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#5環資「アメリカとITで見つけた、これからの生き方」

[プロフィール]
長島大雅 Nagashima Taiga
・東京農工大学大学院 農学府 物質循環環境科学専攻 環境毒性学研究室
・神奈川立横浜緑ヶ丘高校卒
・農工大ダンスサークル「rough」


研究室にて

農工大に入った理由


―――農工大に入った理由はなんですか?
 小学校の道徳とか生活の授業でさ、俺の時はやたら環境問題についてやってたんだよね。その時から、“環境ってなんか大事なことなんだな”ってぼんやりあって。
高校の時に、いざ大学で何を勉強しよう?と思ったら、金にならないって言われたけど、環境について勉強したいなって思って、環資(環境資源科学科)に入ったね。金にならないっていうのは、当時は何を言っているのかさっぱりわかなんなかったけど、今はわかる。
だけど、研究室を選ぶときも、新しい木材の開発とかお金になりそうな研究をやっている資源系じゃなくて、なんか環境系に入っちゃった。
なんとなく環境っていうのが俺の脳みそに刷り込まれているのかもしれない。


研究内容

―――どんな研究をしていますか?

 環資自体が資源系と環境系の2つの分野にわかれているんだけど、俺が所属してる環境毒性学研究室は環境系。フィールドで土や生きものをとってきて、そのなかにどれぐらい汚染物質を含んでいるかっていうのを分析してる。


 俺自身は、実は学部と院でテーマを変えてて、まず学部では、放射性セシウムの研究をしてたんだよね。福島県の原発事故で放射性物質が放出されたことは知っていると思うんだけど、俺は【セシウム × 鳥】。
カルガモのなかにどれぐらいセシウムが蓄積しているかっていうのを調べて、生態系や人間に悪影響を及ぼすかどうかを考察するっていう研究をしてたんだ。
卒論の結果では、意外と卵にもセシウムが蓄積されていて、子孫にセシウムが受け継がれる悪影響が示唆された。あと、体に吸収されずに胃とかで濃縮されたセシウムが一気にフンとして出されると、そこが放射性物質のホットスポットになる。つまり、再拡散。直接飛散してきたんじゃなくて、鳥がどこかに持っていっちゃうっていう拡散もありますよっていうことがわかったかな。
放射性セシウムっていうのは細胞内の遺伝子を傷つけるから、基本的には、どんな生物にも悪影響を及ぼすだろうね。微生物によっては、それをうまく利用できるのがいるかもしれないけど。

―――大学院に入ってからはどう研究テーマを変えたのですか?
 まず、院に入ってすぐ休学したんだよね。休学してアメリカにいる間に、ITの分野に興味もったんだ。
なんでITになったかっていうのは、めっちゃ不順な動機で…自由に生きたいなと思って。会社とかに縛られずに収入が得られる方法って何だろうって考えたら、ホームページをつくって広告収入を得たらいいんじゃないかって思って、アメリカにいる間に独学でコンピューター言語を勉強してた。

 帰国してもITへの興味は持ち続けていたし、研究も自分でプログラムをつくって、大量のデータを解析するようなことをやりたいと思ったんだ。それを先生に話したら、魚に蓄積されている微量元素(周期表にあるメジャーな元素、たとえばカルシウムとか鉄とか)をたくさん解析して、何かおもしろいこと見つけたらいいんじゃないかって言われて、今の研究をはじめたかな。

―――今の研究の目的はなんですか?

 研究の目的は、地域によって魚が体内に貯めている元素にどんな違いがあるのかを統計解析を使って明らかにすること。
たとえば、開発されている地域の周辺でとれた魚はすごいカドミウムみたいな有害元素を貯めていますよとか、逆に、あんまり人間活動がない田舎の方でとれた魚にはあんまり汚染物質は蓄積されていなかったりするみたいな、地域差を見つけることができたらいいなと思ってる。
実は、生物を環境汚染の指標に使うときは、基本的には同じ種類で比較するのが基本なんだ。そもそも、生物によって蓄積しやすい元素が違うから、種類が違うと単純な比較ができないんだよね。
“体内中の汚染物質が多いから、この魚は汚染された海にいたんだ”とは言い切れなくて。だから、同一の種で、なおかつ、同じ餌を食べているっていうぐらいまで条件を揃えることが望ましいんだけど、実際それは難しいんだよね。
そこで、統計解析を使って、生息域が違くても比較に値する類似の種を見つけることができたらいいなと思ってる。それが裏テーマかな。


―――魚はどこでとっているんですか?

 俺がとってるわけじゃなくて、外部の研究機関から提供してもらってるんだ。研究室で引き継いだデータを含めて,アジア圏でとれた数百個体の多様な種の魚を分析対象にしてる。解析に使っている主なデータは、魚の体重、体長、採取地域、食性、採取年と、25種類の元素濃度。解析結果からは、人間活動による生態系への影響についても考察する予定。

―――研究を通して思ったこと、感じたことはありますか?

 重金属はプラスチックと違って、あんまり自分が重金属を環境中にばらまいてるっていうことは意識しづらいから、何かを使わないようにしようっていう感覚はないんだけど、人間活動によって様々な重金属を含んだ汚染水が放流されているっていうことに気づけた。
でも、自分たちの研究は環境解析科学っていう環境汚染を測る学問だから、直接的に環境汚染を解決することはできないんだよね。自分たちにできることは、汚染があるという事実を行政とか人に知ってもらうまでで、法律を変えるとか、汚染物質を取り除く新しい技術を開発するとかは全部自分たちの専門外。たぶん自分たちの分野の中でも、根本的な解決までできないことにもどかしさを感じてる人もいると思う。そういうところを融合して何かできたらいいんだけどね。


 そもそも、日本人の環境に対する意識って、あんまり高くない印象がある。それに比べて欧州の人たちの意識は高いと感じることがやっぱり多いな。
本気でやるんだったら、そういうところに飛び出してやらなきゃいけないと思う。ちなみに、研究室内ではめっちゃ重金属の話になるよ。たとえばイカの塩辛、あれすごい体に悪いんだ。肝って汚染物質を貯めるんだよね。だから毎日食べたらほんとに寿命縮まると思う。

―――え、食べるのやめよ笑


留学生活

―――なぜ留学しようと思ったんですか?

 とりあえず休学して環境を変えたかったんだよね。研究室にもう2年、何も変わらないままいるのは嫌だった。その時に、将来就活するにしても何か強みがある方が絶対有利だなって思って、そのうちのひとつに英語があったから留学になったかな。

 アメリカにした理由は、めちゃくちゃハリウッド映画が好きなのと、ダンスサークルに所属してて、ヒップホップカルチャーが好きだから。
むしろアメリカしか選択肢がなかった。
留学費用の半分は頑張って自分でバイトして貯めたお金で行ったから、もっと安い国に行くっていう選択肢もあったんだけど、そこは無理してでもアメリカに行きたいというのがあった。カルチャーがでかいかな。

―――アメリカではどんなふうに過ごしていたのですか?

 とりあえず語学学校に通ってた。LAのビバリーヒルズとかサンタモニカってあたりにずっと住んでたんだけど、近くに歴史あるシアターとか、ハリウッド映画のプレミアに使われるようなところによく映画観に行ってたな。あと、歩いて10分ぐらいのところにある大学に、日系の人とか日本好きな人が集まるサークルがあったから、ちょっと忍びこんで友だちつくったりとかしてた。「君はここで何勉強してんの?」ってきかれて、英語もつたないし、ほんとにこいつここの学生なのかって変な目でみられて、「違うんだけど」って、そんなんばっかやってたね。


 結構家も変えた。寮⇒寮⇒ホームステイ⇒シェアハウス⇒シェアハウスって感じで笑 引っ越し簡単だからさ。月単位で変えられて、敷金礼金もないし。途中、日本人がいないところに住みたくて、黒人家庭にホームステイしてたんだけど、一緒に住もうと思ってたサウジアラビア出身の友達が差別的な理由で受け入れてもらえなくなっちゃって…。ちょうどトランプ政権に代わるときで、ISとかも影響力のある時期だったからさ。じゃあ、ここに住む意味ねーなって変えて、毎日友だちの家を渡り歩いたりしてた。なんとか見つけた家は、日本人が経営しているAirbnbで、その人が日本に帰省している間だけホストの代わりしながら住んだりもしてた。最後は学生3人ぐらいでシェアハウス。ようやったな俺。笑


―――環境を変えてみてどうでしたか?

 一番よかったのは、いろんなことを目的にしてやって来ている人がいて、いろんな可能性があるってことに初めて気づけたこと。

 たとえば、アメリカに店を持ちたいっていう夢に向かって、英語を勉強しながら美容の技術を磨いている日本人もいたし、アメリカの大学で映画の勉強をして、日本に帰って自分で撮りたいって人もいたし、海外から来てる人で仕事を2ヶ月休んで、自分の好きなことをやっている人もいた。とにかく、いろんなことやってる人がいるんだなってことに気づけた。それまでは、研究室に行って、何となく就活して終わるんだろうなって思ってたのが、アメリカへ行ったら色んな可能性にすぐ気づけたんだよね。それが一番でかかったかな。

 そう思った瞬間、じゃあ、自分には何ができるんだろうって、自分が今までやってきたこととか、やりたいことをむっちゃ書いて、そのなかで自分が伸ばしたいものとか、使える技術とかをすごい考えたね。ほんとに帰る1,2ヶ月ぐらいまで全然答えが見つかんなくて、ずっと考えながら過ごしてた。ちなみに、農工大に戻ることは最後の最後まで選択肢になくて、次はカナダ行こうと思ってたんだよね。

―――えーーーー!!なんでカナダ!?

 とりあえず働こうと思って、アメリカに近いしワーホリがあるカナダに行こうと思ってた。アメリカでは学生VISAで滞在している人は働いちゃいけなくて。こっそりバイトしてる人はいっぱいいたんだけど。実際カナダにワーホリを申請して、最後お金を払うとこまでやってたの。だけど、戻って来ちゃった笑


―――帰国することにした経緯を聞いてもいいですか?

 なんかのタイミングで研究室の誰かとLINEする機会があって、「研究室どう?」ってきいたら、「雰囲気いいよ、楽しいよ」っていってて、その時になって初めて、“あ、確かに、俺まだ農工大の大学院生だった。戻ったらいいこともあるだろうな”って思ったんだよね。
そっからまた一週間、日本に戻ったらどんないいことがあるんだろう?って色いろ考えたんだけど、やっぱり日本で大学にいって、勉強してきて、それを安易に捨てちゃうのはもったいないなと思ったし、日本ではどういう仕事ができるだろうって考えたら、ずっとやだなって思ってた日本の就活スタイルにあえてのっかろうかなって思ったんだよね。その方がなりたい自分になるためには良い選択だと思って。なおかつ研究室の雰囲気が良いっていうんだったら、戻ってもいいかなって。1年やってみて、やっぱりだめだと思ったら、そっから考えればいいやと思って帰ってくることにした。



興味と仕事

――― 社会に対して気になることはありますか?

 ついつい見ちゃうニュースのトピックとか ついつい見ちゃうのはね、セシウムとIT。
セシウムは自分が研究してたし、最前線の知識はそれなりにあるから、テレビとかで報道されている情報を見ると、“んーなんか違うな”って思っちゃうんだよね。限られた時間で伝えようとすると、どうしても情報量が少なくなっちゃう。しょうがないんだけど、やっぱ伝え方とか、ほんとに伝えなきゃいけないことはそこじゃないんじゃないのかなって見てて思っちゃうよね。  情報っていうのは、良くも悪くもメディアに操作されてて、こういう状況自体を変えなきゃいけないのか、情報を受け取る側がちゃんと情報を取捨選択して、自分で判断できるようになるか、そのどっちが良いのかわかんないけど、ちょっとそこに疑問を感じてる。自分はちゃんと脳みそで考えて判断できる人間でありたいな。
 そういえば、健康のために血液をオゾンで洗うっていう技術があるんだけど知ってる?医療で使われてるらしんだけど、美容の分野でも保険対象外で使われているんだって。ほんとに?そんなの?って思うじゃん。で調べたんだよね軽く。論文の要約を読むくらいだけど。やっぱり、体に良いものじゃないよね。ちょっと芸能人がやってるからって流行っているんだけど、そういうのを自分で調べてなかったら買っちゃうじゃん。やっぱ自分で知らなきゃだめだなって。
 あと気になることはITだけど、ITが起こす問題っていうのは話題が広くなりすぎて、AIがどんな世界をつくるのかっていうのは、わかんないね。
 俺は映画が好きでさ、ターミネーターとか、AIが人間を支配しちゃう系の話をいろいろ見てるからさ、大丈夫なのかなって思っちゃうけどね。そのくせIT業界に行くし。ある意味興味もってる。ITの話は1年後に話たい。笑


――― 以前ビジコンに参加されていましたよね。ビシネスにも興味があるんですか? 

 そうだね。ビジコンはデータ分析の実践の場がほしくて参加したんだ。データ分析にもとづいたマーケティング戦略の立案コンテストみたいなやつだったんだよね。大手航空会社の主催で、若者を呼び込むための戦略を考えてくれって。
 だけど、実際は自分が思っていたほどデータ分析はしなかった。自分たちでアンケートをとったりして、最終的には内容にこったね。メンバーから得られたものがでかかったな。それに、就活でめっちゃ役に立った。


――― お仕事はどんなことをされる予定ですか? 

メーカーのシステムインテグレーター(通称SI)って聞いたことないかな。SIはシステムエンジニア(SE)を抱えている会社のことをいうんだけど、何するかっていうと、ITで解決したい課題を抱えてる人(お客さん)に対して、今こういう技術があって、こういうことに応用できますよって提案・提供するんだ。そのうちのひとりになる。


――― たいがさん自身はITを使って解決したい課題はありますか? 

 将来、自分の好きなように生きて、ほんとにその時にやりたいことができる環境をつくりたいなと思ってるから、その実現に役に立ちそうな技術としてITを選んだんだけど、強いてあげるのなら、環境関係のことをやりたいかな。たとえば、農耕地帯に機器を置くだけで、環境データ(気温、風向等)が自動でとれるような仕組みづくりとか。
 もうひとつしたいのが、データ利用。ビックデータ解析とか、ああいうのを上手く活用できてなくて困ってる企業とか、活用したい企業っていっぱいある。そういうところに自分の知識をもって提供するっていうのをしたいなと思ってる。
 本当は環境分野で学んできたことをもっとダイレクトにって思ったんだけど、やっぱね、うちの分野の課題って話したじゃん。そこがちょっとひっかかったね。だから、今やってきたことをどうするかってうのは、ずっと環境を気にする人でいたいっていうところに落ち着いちゃってるかな。でもやっぱね、ITで環境を大切にしようっていう仕事があったら、ちょっとやりたいね。



将来のこと

――― 将来は自由に生きたいとのことでしたが、そう思うのはなぜですか? 

なんだろうね。LA行ったときに、会社2ヶ月休んでLAに勉強なり遊びに来てる人がいっぱいいてさぁ。そんなことできるんだ、お前ら自由だなって思ったね。給料は低いけど、この生活に不自由はないよって言ってる人いたし、楽しそうだったんだよね。いいなあと思っちゃって。実際に現地で雇用問題とか抱えてる人に耳を傾けたら、自分が想像してるのとは全然違うと思うんだけど、少なくともその時は自由で楽しそうに見えちゃって。“欧米で働いている人はいいな日本と違って。終電で帰る人なんていないんだろうな”とかさ。自分もそうなりたいなと。
 あと、いろんな映画を観てると夢みちゃうんだよね。ま、農工大出たらさ、みんなそれなりに良い会社に入ってさ、お金貯めたり、困らない程度には裕福な生活ができると思うんだけど、それで終わるのはつまんないとか思っちゃって。そう考えたら色々自由にやりたいとか思うようになった。


――― やりたいことをできるように働き方を考えるっていうのはすごく共感します。 

それを実現させようとして人生おわっちゃったら意味ないんだけど笑
 目標は40代になる前に、ある程度自由な生活は手に入れたいなと思ってる。あとはのんびり野菜とかつくって、ちっちゃな農家でもやりながら死にたいなって思う。ITとかめっちゃ最先端のところに手を出してるけど、結局、1次産業みたいに1番ITから離れたいるようなところに行きたいなっていう想いもあって。
今後、ITがどこまで進化してさ、人間世界をどう変えるかわかんないから、やっぱり野菜つくるとか米つくるっていう人間の感覚、おいしくなれよって声かけたりとかさ、なんか、そういうところに価値が生まれる気がして。やっぱり最後は自分はそこで死にたいなって思った。


――― 海外で働きたいという気持ちもあるんですか? 

 あるね。最終的に自分が行きたい土地っていうのはこだわりがなくて。自分は気候が良いのと、ネット環境さえあればいいから、そんなにこだわりない。
日本だったら、長野とか北海道みたいな湿気がなくて涼しいところがいい。天パで湿気が嫌なんだ。ほんとに嫌なの!今府中にいる人のなかで一番湿気が嫌いだと思う。ほんと暑いときの湿気は、もうなんかイライラしちゃうし、イライラしてる自分も嫌だし、これは全て湿気のせいだ!って湿気のせいにしてる笑
 LAめっちゃよかったんだよね~。湿気0。夏でも汗かかないんだよ! あと、仮に自分が独立(フリーランス的な働き方)できなかったら、もうちょっとプライベートに時間を割けそうな国の企業で働くとかかな。


――― 卒業までに何かやりたいことはありますか? 

 今の研究をはじめてから、統計の勉強するのがめっちゃ好きになって、自分でもキモチワルって思うぐらい笑 だから、とにかく統計とかプログラミングの勉強がしたいな。
あとは、現地の人と会えるような旅をしたい。海外でも日本でもいいんだけど。LAに行って色んな人から色んな刺激を受けて、それで自分の考える選択肢も増えていくってことがわかったからさ。自分の研究と色々やることと相談しつつ行けたらいいなというのはある。



映画

――― 映画好きとのことですが、最近観た映画のなかで印象に残っているものはありますか? 

『パルプフィクション』かな。これは説明できない。ちょっとバイオレンスな映画を撮るので有名な監督の作品なんだけど、ただバイオレンスなだけじゃなくて、結構映画にメッセージ性があって。
『パルプフィクション』は、信じるものがある人とない人では、人生行き着くところは違ってくるよみたいなのがメッセージとしてあるんじゃないかっていう映画。好きな映画評論家の記事を見たからこそ語れるんだけど。俺が映画観た時はそんなこと何も思いつかなかった笑
 好きな映画評論家の評論を見て、自分で映画を噛み砕いて、それを人に話すのが好きなんだよね。嫌がられる趣味笑
 なんで俺映画好きなのかな…色んな世界が見れるよね。あとは歴史。事実に基づいた映画がけっこう好きで、教科書とか書物で歴史勉強するのは苦手なんだけど、映画で勉強できる。内容を理解するために背景を知らなきゃいけなくて、見る前とか見た後に自分で調べるんだよね。それでギリギリ大学生としての教養は保ててるのかなと思ったり笑

――― ちなみに好きな監督は? 

クリストファー・ノーランとマーティン・スコセッシかな。どっちもトリッキーな映画とったりするんだよね、そういう感じに惹かれる。この2人の映画は、サスペンスじゃないけど観ててワクワクする。


――― 最後に、悩める大学生におすすめの映画を教えてください 

『ギルバート・グレイプ』かな。主演がジョニー・デップで助演がレオナルド・ディカプリオ。映画評論家じゃないからほんとにあってるかわかんないんだけど、田舎町が舞台で、しがらみがすごいあるんだよね。弟が障がいを抱えていて、お母さんは肥満で家から出られなくなっちゃって、兄弟で家を支えてるみたいな。そのうちの一人が主人公なんだけど、田舎で仕事もないし、スーパーでバイトしたりすることしかできない中で、アメリカを旅している人に出会った。その人から刺激をもらって、自分の人生を見つめ直して、最終的には自分の世界を広げるために街を出てくっていうストーリーなんだけど。
 何かをやろうとして動き出せなかったりとか、なかなか一歩先に行けない人とかが観たら、もしかしたらちょっと勇気が湧くかもしれない。あとは、家族とか身近にそういう人がいたら共感できるかもしれないね。ぜひ見てください。

2018年9月27日  文章: 新里早映


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