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『考え』と『感情』と『行動』と自己紹介


私は、日本で医師として10年ほど仕事をした後、ニュージーランドに移住し
現在は、ニュージーランドで医師として働いています。

日本では外科医だったのですが、
こちらではGeneral practitionerという、
日本の感覚でいうと『総合診療科』の『開業医』という仕事をしています。

General practitionerは全ての科をカバーする医師なのですが
現時点で私が最も興味があるのは『メンタルヘルス』。

ここで私の言う「メンタルヘルス」は
「躁鬱病」や「精神分裂病」の薬による管理というようなものでなく、

日常のストレスや不安への対処法や
ストレスに強くなるための方法
などに関わるものです。


正直言ってニュージーランドに来るまで、自分が「メンタルヘルス」に興味を持つようになる、とは思ってもいませんでした。

「外科」とは、かなり違う分野ですよね。

毎日、色々な症状の患者さんを診ていると
主訴が「メンタルヘルス」関連のものでなくても

「メンタルヘルス」が病気の発症に関係した、とか
病気のせいで「メンタルヘルス」に問題が出た、という患者さんに頻繁に遭遇します。

また、私には意外だったのですが
ニュージーランドは若者の自殺が多い国です。

診察に来る若者の中には、親との関係、小さい頃の性的虐待などで、精神的に辛い思いをしている人が結構います。
勿論このような人たちは、大人になっても、皆がうまく自分のメンタルヘルスをコントロールしているわけでなく、違法な薬やアルコールに走る人も多いです。

痴呆の家族の世話で燃え尽きている人たち
会社や学校でいじめにあっている人たち
慢性疼痛や慢性疲労で、行きどころがなく感じている人たち

このような人たちを、医者としてどのように手助けできるか、という事を毎日考えるうちに、自然と「メンタルヘルス」の重要性を感じました。

「メンタルヘルス」の治療に薬が必要である事は多いですが
私自身は薬を内服することも、患者さんに処方することも好きではありません。

薬が必要な状態であっても、薬以外にも患者さんの助けになる事はあります。

薬に頼らない「メンタルヘルス」の治療法として知られているのが
認知行動療法』。
英語でいうと『cognitive behavioural therapy』です。

人の『考え』『感情』『行動』はお互いに影響を与え合っています。

『考え』を変えると『感情』や『行動』が変わりうるし
『行動』を変えると『感情』や『考え』が変わりうる。
また『感情』も、『考え』や『行動』を左右します。

『考え』『感情』『行動』のいずれかを変えてみる事によって
その他のことも変わってくる可能性がある、訳です。

例えば、自分を傷つける『行動』を行なっている人は、
自分の『考え』や『感情』に目を向ける事によって、
自分の『行動』を自分に優しいものに変える事が可能である、という感じですね。

『認知行動療法』以外にも色々な療法がありますが、
基本的には自分の『考え』『感情』『行動』に注目するという共通点を持つものが多いです。

私のnoteは主に『メンタルヘルス』に関するもの、その他の『医療』に関するもの、また『ニュージーランド』に関するものを書いていこうと思っています。

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