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文学フリマ東京36告知

きたる5月21日(日)開催の文学フリマ東京36(東京流通センター)でメルキド出版(第一展示場A58)は2点の新刊を刊行します。

1点目は『前衛アンソロジー3 SFの最遠点』。プロアマ混成の7名によるポスト・フィクションの試みです。「前衛アンソロジー」は2019年結成の文芸サークル。第1号「何度でも何度でも新しい小説のために」(2019)と第2号「解体する文学」(2020)で第1回全国同人雑誌賞ニューウェーブ優秀賞(2021)を受賞しました。活動理念は「前衛の政治から抑圧的な言語の象徴性の解体へ」。

以下3号(新刊)の目次をご紹介します。

序文 幸村燕
ウェイク・イン・クローゼット 十三不塔
東の空を観照し王の入城を迎えるものたち、あるいは祈りによって輝く平分点 久我宗綱
楽園の檻 丹宮
悪夢と真理の歴史 大沢野櫻
映画館で眠る男 湯本実
ばらばら 木耳
ぼく、惑星ちゃんと出逢う 歌猫まり

企画は幸村燕、編集は沖鳥灯、装画・装幀は立入譲の担当です。


前衛アンソロジー3 SFの最遠点


装画・装幀 立入譲




誌面より編集後記を公開します。

編集後記 沖鳥灯
編集後記 沖鳥灯

2点目は『平成文学全集』(目録)。企画は佳浩。筆者の沖鳥灯と瀬希瑞世季子が「平成文学」(1989ー2019)から選書し、目次と解説を付しました。沖鳥は個人的な体験から、瀬希瑞は文学史的なアプローチで取り組んでいます。読者諸氏の「平成文学ブックガイド」になれば幸いです。


平成文学全集


装画・装幀 瀬希瑞世季子




誌面より跋文を公開します。

平成文学全集 跋文




まとめ
お品書き
新刊
『前衛アンソロジー3 SFの最遠点』 1000円
『平成文学全集』 300円
既刊
『REBOX4 特集ファウスト系』 500円
『次なる宇宙のために3 境界』(詩誌) 500円
『繭』(寫眞句集) 500円
『映画館と公園に放置された長いイモの事』松原義浩作品集 1000円
委託
『漫画を読むとき』中澤一棋 フリーペーパー
取り扱う作品 ・無限の住人 ・三月のライオン ・明日、私は誰かのカノジョ ・それでも歩は寄せてくる ・妻、小学生になる。

2023年は大江健三郎が亡くなり、東浩紀のデビュー30周年です。コロナの猛威はだんだんと治まりつつあり、今年も半年近くを過ぎて迎える文学フリマは昨秋の新興同人誌の旋風が再び巻き起こりそうな予感がします。
今回、弊サークルの2点の新刊を編集して、1950~1960年代の「政治の季節」および三島自決という1970年パラダイムから距離を計ろうともがいてる感慨を覚えました。むしろ文学が趣味に留まり、創作による自己実現の道具に貶められたのは1980年代からでしょうか。ところで今年は『平成転向論』『彼は早稲田で死んだ』『ぬかるみ派』などを読み、シラケ世代やSEALDs、Z世代などにおける社会運動について思いを馳せております。むろん「趣味の階級闘争」として文学は映画、音楽などと同等の力を持っていると思います。とはいえ文学にまだ一縷の望みを抱いてしまう今日この頃なのでした。
他にも注目の同人誌が数多く刊行されます。ぜひ5月21日は東京流通センター(12:00~17:00)へお越しになってください。お待ちしております。

沖鳥灯

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