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感傷

夕飯の後片付けをしながら

流していたテレビ

不意に流れてきた曲で

あの人を思い出した


結構な昔で

記憶からもこぼれ落ちてたのに

その曲を聞いた途端

ぶわっと現れて

なんとなく浸る


あの時、勤めていたスタッフの中で

いちばん年下だった私

この業界の人は

気が強い…というか芯が強い人が多いので

ふわふわしていると

ピシッとされてしまう(笑)

それを見かねてか?

あの人はすごく優しくしてくれて

悩みがあるなら

相談に乗るよ、、なんて言ってくれた

6歳上の某メーカーの卸さんだった

毎日、必要な薬剤を届けてくれて

社員旅行も一緒に行ったり

露天風呂では

手を振りあったり

そんな感じの間柄で

ホテルのカラオケで

この曲を歌っていた


会いたくて

薬の在庫があるのに

1人残業してる時

追加発注して届けてもらったりもした

(院長、時効です…ごめんなさい)


気持ちが傾くのは

普通のことで

私が初めて出版したらくがきのような詩集を

もらってもらった唯一の男性だった

それでも

あの時はとても大人に見えて

それ以上、どうする事もできなくて

異動があると聞いた時

連絡先だけは聞いた

数回、連絡をしてそれきり

 
その後一度だけ

仕事場に公用で電話がかかってきた時

たまたま私が取り

院長への伝言を聞いた後

突然、

結婚します

…と言われた

私は驚きつつも

おめでとうございます

としか言えなくて

今、思うと

何故に私に告げたのか

不思議でならない


そんな事を改めて思い出す

お皿を拭きながら

ふと

元気でしょうか?なんて

問いかけて


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