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ADHDの薬を内服中のあなたが、ニュージーランドに来る時に知っておきたい事

ニュージーランド在住で、総合診療科医、ライフコーチ、Havening technique ®️プラクティショナーなどをしています。

今回の記事は、私のインスタ/facebookの記事を加筆、編集したものです。


日本でADHDの薬を内服しているあなた。「ニュージーランドへ旅行/留学したいけれど、薬の事が心配」ですか。

ニュージーランド行きを、諦める必要はありません。
ただ、ニュージーランドでもADHDの薬を処方してもらうのは簡単ではないので、準備と覚悟が必要です。

ADHDの薬の概要

日本で使われているADHDの主なものは、コンサータ、ビバンセ、ストラテラ、インチュニブなどです。

ADHDの薬は、大まかに2つに分類されます。
一つは、中枢神経刺激薬。もう一つはそれ以外の薬。

ほとんどの国で同じ状況だと思いますが、中枢神経刺激薬に関しては、
「コントロールドドラッグ」と呼ばれ
国内での処方はもちろんのこと、国外からの輸入や持ち込みに制限があります。

先にあげた薬の中で、コンサータ(メチルフェニデート)とビバンセ(リスデキサアンフェタミン)は、中枢神経刺激薬です
ストラテラ(アトモキセチン)とインチュニブ(グアンファシン)は、非中枢神経刺激薬です。

*ちなみにビバンセは英語では「ヴァイヴァンス」と発音します。

ニュージーランドへの薬を持ち込む際のルール

ニュージーランドへの入国時は、コントロールトラックは1ヵ月分まで、その他の薬は3ヶ月分まで、経口避妊薬の場合は6ヶ月まで持ち込めることになっています。

つまり、コンサータやビバンセはニュージーランドへは1ヵ月分しか持ち込みません。
この辺が旅行者、ワーキングホリデーメーカー、留学する学生さん達には問題になってくると思います。
(もちろん、このルールを無視しても、咎められず、見つからずに薬を持ち込んだ人もいるようです。その辺はご自分の責任で行ってください。)

必ずしも必要では無いのですが、特にコントロールドラッグの場合は、日本の医師が英語で書いた証明書を携帯することをお勧めします。
(私のウェブサイトから証明書の雛形をダウンロードできます。)

ニュージーランドに来てからの薬の入手法

この辺は、一般的な事は私のウェブサイトを読んでいただくと書いてあります。

ただ、ADHDの中枢神経刺激薬に関しては、コントロールドラッグなので
その辺の救急クリニックに行って、すぐに処方して貰う事はできません。

この辺が事前の計画が必要になってくるところです。

(もちろん内服薬がストラテラ、またはインチュニブだけであれば
3ヶ月分持ち込めるので、ほとんどの旅行者は、持ち込み分だけで充分だと思います。)

ニュージーランドでADHDの中枢神経刺激薬を処方してもらうには、ニュージーランドの精神科医、または小児科医にかかって、ニュージーランドでの最初の処方してもらうことが必要です。

そうしたら、その後2年間はその他の医者にかかって処方を続けてもらうことができます。
現在、ニュージーランドでは、電子化されたバーコードのついた処方箋を出してもらえば、ADHDの中枢神経刺激薬は一度に3ヶ月まで処方してもらえます。

バーコード付きの処方箋を出せる機能がないクリニックでは、1ヵ月分までしか処方できません。

インチュニブに関して

ニュージーランドでは、インチュニブが処方されていません。
ただ、他のブランドのグアンファシンは処方可能です。

どうやって精神科医、または小児科に予約するか

多くのプライベートの精神科のクリニックは、オンライン診療をしています。
渡航前に、ググって、ADHDの処方してもらえる精神科医を探し、予約することができます。

ほとんどのクリニックは、診療は1ヵ月から3ヶ月待ち位だと思います。

中枢神経刺激薬の処方自体は、ニュージーランドに住所がないとできないので
ニュージーランドに渡航直後に、精神科医とオンライン(または対面で)診療できるように手配をすると1番良いと思います。

*学生さんの場合は(よくあるケースなので)、学校のクリニック経由で精神科医にアクセスできるかもしれません。
そこ前に、学校に問い合わせてみてください。

クリニック選びに関して

ググってみると幾つかクリニックが出てくると思います。
中枢神経刺激薬の処方してもらうには、
「サイコロジストpsychologist」ではなく
「精神科医 psychiatrist」に診てもらうことが必要なので、
この辺は予約時に気をつけてくださいね。

私の働くクリニックで、日本語でADHDの薬の処方に対応します

ここからはちょっと宣伝になります。
私は、2024年の6月からニュージーランドのプライベートの精神科医と一緒に
1週間に1日メンタルヘルスの診療をしています。
(他の日は、通常の総合診療科医の仕事をしています。)

このクリニック(Chucke Factory)では、主にADHDのアセスメントとフォローアップをしています。オンライン、対面、どちらも可能です。
海外でADHDの診断を既に受けた人達の、診療と処方にも対応しています。

もしもあなたが、「ADHDの中枢神経薬をニュージーランドで処方してもらう必要があるけれど、英語にとても自信がない」と言う状況であれば
こちらのクリニックで、私が日本語でアセスメントをして、精神科医と相談した後に、中枢神経刺激薬の処方を出すことが可能です。

この際も、日本の主治医からの紹介状は必ず必要です。
できれば、英語でお願いします。
どうしても無理であれば日本語でも対応しますが。

Chuckle Factoryのウェブサイトにコンタクトフォームがあるので、
そちらから英語で連絡していただくか、
英語で書くことが非常に困難であれば、私のウェブサイト


から、日本語でお問い合わせください。

最後に

ADHDの薬は、やめたら命に関わると言うわけではありません。

旅行でニュージーランドにいらっしゃって、特に集中して仕事をするとか勉強する必要がなければ、ニュージーランドに滞在中はADHDの薬を止めると言うことも可能です。
ご自分の主治医に相談してみてください。

もしも薬の内服継続が必要であっても、ニュージーランドで入手する方法はあります。
他の薬よりはちょっとハードルが高いですが、可能ですので
諦めず、ニュージーランドでの滞在、生活を楽しんでいただきたいと思います。


今日も長文を読んで頂き、ありがとうございました。

「親も育つ子育て」を広めるために、私の持っている知識、経験、資料をできるだけ無料で皆さんに届けたいと思っています。金銭的サポートが可能な方で、私の活動を応援していただける方は、サポートをしていただけると嬉しいです。