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言葉が価値をつくる! コンセプトを考えよう #マープス

2月20日の無料マーケティング講座 マープス は、「売上とコンセプト」がテーマです。ゲスト講師は、コピーライター出身のクリエイティブディレクター細田高広さんです。しゅごい人です。

冒頭、毎度のゲスト回同様、著者の本の紹介です。マープスで「読みましょう」と言われた本はちゃくちゃくと積んでいますが、紹介されるペースよりゆっくりではありますが、読み進めています。

今回の講義を聞いて、参考になる話、もっと知りたい話が多かったので、『コンセプトの教科書』は、きっと早めに読むことになるでしょう。

言葉が価値をつくる

ソニーのMP3プレイヤーのキャッチフレーズは「5GBのMP3プレイヤー」でした。しかし、その後アップルは同じくらいの曲が入るiPodを「1000曲をポケットに」というキャッチフレーズで送り出します。

まったく同じ機能(容量)を言葉を変えるだけで、ユーザー目線にしてしまいました。ジョブスは、この言葉を見つけた時に、勝った! と思ったそうです。

操作についても、曲が入る容量というモノから、1000曲が入る、1000曲を聞けるモノに変わったわけです。1000曲が入るなら、1000曲を取り出す必要が出てきます。ボタンを一回ずつ押して、後に登録した曲まで送るしかなかったMP3プレイヤーから、ダイヤルで簡単に選曲できるようになりました。コンセプトが機能までも作ったわけです。

「コンセプトを書くことは、新しい意味(価値)を作ること。」
です。

コンセプトをつくる

コンセプトを作るとは、誰のために、なんのために、存在するのかを考える、ことです。

例として「ろうそく」の話がありました。2000年以降、ろうそくの売上が伸びているそうです。「明かりを灯す」から「暗がりを楽しむ」新たな価値が作られたためです。

コンセプトは、意味(価値)の設計図です。部分と全体、ポジとネガ、といった価値を行き来して、見つけていきます。

部分←(拡大・朱区長)→全体
ポジ←(反転)→ネガ
物理←(超越)→心理

この辺の手法は、谷山雅計さんの『広告コピーを書く機会って、あんがいありますよ。』というオンラインの授業で少し触れましたね。触れた、というだけで、日常の仕事では活かせてません。

今回の細田さんの講義も「へー!」「なるほど!」と相槌を打ちながら聴いていたのですから。。

問いが大事(動詞で考える)

で、コンセプトを考える時、関係者や考える自分への問いが大事ということになります。特に、名詞ではなく、動詞で考えるということですね。名詞は、その言葉のイメージが付きまとうので、固定観念がくっついてきます。名詞は「モノ」中心で、動詞は「ヒト」中心というコメントもスライドにありましたね。

例えば、
「新しいスクールバスをつくろう」ではなく
「新しい通学をデザインしよう」

「新しいマグカップをつくろう」ではなく
「「水を運ぶ」を再発明してみよう」

といった具合です。

「バス」という言葉、「マグカップ」という言葉は「通学する」「液体を運ぶ」という一部分しか見ていません。問題や課題を捉え直すためにも、動詞から始めましょう。

そういえば、動詞で考えるという話も、ずいぶん前にサービス開発をした時に、考えたことがあります。こちらも考えたことがあるというだけですが。

何を壊すか?

何をつくるか? を考えるのではなく、何を壊すか? を考えます。つくるというだけでなく、何の価値を壊すのか? 

白T専門店の話がありました。白Tが好きで専門店を作っただけでは売れません。そこでコンセプトを考えます。「白Tは下着」という概念を壊して、「白Tを正装に!」というコンセプトで考え直したそうです。

また、アダルトグッズのTENGAは「アダルトグッズは、後ろめたいもの」を壊して「性を表通りに」を考えています。

4コマ漫画のようにインサイトからコンセプトをつなぐ

①CUSTOMER | インサイト
②COMPETITOR | 競合
③COMPANY | 自社だけのベネフィット
④CONCEPT | 新しい意味

を考えます。

例えば「第3の場所」というコンセプトを作ったスターバックスの場合、

①CUSTOMER | インサイト

・家庭と職場を往復する生活
・ストレスはたまる一方
   ↓

しかし、

②COMPETITOR | 競合

・年には息をつく場所がない

   ↓

そこで、

③COMPANY | 自社だけのベネフィット

・くつろげる空間をつくる
(ゆったりとしたスペース、上質なソファ、心地よいBGM、珈琲の香り、)

   ↓

④CONCEPT | 新しい意味

・(家庭と職場の間にある)第3の場所

コマの展開を考える時の「しかし」「そこで」も重要です。

隠れた要望を見つけ出す

マックが、お客様の声を聞いて、健康志向の要望が高まっていることを知り、サラダを出したところ売れなかったけれど、もっとボリュームのある商品を出したら、売れた。コロナ禍、20分で2品をつくる、「kit Oisix」を出した。3分で1品、みたいな商品もあるけれど、手間のかからない料理を食卓に出す罪悪感、私が作ったという達成感、「手間暇をかける時間はない」けれど「手抜きとは思われたくない」という隠れた要望を見つけ出したことがヒットにつながったそうです。

解決するアイデアの発想法

スライド法が紹介されていました。例えば、ある単語群(期間:夜の、365日、…、 場所:家庭の、学校の、… 、対象:大人の、子どもの、プロの、アマチュアの、…、 便益:健康になる、よく眠れる、壊れない、…)に、商品(ヨーグルト)をくっつけて、意味のある言葉を探します。

「朝のヨーグルト」「健康になるヨーグルト」は今でもありますが、「夜のヨーグルト」はどうでしょう? もちろん、意味のない言葉も出て来ますが、こういうことをして、アイデアを探っていきます。

ベースとなる考え方は、「2単語ゴール」。英単語を2つ組み合わせれば、世界のあらゆることを記述できるという欧米の考え方がベースにあるようですね。多くても3語(「Just Do It」)で済みます。

こうしたアイデアも昔、使ったことがあります。一度、使うだけじゃダメですね。。

『コンセプトの教科書』には、このスライド法以外にも10個程度のアイデア発想法が載っているそうです。これはもう読まなきゃです!

まとめ

今回の話はとても参考になりましたが、ところどころ、すでに見聞きした話がありました。やっぱり積極的に使ってみること、そこで成功体験を作らないと見につかないですね。実際に使い倒してみようと思った回でした。

『コンセプトの教科書』は絶対読みます!


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