日本で処方された薬を、どうやってニュージーランドで続けて処方して貰えばいいか、ご心配の方へ

ニュージーランド在住で、総合診療科医、ライフコーチ、Havening technique ®️プラクティショナーなどをしています。

日本で薬を内服している人がニュージーランドにワーホリや学生として長期滞在する場合、薬をニュージーランドでどうやって手に入れればいいか心配になりますよね。
色々な方から質問をいただくので、ここに回答をまとめておきたいと思います。


1.日本から持ち込む

ニュージーランドへは、ほとんどの薬は3カ月間持ち込めます。
経口避妊薬なら、6ヶ月まで可能です。
モルヒネやコデイン、トラマドール、ADHDの中枢神経刺激薬など、現在ニュージーランドでコントロールドドラッグとなっている薬は、1ヵ月分までしか持ち込めません。
最近、ベンゾ系の薬や睡眠剤もコントロールドドラッグになったので、1ヵ月分までしか持ち込み出来ません。
風邪薬に入っているプソイドエフェドリンも、ニュージーランドではコントロールドラッグなので、持ち込みは1ヵ月分までです。

コントロールドドラッグ以外で、3ヶ月分以内の期間の薬の持ち込みであれば
税関で申告する必要はありませんが、
ニュージーランド政府は、医者の手紙または処方箋を所持すること、薬がオリジナルの箱やケースに入っていることを求めています。

コントロールドラッグの場合は、1ヵ月分以内の持ち込みでも、
入国時に申告する必要があります。
もちろん薬はオリジナルの箱に入れて、日本の主治医からの英文での手紙をもらってきてください。

詳しくは以下のニュージーランド税関のウェブサイトを参照してください。

2.家族に持ち込んでもらう

直近の家族であれば、あなたのために薬を持ち込むことも可能です。

つまり、自分がワーホリや勉強でニュージーランドにいる間に、家族がニュージーランドへ遊びに来る、と言うような状況であれば、その家族に薬を持ってきてもらえます。
持ち込める分量は、上で説明した量と同じです。
この時も、主治医からの手紙があることが望ましいです。
(普通の薬の3ヶ月分以内なら、多分質問されることもないとは思いますが。)
もちろんコントロールドドラッグは、その家族の人が入国時に申告してください。

友達や知り合いではそのような事はできませんので、ご了承ください。
(多分、知り合いのために薬を持ち込んでいる人はいると思いますが、
ご自分の責任で行ってください。)

自分や家族が薬を持ち込む際のテンプレートは
私が作ったものが、このウェブページに載っていますので、参考にしてください。

3.ニュージーランドの医者に処方してもらう

日本で処方されている殆どの薬は、全く同じものまたはよく似たものがニュージーランドにもあります。
完全に薬がなくなってしまう前に、ニュージーランドのお近くのクリニックに処方してもらえるか訊いてみましょう。

大学生などは、多分その大学のスチューデントセンターに問い合わせれば、解決すると思います。
ワーホリや短期の仕事でニュージーランドにいらっしゃる場合は、街中の救急のクリニック(病院ではありません) や、普通のジェネラルプラクティス(ニュージーランドのプライマリーケアを担う総合診療科)のクリニックに問い合わせてみてください。

もしも、近くに処方してくれるクリニックが見つからなければ、オンラインで処方してくれるところもあります。
Tend とかcareHQ を始めとしていくつかのオンライン診療のクリニックがあるので、ググって探してみてください。

私のオンラインクリニックでも、薬を処方しています。
日本語で、相談も診療も全て可能です。
日本の主治医からの手紙も、日本語のままで大丈夫です。
ご興味がある方は、ウェブサイトを覗いてみてください。
(診療費用などは、全てウェブサイトに載っています。
薬局で支払う薬の代金は、ご自分でお調べ下さい。)

4.日本から薬を取り寄せる

ニュージーランドにない薬に関しては、日本から薬を郵送してもらうこともできます。
ただ、先に述べたように、ほとんどの薬は、同じ薬、またはよく似た薬がニュージーランドにもありますので、日本からの郵送が必要になる事はほとんどないでしょう。

どうしても日本にしか手に入らない薬で、日本からの郵送が必要であるときは
ニュージーランドの医者を受診して、そのニュージーランドの医者に税関への手紙を書いてもらう必要があります。
(日本の主治医の手紙では効きません。)
その手紙がないと、ニュージーランド税関で取り上げられる可能性が高いです。

こちらの私のウェブサイトにも情報が載っていますので、参照ください。

ADHDの中枢神経刺激薬の場合は少し事情が異なるので
こちらの記事を参照してください。

あと、日本の方から相談を受けて気になっていることですが、
日本ではベンゾ系の薬が、かなり自由奔放に処方されています。
時々相談を受けると、日本では3種類くらいのベンゾ系の薬を処方されていたりします。
ニュージーランドでは、そのまま同じ様に処方して貰えない事はあると思いますので (私なら、通常は、減薬の計画を立てることなく処方することはしません)、特にニュージーランドに長期滞在であれば、渡航前に日本の主治医と相談されることをお勧めします。

では、皆さんニュージーランドでの滞在を楽しんで下さいね。

今日も長文を読んで頂き、ありがとうございました。

「親も育つ子育て」を広めるために、私の持っている知識、経験、資料をできるだけ無料で皆さんに届けたいと思っています。金銭的サポートが可能な方で、私の活動を応援していただける方は、サポートをしていただけると嬉しいです。