5月7日(日)

 大人になると身体は固くなりやすい。幼い頃は立ったまま簡単に地面に届いていたはずの両手が、膝のあたりからもう伸びていかない。無理に伸ばそうと頑張ると、筋肉が切れるんじゃないかと思うくらい痛い。すっかり凝り固まった筋肉と、悪いほうに丸くなった姿勢を正そうと、最近ストレッチをするようになったけれど、いつの間にこんなに固くなっていたんだろうと不思議に思う。自分の身体がこれ程までに固くなって動かなくなっていることすら、今まで私は気が付かなかったのだと理解するのと同時に、この頃の私はそれだけ限られた範囲の動作だけで生きていたのだと、改めて思い知った。
 身体も思考も、自分でも知らないうちに凝り固まってしまうものなのかもしれないなあと、チクチクとした痛みを感じながら考える。一度凝ってしまったものは簡単にはほぐれないし、急に無理な動きをすると本当に切れてしまうかもしれない。チクチクという痛みと共に筋肉の伸びを感じながら、少しずつ柔らかくなるようほぐしていく他に術はないのである。思考も筋肉も、柔らかな大人でありたいものだ。

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