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統計学と計量経済学のことはじめ

今回は統計学と計量経済学の理論の独学方法です!
実際に僕が経験した、初学者から中級計量経済学を修得するまでの道のりをシェアしたいと思います!

この記事の背景Ⅰ

最近になってセンター試験の『数学』でも統計の分野が(ほんの少しですが)扱われるようになったのを知りました。ビジネスの分野でも、データサイエンスが云々と言われるのもこの分野です。

こうした統計学の需要の高まりから、実践的な統計学の運用をするために、どのように統計学や計量経済学の理論を学べばよいかを、僕自身の経験から記していきたいと思います。

ちなみに、大学の経済学部の専門科目には「統計学」や「(初級・中級・上級)計量経済学」という専門科目があります。大学院では各大学にもよりますが、コア科目(選択必修科目と考えて構いません)に、大抵「上級計量経済学」が入っていて、入ゼミの条件にこの科目を一定評価以上取ることを課す先生方も多いと思います。(僕自身は計量経済学の分野が専門でもなかったので、結構苦労した思い出があります…。)この経験を通じて、統計学を学んでこなかった人が少しでも早く必要な知識を身につけ、頑張れば中級程度まで学べたらいいなという思いで書いていこうと思います。

背景Ⅱ

ごめんなさい。こっちが本音です(笑)
実は大学院に入るまで、統計学を独学で、それも何となく感覚で学んでいた状態だったんです。(数学とか位相、微積分しかやってない…!)
しかし、希望していたゼミの条件が、「中級計量経済学を履修し合格していること」とあり、絶望を味わった経験があります…。
何から手を付けたらよいのか、何もわからない僕が試行錯誤して、科目合格した経験を、少しでも活かせたらなと思い記事を書きます(笑)
(まあ、そうそうこんな人いないと思いますが…)


まずはアレルギーを無くそう!


以下2冊の所要時間:だらだら読んでも数日間でした。

最初が肝心ということで、統計学の世界とは何なのか?ということがわからないと、いきなり数学だらけの難しい本に立ち向かったところで説明ができないと思います。そこでおすすめしたいのがこの本!!

初心者向けですが、p値や標準偏差やらのことがしっかり理解できます。
ポイントは、漫画なのでスラスラ読めて、しかも感覚だけじゃなくしっかり理解して頭に残るということ!!
「統計学」の授業をとらずに「計量経済学」を受けた自分は最初の方で、「何言ってんだ??言葉が全くわからんぞ??」という状態だったのを、少しはわかる状態にしてくれた1冊でもありました。ガチで図書館で感動しました(笑) ぜひ感動を味わってほしいので、内容は詳しく書きません。

イメージを掴んだら次はこれ。

え?まだ入門書?と思った方。統計を扱うなら最初の仕込みはとても肝心なんです。実際のデータを例に計算したりして、統計の仕組みを理解できる一冊です。読み進めていくと、先ほどの漫画を読んだあなたなら案外サラッと1冊読めてしまいます。
ちなみにこの本は、前半のページだけでも、センター試験数学Ⅰ・Aの対策としてもおススメなのではないでしょうか?


~数学の下準備~


以下3冊の所要時間:まあまあやって2週間程度でした。
(※必要な線形代数の分野だけ切り取ってやりました。)

あと2つほどですがここは辛抱です…!!
この先の領域に進むためにはやはり数学的知識も必要です…。
とは言え、僕はこの2冊で済ませることができました。

ハッキリ言って素敵。高校数学からなのでとっつきやすい!しかも、おまけに経済学も少し学べちゃうとてもお得な一冊です!1冊目はワークブックも出ていますが、このワークは本書の前半部分しか掲載されていません。ですが、やる価値は十分にあります!
正直これだけでも良いような気がしますが、2冊目はその応用編です。と言ってもやはり解説はかなり丁寧なので、初学者にもってこいの一冊です!
でも2冊目はちょっと手ごわいな…と感じたら、1冊目と2冊目の中間に位置するこの本がサクッと終えられて丁度いいと個人的に思います。

ちなみに2冊目と3冊目は買うならどちらも上巻だけでいいと思いますよ。
さらに勉強したい人は下巻もわかりやすいのでおススメです!


いよいよ統計学から計量経済学へ!


以下の3冊の所要時間:単位も焦っていたので2週間くらいでした。

数学ができたら、最後の統計学本です。

え?まだ統計学なの?という方。こちらの本は今までのようにしっかりやらなくても大丈夫です!辞書替わりとして使っている方も多いですね。
でもよく見てみると、まあ結構わかったりする部分があるはずです。
「あぁ、なんだ。この数式ってあのマンガで言うここのこと言ってるのね。」といった具合に読み進めることができます。ただ全部わからなくても目を通すだけで十分に価値がある一冊です!

そしてついに初歩の計量経済学です!

1冊目は理論、2冊目は実践といったところでしょうか。
統計学の知識が身についているあなたなら、併用するとかなりの速さで理解できるのではないでしょうか?特に2冊目は具体例ありきの解説なので、かなりわかりやすく、1冊目の学習をかなり手助けしてくれた記憶があります(笑)
ちなみに、『計量経済学』(著:山本拓、新世社)も有名ですが、僕は相性が合いませんでした…。


やっと辿り着いた中級計量経済学!


ここまで大変お疲れ様でした。長かったですよね?
ここまで学習したあなたは、統計学の基礎、計量経済学の基礎、経済数学の線形代数の分野はだいぶ身についていると思います。
ここまでくると、中級計量経済学にも色々な参考書があるので、一概にこれとは言えませんが、僕が実際に使った本を紹介します。

先に言っておくと、「え!?洋書!?」と思った方。安心してください。かなりわかりやすい英語で書かれています。しかも1冊目はネットで検索欄にタイトル名と「.pdf」と打てば、pdf版が無料でダウンロードできちゃいます(笑) ただペーパー派の方も実際に買っても損はないと思いますよ!僕はダウンロード派でした。

実際の使い方ですが、僕は2冊目を中心に、1冊目をサブテキストとして活用していました。2冊目でも十分にわかるのですが、わからない部分が出てきたときに辞書代わりに1冊目を見てみる。といった格好で使っていました!さらにわからなければ、先ほど紹介した『統計学入門(基礎統計学Ⅰ)』(編:東京大学教養学部統計学教室、東京大学出版会)を辞書代わりに使っていました!実際今の研究でもかなり使っています!

最後に

大学院で講義を取らないといけない!という方は、この記事だけでなく、他の記事なども参考に、ぜひトライして欲しいですね!
一方、社会人の方で実務に使うための統計学でしたらここまで必要ないと思います。具体的には「まずはアレルギーを無くそう!」で紹介した2冊⇒『実証分析のための計量経済学』(山本勲、中央経済社)で十分概要はつかめると思います!

最後に読み物として、面白く読めるおススメの本を紹介して終えたいと思います。

こちらの本、色々な分析手法が世の中にはあるのですが、そのあらゆる分析手法を用いて世の中の現象を具体的に見ていくという、結構面白い本です。
一度手に取ってみてはいかかでしょうか?

ここまでお読みいただきありがとうございました!

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