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敢えて閉じる

記事を書くようになってからいいなと思う言葉に出会った。

漢字閉じという言葉だ。文字を書く仕事をしている人や業界の方なら誰でも知ってて当たり前らしいが私はnoteを始めてからライターや文筆家といった職業に興味を持ち、調べていくうちに出会った。

漢字閉じ、とは漢字でも表現できる言葉をひらがな表記にすること、そして敢えて漢字を使わないことを閉じると表現する。漢字の割合が多くなると文章が読みづらくなる事からバランスよく、読みやすくする為に敢えてひらがなを使うことを漢字閉じという


初めて知った時、なるほどな~と勉強になった。そして文章の読みやすさには、漢字:3、ひらがな:7という割合まであることも知った。敢えてひらがなで表現することはたまにするが、それに名前があることまでは知らず、そして意味を知りとても素敵だと感じた。

たまに温かい、柔らかい、白い、丸い、という言葉をひらがなで書く時がある。あたたかい、やわらかい、しろい、まるい、ひらがなにするとより一層あたたかく、やわらかく、しろく、まるく感じるような気がする。敢えて表現しないという考えがとても素敵だなと感じたのはふと、自分の事を重ねたからだ。

小さいころからあまり人に自分の意見を言うのが得意ではなかった私は小学生の頃、お寿司屋さんで食べたいネタを頼むのも恥ずかしく母に頼んでもらっていたり家に来客があってもこんにちは、と言えなかったりとても恥ずかしがりやだった。中学生や高校生にになる頃にはいいと思ったことや嫌なことは口に出さないと伝わらないと学びイエスかノー、白か黒、0か100のような発言と生き方をしていた。自分の気持ちや意思を伝えるのは大切だが思ったことが口に出すぎたり、言わなくてもいいことまで言ってしまったり、それでも自分はこういう人間だから、こういうやり方で生きてきた、と自分を曲げられないこともあった。社会に出ても高圧的な所謂、モラハラやパワハラのような相手には上司だろうが食ってかかり言い返したり自分のミスではないことに対して謝るということがどうしても出来ず揉めたりもした。

語気が強すぎるあまり人を支配してしまうことがある。言葉を押し付け捻じ伏せてそれを続けていくと、きっと傷つけるでは済まないところまでいってしまう。そう思うことが増え、本気で改心することを試み、今は敢えて言葉に出さず表現せず口を閉ざすという意識をしている。

納得がいかないことがあってもそれに歯向かったところで得られるメリットはなんなのか、この人の言い方が気に食わないと思っても、言い争いの先にこの人との関係を今後深めていきたいと思っているのか、修復したいと思う自分はいるのか、そう考えぐっとこらえて他人の意見を飲み込むことを覚えた。でもそれはとても難しく本当に大変で、今もたまに言い返したり無駄に争う時間を生んでしまうこともある。

言ってあげた方が相手の為になることも沢山ある。例えば仕事のミスや、相手が今やるべきことではないこと、間違ったやり方をしているときに言わないのは優しさではなく、言うと自分が嫌な人に思われないか、口うるさいとか揉めるのが面倒だから、という情けの感情から言わないという選択をする人がいる。昔は私もそうだった。自分が面倒をかぶればいいのだ。そう思っていたが今は言わないという選択は違うと感じている。自らの心をすり減らしてでも庇いたいことだろうかと考える。余計なお世話になるかもしれないそのラインは本当に難しい、でもミスや間違っているということは伝えると職種によっては消費者の手に渡る前に止められたり、間違いに気づくことで次、間違えない為の学びや事例となる。

私はミスをしたり自分が間違えているときにそれは違うよときちんと教えてくれる人に感謝するようにしている。それは気づかなければ成長のきっかけは愚か、危うく大切な知識を取りこぼすとこだったと思うからだ。もちろん伝え方も大切だが敢えて口に出して表現しないことで人を傷つける回避をしたり、敢えて口に出して表現することでお互いを高め合えることもある。文章に漢字を閉じることで読みやすさやバランスが生まれるように、人間関係にもいい距離を保つ為に時には口を閉ざし聞く耳を持たなければいけないということを大人になるにつれて学んだ。


相手の良いと思ったところや好きなところもたくさん口に出すようにしている。けれども、これは自分だけが知っていれば、とか時には独り占めしたい幸せは誰にも教えずこっそりひっそり心に閉じ込めるのも私は大好きだ。

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