わたしの二次創作日記_10
3.メンタルが完全にヘラった2020年の夏
②わたし、「評価依存」という言葉を知る
2020年9月——私と子供たち(イチロウ3歳とジロウ0歳)は、一ヶ月ほど実家で過ごすことになった。
小説を書かなくなって、家事も育児もうまくできなくて、実家にいる——。
この時の私は、ひどく落ち込んでいた。
自分以上に情けない人間などいない、世界にとってなんの価値もない人間だ、などの言葉が常に脳内を駆け巡るほどに、ネガティブ思考に支配されていた。
そんな思考を遮断したかった私は、小説は全然書きたくなかったけど、実家に帰ってもPixivアプリをチラチラ見ていた。
「いいねと、フォロワーと閲覧数の増減」が、気になって気になって仕方がないのだ。
「一つ」でも「いいね」や「ブクマ」が増えていると、落ち込みから一瞬だけ浮上でき、情けない気持ちが少しおさまる……。
しかし、実家にはオカンがずっといる。
自然、自宅にいた時の頻度で、スマホを触ることができない。
オトンとオカンがいることで、Pixivアプリが見たい時に見れなくなったことに、私はとてもイライラしていた。(いい歳して家事オカンに全任せの癖に)
そして、やっと気づいた。
もうタクシン小説は書きたくないし、読みたくもない癖に「Pixivが、見たくて見たくてどうしようもない」って……異常では?と。
そこで、「夏アミ タクヤ シンジ」で夜な夜なググりまくっていた女は
「同人 つかれた」とか「二次創作 つらい」「Pixiv ブクマ 気になる」などなど……
同人活動との付き合い方について、夜な夜なググりまくるようになった。
ググりにググった結果、私は知る。
「評価依存」という言葉を初めて。
評価依存とは?
他人からの評価を、度を越して気にし過ぎる状態になること。
評価依存に陥ると、自分の本質的な問題点が見失われ、肩書きや収入、地位などの目に見えることに拘るようになる。(googl 生成AIより)
私の場合、それが「いいね、ブクマ、フォロワー数」だった。
それらの目に見える「数字」が増えると、自分の価値があがったようで気持ちが良くなるものの、「数字」が少なかったり減ったりすると、自分の存在を否定されたような気持ちになり、激しく落ち込む。
そして、「いいね」が欲しいという気持ちは、投稿回数を重ねていくほど強くなり、激しさを増した——。
私は、思った。
あの時と、一緒やなって。
ストレスの全てを、「酒」で洗い流していたあの頃と、一緒やんって。
中小広告代理店で企画の仕事をしていた二十代前半。
客先で「なんか、ちゃうな〜」と、謎の修正を連発された時。
派遣のデザイナーさんが全然仕事してくれない時。
仲のいい後輩が上司と不倫しだした時……。
「酒」を飲むことで私は、苛立ちや悲しみ、寝不足で体が辛いことなどなどを、紛らわしていたのだ。
私は気づいた。
当時、酒に溺れていたように、今は「いいね」に酔っ払っていることに。
前述の通り(わたしの二次創作日記_5参照)私はリアルを晒す方のSNSとは、五年ほど距離を置いていた。
Facebookは5年前にPWを変えてログインできなくなってるし、インスタとツイッターは垢すらない。メルカリも、ハマるのが恐くて手を出さなかった。
そうして、他人からの評価や、依存性の高そうなものからは距離を置き、自らの豆腐メンタルをぬくぬくと五年守り通してきた。
そんな女が、猛烈な勢いでPixivというSNSにハマった結果……
用法用量もわからぬまま、SNSを「大量摂取」していた。
(ちなみに、当時スマホを見ている時間は、多い日で9時間!?とかでした)
私は急性アルコール中毒ならぬ、急性「いいね」中毒に陥っていた——。
社畜時代の私は「酒が足りない、酔いが足りない。腹が立ちすぎて、酔っ払わないと眠れない」と、酒量を日に日に増やしていって、体と心を壊した。
当時、酒で「仕事」という目の前の現実を濁らせていた時と同じあんばいで、この時の私は「いいね」を欲することで、「育児」という目の前の現実をあやふやにさせようとしてたのだった……。
そうしてやっと「Pixiv依存症」を自認できた私は、少し冷静さを取り戻した。
スマホにPixivアプリを入れてるのは、アルコール依存症の患者の目につくところに、酒瓶を並べているのと同じ。
その事にハッとして、私はスマホからPixivのアプリを消した——。
それから、Pixivを見る頻度が徐々に減った私は(それでもブラウザで見ていた)子供の世話と家事全般を、オトンとオカンに甘えて、実家でぼんやり過ごしていた。
週末には、夫が子供たちの世話をしに実家に来てくれた。
まだまだジロウも夜中起きるし、鬱傾向のせいで夜はうまく眠れなかったけど、オカンが喋り相手になってくれたのが良かった。
夜中の台所で。
庭でイチロウとシャボン玉をしながら。
私はオカンに、子育ての愚痴を喋りまくった。
「育児が辛い」と言えたことで、周囲に甘えられたことで……
私がスマホを触る時間は、自然と減った。
そんな日々を過ごしているうちに、朝起きてゲーゲー吐く症状は、いつの間にか無くなった……。
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実家に帰ってる私を心配して訪ねてきてくれた親友に、同人活動のことを打ち明けたら「凄いね!」と言われ、お調子者の創作意欲が再点火する
「4.創作意欲の再燃、そしてまたメンタルに来た2020年の秋 ①回復したわたし、敗因を分析する」へとつづく
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