NOCK│ノック

1979年生まれ。3人の息子(13歳,11歳,8歳)の子育て奮闘中。隙を見ては趣味のサ…

NOCK│ノック

1979年生まれ。3人の息子(13歳,11歳,8歳)の子育て奮闘中。隙を見ては趣味のサーフィン、スキー(テレマーク)を楽しみつつ、たまにドラムを叩いたりミシンを踏んだりしています。

マガジン

  • 【連載小説】教えて!アヤノさん〜青葉大学バスケ部の日常〜

    大学三年の秋、青葉大学体育会男子バスケットボール部の主将になった菅野タケルはコーチの人選に悩んでいた。そんなある日。 「私が教えてあげる」 そう言い放ち、コーチに志願したのはタケルと同じゼミに所属する黒づくめの服に黒髪のロングヘア、色白で長身の大学院生、中村アヤノだった。 杜の都・宮城県仙台市を舞台に、大学バスケ部の男女が織りなす、ちょっと真面目、だいたい緩めな日常を描く物語。

  • 家族のこと

    3人の息子たちの言動に驚かされたり、悩まされたり、考えさせられたり。子育てや家族の記事をまとめています。

  • SPATZ

    25年ぶりに活動を再開したおじさん4人のバンド活動報告など。 高校時代のお話から、再開の経緯、現在の活動について綴っております。

  • 音を楽しむ

    好きな曲や思い出の曲を紹介してます。

  • 波待ち日記

    波乗りの記録です。

記事一覧

【大学バスケ】二十年ぶりに興奮してきました

 ようやく秋の涼しさを感じてホッとひと息つけたノックです。  三連休ですね。みなさんはお出かけとかしてるんでしょうかね?我が家は長男の部活があったりするので、遠…

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【連載#12】教えて!アヤノさん〜青葉大学バスケ部の日常〜

第十二話  ようこそわが家へ!  青葉大学女子バスケ部と仙台市内のクラブチーム・上杉クラブの練習試合が終わった後、青葉大学男子バスケ部主将の菅野タケルは、上杉ク…

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【連載#11】教えて!アヤノさん〜青葉大学バスケ部の日常〜

第十一話 お姉さんですか?  十二月も中旬を迎え、西公園の地面は色づいたイチョウの落葉で黄色に染まっていた。  薄暗く、吐く息も白い早朝。巨大なこけしがそびえ立…

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【連載#10】教えて!アヤノさん〜青葉大学バスケ部の日常〜

第十話 体で払ってもらうから  十二月に入って朝晩の冷え込みがいちだんと厳しくなった仙台市内、朝七時。飲み会から帰ってきて、着の身着のままでベッドに倒れこんでい…

NOCK│ノック
2週間前
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【連載#9】教えて!アヤノさん〜青葉大学バスケ部の日常〜

   第九話 酒癖悪いんですか?  仙台市青葉区国分町。仙台市内の中心部にあるこの場所は、東北地方における最大の歓楽街だ。東北大学バスケ新人大会が行われたこの日…

NOCK│ノック
3週間前
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【連載#8】教えて!アヤノさん〜青葉大学バスケ部の日常〜

第八話 結果が全て  十一月の第三日曜日。青葉大学男子バスケットボール部主将の菅野タケルは同じ三年生でチームメイトの高橋ツムグと一緒に福島市内にある市民体育館に…

NOCK│ノック
1か月前
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【連載#7】教えて!アヤノさん〜青葉大学バスケ部の日常〜

第七話 素敵なことじゃないですか  杜の都仙台の老舗デパート『藤崎』は、仙台駅ら東西に続くアーケードと、仙台市役所から南北にのびるアーケードの交わるところにある…

NOCK│ノック
1か月前
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最後の手紙

 三連休はお墓参りにも行く予定だったのですが、台風が近づいて来ているので延期。何もすることがなくなった午前中は読書でもしようかと思っていたところ、母親があるもの…

NOCK│ノック
1か月前
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【連載#6】教えて!アヤノさん〜青葉大学バスケ部の日常〜

第六話 推理をしましょう  十一月の最初の週末、金曜日から日曜日まで三日間の日程で、青葉大学では大学祭が開催される。この三日間、青葉大学体育会バスケットボール部…

NOCK│ノック
1か月前
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【パリ五輪】バスケ観戦記

 いよいよ夏本番で、盆地の湿度に心底参っているノックです。  さて、パリ五輪のバスケットボール競技。日本代表は男女ともに三連敗で予選敗退の結果となりました。改め…

NOCK│ノック
1か月前
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【連載#5】教えて!アヤノさん〜青葉大学バスケ部の日常〜

第五話 伊達の悪魔    杜の都仙台市の中心部から西に位置する青葉山。その麓に広がる青葉大学文系キャンパス。経済学部経営学科三年で青葉大学男子バスケットボール部…

NOCK│ノック
1か月前
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【五輪開幕】バスケットボールを楽しむ!

   みなさんこんにちは。昨日、久しぶりに海に行って心が洗われたノックです。  パリ五輪、始まりましたね。昨日は男子バスケの初戦のドイツ戦でした。結果としては20…

NOCK│ノック
1か月前
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【連載#4】教えて!アヤノさん〜青葉大学バスケ部の日常〜

第四話 そんなんじゃないですから    その日の全体練習終了後、練習開始前に言い争いをしていた男子バスケ部三年生の高橋ツムグと女子バスケ部三年生の小笠原ノアは、…

NOCK│ノック
1か月前
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物語の進め方

 みなさんこんにちは。苦手な夏に身も心も疲れ気味なノックです。  さて、7月23日に締切を迎えた2024note創作大賞。昨年はタイミングを逃してエントリーをしなかった…

NOCK│ノック
2か月前
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【連載#3】教えて!アヤノさん〜青葉大学バスケ部の日常〜

第三話 どういうご関係で?  青葉大学北キャンパスにある体育館。水曜日は二面あるバスケットボールコートそれぞれで男子バスケ部と女子バスケ部の練習が行われる。チー…

NOCK│ノック
2か月前
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【連載#2】教えて!アヤノさん〜青葉大学バスケ部の日常〜

第二話 契約をしましょう  青葉大学経済学部ゼミ棟。毎週水曜日の午後は、経済学部のゼミが行われる。この日、青葉大学体育会男子バスケットボール部主将の菅野タケルは…

NOCK│ノック
2か月前
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【大学バスケ】二十年ぶりに興奮してきました

 ようやく秋の涼しさを感じてホッとひと息つけたノックです。  三連休ですね。みなさんはお出かけとかしてるんでしょうかね?我が家は長男の部活があったりするので、遠出はせずに家で大人しく過ごしております。    7月から連載している小説『教えて!アヤノさん〜青葉大学バスケ部の日常〜』も第12話まで進み、ようやく物語の中盤といったところです。  先日、ロケハンも兼ねて半年ぶりに仙台市内を歩いてきたんですが、その際、物語のモデルとなっている母校の体育館に足を運んだところ、運良く現役の

【連載#12】教えて!アヤノさん〜青葉大学バスケ部の日常〜

第十二話  ようこそわが家へ!  青葉大学女子バスケ部と仙台市内のクラブチーム・上杉クラブの練習試合が終わった後、青葉大学男子バスケ部主将の菅野タケルは、上杉クラブのメンバーで、中村アヤノの母、中村ユキノに捕まっていた。 「菅野くんやバスケ部のことアヤノから聞いてるよー。でもいいのかなあ、アヤノがコーチだなんて」 「お母さんは余計な口出ししないで。ちゃんと部の総意でコーチをお願いされているんだから」  体育館の外で立ち話をしていたタケルとユキノの背後には、二人を監視する

【連載#11】教えて!アヤノさん〜青葉大学バスケ部の日常〜

第十一話 お姉さんですか?  十二月も中旬を迎え、西公園の地面は色づいたイチョウの落葉で黄色に染まっていた。  薄暗く、吐く息も白い早朝。巨大なこけしがそびえ立つ広場に背の高い二人の女性が向かい合っている。一人は金髪の髪をヘアバンドで留め、もう一人は真っ黒な長い髪を後ろで一つに束ねてランニング用のキャップを被っていた。二人は準備運動をしながら言葉を交わす。 「アヤ、なんだそのレトロな恰好は?」  金髪の日下部ニコルが話しかける。 「え、ダメですか?」  黒髪の中村ア

【連載#10】教えて!アヤノさん〜青葉大学バスケ部の日常〜

第十話 体で払ってもらうから  十二月に入って朝晩の冷え込みがいちだんと厳しくなった仙台市内、朝七時。飲み会から帰ってきて、着の身着のままでベッドに倒れこんでいた青葉大学体育会女子バスケットボール部二年で副主将の上野ナギサは、羽毛布団を体に巻き付けた状態で目を覚ました。 「んん。あー。頭痛い」  ずいぶん飲んだ記憶はある。飲み会の終盤は、先輩の小笠原ノアと高橋ツムグの出来立てカップルを、男子部の二年生たちと一緒にキャーキャー言いながら冷やかしたのも覚えている。その前は何

【連載#9】教えて!アヤノさん〜青葉大学バスケ部の日常〜

   第九話 酒癖悪いんですか?  仙台市青葉区国分町。仙台市内の中心部にあるこの場所は、東北地方における最大の歓楽街だ。東北大学バスケ新人大会が行われたこの日、青葉大学体育会男女バスケットボール部は、大会の打ち上げと男子バスケ部コーチの中村アヤノの歓迎会を兼ねた飲み会を開催していた。男子部、女子部ともに、ほぼフルメンバーが参加。普段は練習に来ないメンバーもなぜか集合する。飲み会こそ体育会運動部の本領発揮の場だった。  午後6時を回ったところで、男子部主将の菅野タケルが声

【連載#8】教えて!アヤノさん〜青葉大学バスケ部の日常〜

第八話 結果が全て  十一月の第三日曜日。青葉大学男子バスケットボール部主将の菅野タケルは同じ三年生でチームメイトの高橋ツムグと一緒に福島市内にある市民体育館に来ていた。一、二年生が出場する東北大学新人大会を観戦するためだ。  仙台から福島までは、高橋の車にタケルが同乗してきた。早朝から秋雨がシトシトと降り続けて実際の気温よりも肌寒さを感じさせたが、体育館の中はキュキュっというバッシュと床の摩擦音、レフリーの笛の音、電子音のブザーや選手たちの声などが混ざり合い、バスケット

【連載#7】教えて!アヤノさん〜青葉大学バスケ部の日常〜

第七話 素敵なことじゃないですか  杜の都仙台の老舗デパート『藤崎』は、仙台駅ら東西に続くアーケードと、仙台市役所から南北にのびるアーケードの交わるところにある。青葉大学の大学祭が開催されている週末の日曜日、青葉大学男子バスケ部主将の菅野タケルは、同じく男子バスケ部のコーチである中村アヤノと藤崎のエントランスで待ち合わせをしていた。  予定が決まったのは二日前の金曜日。文系キャンパスの食堂でのちょっとした事件のあと、アヤノからの「付き合って欲しいんです」発言に耳を赤くしたタ

最後の手紙

 三連休はお墓参りにも行く予定だったのですが、台風が近づいて来ているので延期。何もすることがなくなった午前中は読書でもしようかと思っていたところ、母親があるものを持ってきました。お盆前に部屋の掃除をしていたら見つけたものがこちらです。  これは日露戦争に行った、私の曾祖父ちゃんの叔父にあたる人(以下、Sさん)の手紙。手紙自体は原本ではなく、私の祖父が親戚から借りたものを自筆で複写したものです。それを読んだ祖父の叔父さん(以下、Fさん)のコメントも一緒に入っていました(レトロ

【連載#6】教えて!アヤノさん〜青葉大学バスケ部の日常〜

第六話 推理をしましょう  十一月の最初の週末、金曜日から日曜日まで三日間の日程で、青葉大学では大学祭が開催される。この三日間、青葉大学体育会バスケットボール部が使用している体育館は大学祭のイベントの関係で使うことができない。練習が休みとなったこの日、男子バスケ部主将で経済学部経営学科三年の菅野タケルは、午後から図書館でゼミの課題に取り組んでいた。  十月中はずっと晴天が続いていたが、大学祭の初日の金曜日は生憎の雨だった。タケルは図書館の窓から外を眺める。雨が雑木林の間に幾

【パリ五輪】バスケ観戦記

 いよいよ夏本番で、盆地の湿度に心底参っているノックです。  さて、パリ五輪のバスケットボール競技。日本代表は男女ともに三連敗で予選敗退の結果となりました。改めて、世界の壁の高さ(物理的にも!)を実感した次第です。  私の単身赴任先の部屋にはテレビがないので、結局、観られた試合は男子のドイツ戦とブラジル戦、女子のベルギー戦の3試合でした。私なりに振り返ってみます。  まず、男子から。フランス戦は、ライブで見ることができず。話題となっていたスリーポイントシュートへのファールに

【連載#5】教えて!アヤノさん〜青葉大学バスケ部の日常〜

第五話 伊達の悪魔    杜の都仙台市の中心部から西に位置する青葉山。その麓に広がる青葉大学文系キャンパス。経済学部経営学科三年で青葉大学男子バスケットボール部主将の菅野タケルは、文系キャンパスにある経済学部講義棟で行われている統計学の講義を抜け出し、生協の外にあるベンチでホットの缶コーヒーを飲んでいた。夏から秋へと移ろう季節の爽やかな風を受けながら寛いでいたタケルの隣に、何者かがスッと腰を下ろす。 「おいタケル。また授業サボってんだろ」  声の主は、法学部三年で青葉大

【五輪開幕】バスケットボールを楽しむ!

   みなさんこんにちは。昨日、久しぶりに海に行って心が洗われたノックです。  パリ五輪、始まりましたね。昨日は男子バスケの初戦のドイツ戦でした。結果としては20点差をつけられましたが、世界王者相手に素晴らしい試合を見せてくれたと思います。次の試合が楽しみです。  さて、最近はSLAM DUNKの影響やNBAでの日本選手の活躍などで日本国内でもメジャースポーツとしての地位を確立した感のあるバスケットボールですが、バスケ経験者ではない方が試合を見たときに、どこを見て楽しんだ

【連載#4】教えて!アヤノさん〜青葉大学バスケ部の日常〜

第四話 そんなんじゃないですから    その日の全体練習終了後、練習開始前に言い争いをしていた男子バスケ部三年生の高橋ツムグと女子バスケ部三年生の小笠原ノアは、女子バスケ部が練習していたコートで一対一の勝負を始めるところだった。 「ツム、喜べ。今日もあたしがお前を完膚なきまで叩きのめしてやるぞ。三つ指ついてお願いしますって言え」 「ふざけんな。毎回負けて夜な夜な枕を濡らしているのは誰でしたか? お前だよ!」  高橋とノアの一対一は練習後の恒例行事として部内に浸透しており

物語の進め方

 みなさんこんにちは。苦手な夏に身も心も疲れ気味なノックです。  さて、7月23日に締切を迎えた2024note創作大賞。昨年はタイミングを逃してエントリーをしなかったのですが、今年はちょうど書きたい物語があったので、三話までが審査対象となる漫画原作部門にエントリーしました。タイトルは『教えて!アヤノさん〜青葉大学バスケ部の日常〜』です。前にも書きましたが、漫画原作部門にしたのは、他に当てはまるジャンルがなかったのと、これを機に連載をスタートさせたいと思ったからです。  この

【連載#3】教えて!アヤノさん〜青葉大学バスケ部の日常〜

第三話 どういうご関係で?  青葉大学北キャンパスにある体育館。水曜日は二面あるバスケットボールコートそれぞれで男子バスケ部と女子バスケ部の練習が行われる。チーム練習が始まる前、男子部の練習が行われるコートのゴール下で、男女二人が一対一で練習をしていた。 「ボールを受けたら一度体を押し込んで、スペースを作るんだ」  ディフェンスをしながらアドバイスをしているのは、三年生で男子部副主将の古川トモミだ。オフェンスは二年生で女子部副主将の上野ナギサ。遠くから見ると小柄に見える

【連載#2】教えて!アヤノさん〜青葉大学バスケ部の日常〜

第二話 契約をしましょう  青葉大学経済学部ゼミ棟。毎週水曜日の午後は、経済学部のゼミが行われる。この日、青葉大学体育会男子バスケットボール部主将の菅野タケルはゼミの開始時間よりもだいぶ早くゼミ室に到着し、ロの字型に組まれた長机に一人、頬杖をついてボーッとしている。しばらくすると、タケルのゼミの友人である中嶋が入室する。 「おや、タケルどの。お早いですね。その様子では、まだお悩みですか? バスケ部コーチの件」 「いや、コーチは決まったのだよ」  タケルの返事を聞いた中嶋