📘️ Book Club：ファシリテーションとは？グルーバルで活躍するために必須なファシリテーションスキルについて、その役割と高め方

UXデザイナーとして働く多くの場合、ワークショップのファシリテーターという役割が求められます。グローバル化する社会でUXデザイナーとして働く上で、このファシリテーションというスキルがとても重要になってきます。

熟練したファシリテーターは、複雑なビジネス上の課題をナビゲートするためのプロセスガイドとして機能することにより、チームのパフォーマンスを強化できます。 

デザイン思考スタイルのワークショップやデザインスプリントに参加したことがあるなら、優れたファシリテーターに出会ったことがあるかもしれません。より生産的で効果的な会議を実現するために、会議文化にファシリテーションスキルを組み込みましょう。

今回はファシリテーターの役割や、スキルについてご紹介したいと思います。

ファシリテーターとは？

ファシリテーターとは、会議の進行役を指します。しかし、ただ会議の進行を行うだけでなく、ファシリテーターはもっと積極的に会議の場に関与する役割でもあります。

ファシリテーターと調べてみると、会議やディスカッションの中で、人々のグループがよりよく協力し、共通の目的を理解し、これらの目的を達成する方法を計画するのを支援する人とされています。

成功する会議には、偏見のないファシリテーターからの目的、組織、方向性、および支援的なガイダンスがあります。

ファシリテーションスキルは、目前の問題やトピックに焦点を当て、創造的な解決策とコンセンサスを達成するために必要な専門知識をチームに提供するため、効果的な会議の重要な要素です。

ファシリテーションに必要なスキルは？

それでは、ファシリテーターになるにはどのようなスキルが求められているのでしょうか？優れたファシリテーターは、次のスキルを備えています。

→ 高度な準備、会議の目的・アジェンダを設定する
→ 明確なコミュニケーション
→ アクティブリスニング
→ 的確な質問をし、意見を引き出す
→ タイム・キーピング
→ 偏りのない客観性を保つ
→ グループ決定プロセスの管理をし、意見をまとめる

高度な準備、会議の目的・アジェンダを設定する

熟練したファシリテーターは船の帆のようなものです。 

チームを目的地に導くために誘導します。

チームは帆なしで会議をナビゲートできますが、会議の目的が定まっていないと、ダラダラと時間を無駄にすることになってしまいます。

ファシリテーターは高度な準備をする必要があります。明確な会議の目的を設定し、話し合うべき内容をリストアップしてアジェンダを作成するスキルが望まれます。

アジェンダを制作したら、これをあらかじめメンバーとシェアしておきましょう。メンバーなりに会議の内容を理解し、皆が問いかけるべき質問まであらかじめ用意できるとさらにプラスとなるでしょう。

明確なコミュニケーションを取る

ファシリテーターは、よどみがちな会議の雰囲気をポジティブな方向へ転換させ、チームのモチベーションを高める能力も必要とされます。

お互いを理解し、明確なコミュニケーションを取ることは、私たちが有意義な仕事を達成する方法です。 したがって、グループ・ディスカッション中に全員が同じページにいることを確認することは、効果的なファシリテーターのもう1つの重要な仕事です。これには、活動の指示が明確であり、グループが最終目標について共通の理解を持っていることを確認することが含まれます。

言語の性質により、効果的なコミュニケーションという一見単純なタスクが、多くの人が理解しているよりも複雑になることがよくあります。

ファシリテーターは、会話中にアイデアや決定を可視化し、詳細を明確にすることで、共通の理解を確立するのに役立ちます。英語で会議を行う際は英語の能力が必要なことばかり考えがちですが、非言語のコミュニケーションスキルもとても重要です。

アクティブリスニング能力

アクティブリスニングとは、積極的傾聴のことです。 

これはアイコンタクトと受容的なボディーランゲージから始まります。

熟練したファシリテーターは、言われたことだけでなく、ボディーランゲージやトーンのような非言語的な手がかりの両方を取り入れます。

会話をとおして話し手の感情や考え、事実などを把握しながら、話し手が自身で問題を解決できるように導きます。 話し手は、自分の話を受け流さず「しっかりと聞いてくれている」と感じられるため、コミュニケーションが活発化するのです。

貢献の判断や評価の欠如は、積極的なリスニングにとって重要です。 メッセージが共有されると、ファシリテーターは、メッセージが正確に理解されたことの確認を受け取るために、聞いたことをスピーカーに反映しましょう。

アクティブリスニングは、理解の明確さを保証するだけでなく、グループディスカッション中に簡単に見落とされる可能性のある意思決定の仮定を明らかにするのにも役立ちます。アクティブリスニングをモデル化することにより、ファシリテーターはグループの他のメンバーの模範を示し、チームメンバーが実践を採用するにつれてより実りあるコミュニケーションを可能にします。

的確な質問をし、意見を引き出そう

意見が出やすい雰囲気づくりもファシリテーターの役割です。

会議の目的や議題に沿って意見を引き出すこともファシリテーションに必要なスキルです。

また質問をすることで、参加者は会話をリードすることができます。ファシリテーターは答えを提供しません。むしろ、参加者に自分で答えを探すように促すことで、参加者を導きます。

💡ファシリテーターの質問ガイドを使用して、効果的な会議を行うためにどのような質問をするべきかを常に把握してください。

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質問したり、意見を尋ねたりして掘り下げましょう。また、特定の人ばかり発言したり、出した意見が頭ごなしに否定されたりしないよう、ファシリテーターは心がけなければなりません。また、否定や批判でない反対意見を引き出すことも、活発な会議にするためには必要です。

外向性と内向性の違いを理解して、両方が参加する機会を作り出しましょう。

全員が参加できる環境を作ることは、円滑化の重要な要素です。それには、さまざまな働き方や個性を認識し、その多様な考えをグループディスカッションに組み込むことをさらに考慮することが含まれます。

ファシリテーターは、たとえば、外向性と内向性の違いを理解し、両方が参加する機会を作り出します。これは、グループのブレーンストーミングセッションの前に沈黙のアイデアの期間を調整したり、会議の前にチームメンバーに書面で考えを提出するように依頼したりすることを意味する場合があります。

瞬間ごとに、人々がどのように参加しているかについての認識を維持することは、ファシリテーターが静かな個人がいつ会話に引き込まれる必要があるかを知るのに役立ちます。

タイム・キーピング

ファシリテーターは、議題が明確であることを確認するだけでなく、チームが設定したことを達成するための十分な時間を確保しなくてはいけません。 活動を時間のブロックに分割して維持し、最も重要なことに集中させましょう。

タイムボックスは、チームが詳細に固執したり、解決策のない長い議論で迷ってしまうのを防ぐ1つの方法です。

ファシリテーターは、アクティビティを時間のブロックに分割することで、割り当てられた時間内に目標を確実に達成できると同時に、チームのやり取りに集中できるようになります。チームに表示される時間管理オプションを選択すると、個人が自分の貢献を自己管理するために使用できる手がかりが得られます。

Timeboxing - Wikipedia

偏りのない客観性を保とう

ファシリテーターは「中立」で、ディスカッションで特定の位置を占めません。ただしファシリテーターという役割を担った以上、遠慮して黙っているのではなく、はっきりと自分の意見を言ったり参加者の意見を聞き出したりしなければなりません。ゴールに導くことこそ、ファシリテーションの最大の役割ともいえるでしょう。

グループ決定プロセスの管理をし、意見をまとめよう！

ファシリテーションが上手な人は、たとえ多くの相反する意見が出ても、会議の流れを本来の目的に沿って集約させることができます。特に、さまざまな国籍や文化的背景を持つ人が集まる会議では、意見を整理してまとめるスキルは重宝されるものです。

ファシリテーターのためのTip

→ ツールキットを使おう
大まかに言えば、ファシリテーションは、発想、分析、およびコンセンサス収集のコンテキストで発生するため、これらのアクティビティを通じて人々のグループをガイドするためのいくつかのツールがあると役立ちます。

→ アイスブレーカー
アイスブレーカーやチームビルディングのアクティピティは、グループが信頼関係を築くのに役立ちます。

→ 5回のなぜ？
チームがその場での根本原因分析の支援を必要とする場合、「5回のなぜ？」のような軽量の手法が役立ちます。ツールキットが充実しているほど、その瞬間のニーズに適応する能力が向上します。

→ ファシリテーションツールキット
リモート会議に使用するファシリテーションツールキットを用意することも重要です。対面会議用の同様のツールを使用できますが、ランドスケープは異なるため、効果的な結果を生成するにはリモート固有のリソースが必要です。

What are Facilitation Skills and Why are They Important?

まとめ

今回は、ファシリテーションについて、デザイナーがグルーバルで活躍するために必須なファシリテーションスキルについて、その役割と高め方をご紹介しました。

これからの時代は、コラボレーションが成功への鍵だと思われます。優れたファシリテーションスキルは画期的なアイデアや創価価値を生み出すと思います。私もこの役割の価値をもっと理解して、ファシリテーション能力を高めて行きたいと思います。

こちらの記事で、英語でのブランディングデザインのワークショップのファ
シリテーションで最初から最後まで、通しで使える表現をご紹介しているので、よかったらご参照ください。

ワークショップのアウトカムを利用して、名前付け、アイデンティティ、マーケティング、さらには会社の方針などを決定できます。このガイド・ラインは新入社員が会社の理解を深めるためにも役立ちます。

ミーティング中のチームの話を取りまとめたり、相手の意見を聞いてみたりする場面で使える表現ですので、ぜひ日常でも使ってみてください。

私も、色々勉強中なので、皆さまの、ご意見・ご感想をお聞かせください。お読み頂きまして、ありがとうございました。

メルボルンを拠点にビジュアル・デザイナー、UXスペシャリストとして働いています。 主にデジタル・プロダクトの制作に携わっています。