、IBMは時間をかけて、問題領域の持続可能性アジェンダ、およびコミュニティと業界の課題を検討することを勧めています。またユーザーを理解し、問題領域内で適切にデザインする方法を理解するために、各アクティビティとそれが推進する価値を慎重に検討し、ユーザーの共感だけでなく、持続可能性をさらに発展させるために必要な活動を検討しましょう。

IBMのデザイン変革に関するドキュメンタリー映画

デザイン思考を採用し、会社全体でビジネスの成果を変革するためのIBMの旅についてのドキュメンタリー
https://www.invisionapp.com/enterprise/ibm-design-thinking
https://www.youtube.com/watch?v=hy1tQInk2JE

[資料]PDFダウンロード

まとめ

サスティナビリティを無視する大規模なグローバル消費者ブランドは、評判とビジネスのリスクを高め、サスティナビリティが消費者の意思決定プロセスの重要な部分になっていることを考えると、ブランドや小売業者は焦点を絞り、これらの好みを満たす能力を向上させることが不可欠なこと、また72%の企業が、気候変動は事業、収益、支出に大きな影響を与える可能性のあるリスクをもたらす可能性があります。またプロダクトの環境への影響の80%は、デザイン・フェーズで固定されてしまうと考えると、デザイナーたちもサスティナビリティを支える重要なパートを支えていること、その一つ一つの言動や行動に責任感を持って仕事をしなければいけないと思いました。

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私も、色々勉強中なので、皆さまの、ご意見・ご感想をお聞かせください。お読み頂きまして、ありがとうございました。

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メルボルンを拠点にプロダクトデザイナーとして働いています。 主にデジタル・プロダクトの制作に携わっています。



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