マガジンのカバー画像

かしこさラボ

51
賢さとは何か、どのようにすればはぐくむことができるのかを探求するためのマガジンです。 賢さの要素を分析して理解し、それを手に入れる実践をとにかく溜めていくところから始めています。…
運営しているクリエイター

記事一覧

固定された記事

かしこさラボ【導入】~一緒にかしこくなりませんか~

なお、「かしこさラボ」の「導入・分析編」の記事は、できればPCで腰を据えて読むことをオススメします。スマホで読むことを想定した加工は、少しずつ進めていますが、しっかり考えながら読む環境がベストです。 ①なぜ今賢さの探究をするのか 賢く生きたいと思う人はかなり多いだろうし、私もそうだ。 その割に「賢さって何ですか」という問いに対して明確な答えを持っている人は少ない。「論理的な話し方ができる」などと、部分的な回答は出てくるのだが、体系的に説明している書物やサイトに出会うことは

「私が作る教育」のアイデンティティはポスト資本主義×化政文化だった

9月中旬の私は「地方創生」探訪の旅に出かけたが、その記事を書き終えると一息ついていた。 最近の私は、再び教育の構想を練るべく、安宅和人さんの『シン・二ホン』を読み直しつつ、ICCサミットの『STARTUP CATAPULT』の映像を見て、『神山まるごと高専』の記事を片っ端から読み漁っていた。 この人たちが「インダストリア」を牽引するんだろうね、というのが正直な印象だ。同時並行で、AIリテラシーやら統計学やらデジタル人材に必要な最低限度の学習は進めているから「データ×AI」

【文学部公開無料講座】一般的なライティング技法も見てみよう

 有名なところのライティングメソッドとして、下記などがあります。目的によって使い分けると便利ですね。 【SDS】法 サクッとスペックを紹介するときなどに便利です 【PREP】法 論理的に相手を納得させたいときなどに便利です 【QUEST】法 じっくり相手を説得納得させたいときなどに便利です 【AIDMA】の法則 高額商品のセールスなどに便利です 【PASONA】の法則 短期決戦型のキャンペーンなどに便利です  これらについて、ざっくり見ていきましょう。  みこちゃんの本

「問題解決の方法シリーズ」始めました

問題解決では、自分の頭で考えて答えを出すことが大切です。 でも、すべてを自力で行う必要はありません。 確立された問題解決の方法を使って解決アイデアを考える方が効果的で、さらに効率的です。 膨大な数の特許を調査・分析してつくられた40の問題解決の方法(発明原理)があります。(参考文献1~7) 問題解決の方法【01】から【40】までをシリーズ記事でお伝えします。 次のマガジンからご覧いただけます。 毎週、記事を追加していきます。 よろしくお願いします。 関連書籍※

保育園バスの事故の文化的な背景

 保育園児がバスの中で死んだニュースで、それに関連して、アメリカのスクールバスでは子供が取り残されないような仕組みがある、というネットニュースがあって。  その仕組みは、運転手がバスを停めてエンジンを切ると、アラームが鳴るんですって。で、そのアラームをOFFにするスイッチは、最後尾にある。だから、運転手はアラームを消すために、最後尾まで歩かなくてはいけない。歩く途中で、子供がいたら気づくわけです。こういう「仕組み」を作るのって、アメリカは上手いですよね。  また別の話で、

賃金上昇は「人的投資」がカギ

column vol.774 働く人1人当たりの今年7月の現金給与総額は、去年の同じ月を1.8%上回り、7ヵ月連続でプラスとなりましたが、物価の上昇分には追いつかず、実質賃金は4ヵ月連続でマイナスとなりました。 〈NHK / 2022年9月6日〉 実感としては物価上昇の影響で、収入が減っていなくても減った感じになっている今日この頃…(汗) そんな中、学習院大学教授の滝澤美帆先生の【日本で「給料」が上がらないのは、企業が「社員教育」を大事にしないからかもしれない】という

「かしこさ」とは「自己満足を得る力」~思考のパラダイムシフト~

思考のパラダイムシフトは突然訪れる。 * これまで『かしこさラボ』では、「かしこさ」とは何かを探るために、分析編と称して8つの要素を深掘りした後で、統合を図り、 という結論を暫定的に出した。 その後、実践編と称して、様々な話題から、「かしこさ」を育てるための新しい教育に必要な要素を抽出する作業を行っている。 * しかし、正直ピンと来ていない。なので、しばらく『かしこさラボ』の記事の更新を止めて単発記事を書きながら、ネタを寝かせていた。 ピンと来ていない理由は、「

多くの人が疑問に思う「地頭」とは何なのか考えてみたら立方体だった話

「地頭」とは何なのか以前、外資就活相談室で”「地頭」とは何か”という質問を以前いただきました。 地頭という言葉がビジネス界で流通していますが、細かく説明するとどういう力なのでしょうか? 私の理解ですと試験のように定義や用語を覚えて再現する、ということよりも一歩か二歩上の能力だと思っています。リーダーレベルだと持っていけないと言いますか。 ご質問者の方がおっしゃる通り、地頭というのは、別に試験に受かる能力ではないと僕も思っています。それならそもそも「地頭」という言葉は必要な

『シン・高等教育!』~学歴志向を変えるためのシステム~

社会情勢はドラスティックに変化しているというのに、大学入試制度を含めた改革は遅々として進まない。現状維持の圧力は、自己保身のかたまりだ。子供たちにリソースを「浪費」させるのはもうやめよう。ちなみに、教育現場で「必死に踏ん張っている人たち」を責める意図は微塵もない。システムをどうするかという提案だ。 * ①高校の存在意義って?まず、「大学への進学」という学歴志向の枠組み中で、現状展開されている高等教育の様子を確認していく。高校は数多くの科目をバランス良く教える場で、部活など

パーパスの背景にあるべき「4つの観」

パーパス(あるいは経営理念)を制定し、そのパーパスを指針に経営をしようという企業は少なくない。日経新聞のトピックにもなっている。 オピニオン欄でも取り上げられている。 さて、ある企業がパーパスを制定した。そのパーパスを体現する自分たちであるにはどうすると良いか、社外の様々な人たちと意見交換をしているという。先日、意見交換相手の一人としてお声がけいただき、社員の方々と対話した。大いに刺激を受けたので、そこで対話したこととその後に私が考えたことを合わせて整理してみる。 固有

いまだ精神論が生き続けている理由

 この文章を書くときに、いつも、youtubeで「集中 勉強」とか検索して、環境音楽的なものをBGMでかけているんですが。カフェの音、雨音、波の音、川のせせらぎ、鳥のさえずり、などなど。  このような音を聞いてリラックスするということは、人間の遺伝子は、そのような環境──たとえば砂浜とか、人が周りにいるとか──は、安全だから、リラックスして良いという判断をしている、ってことです。  人混みが安全とか、水の近くが良いというのは分かるとして、鳥の説明をします。鳥の鳴き声がする

偏差値が5ポイント以上下がった日本

「わが大学の大学入試偏差値は驚くほど高い。他大学との相対的に見たらそうかもしれないが、大学の絶対的偏差値があるならば、この10年で、5ポイント以上はさがったという実感がある」と、知り合いの大学の教授。 それは、大学だけではない。会社も同じ。企業偏差値という指標があるとしたら、会社の偏差値は5ポイント以上下がった、という実感がある。会社だけではない。政治もサービス業も建築も芸能も芸術もそうではないか。反論は大いにあるだろう 問題は、なぜ、そういう声が出てくるようになったかで

【人事に効く論文】自組織においてシェアド・リーダーシップを実現するには、何が必要か?

1. 90秒で分かる論文の概要シェアド・リーダーシップ(SL)の説明変数、目的変数、調整変数を明らかにすることを目的に、数々の先行研究をメタ分析した論文です。2007年から2017年にかけて発表されたSLに関する論文243本から、研究目的に合致する40本が抽出され、以下の仮説およびリサーチクエスチョン(RQ)について検証が進められました。 仮説1:チーム内環境は、SLの発現と正の相関がある → 支持された。目的共有・社会的支援・ボイスはいずれもSLの発現と正の相関があった

BOTANIST、YOLU、DROAS。一発屋で終わらない。ヒット率を高める仕組み「IPTOS」

noteを書いてみて本当に目まぐるしく消費者動向は変わっていきますし、日々無数にブランドは生まれています。なので創業から今でも、やっと安定した、これで安泰なんて思たことは一度もなく、変わらず競合データや自社のデータを見ながら日々ビビりながら経営しています。そして当然ながら誰かに何かを教える立場にあるなんて微塵も感じていませんでした。 しかしnote1回目、多くの方々から大変ご好評いただいたことで自分みたいな人間の知識でも、日本の経営者やビジネスマンの皆様に少しは役に立てるん