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日記

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2019年12月の記事一覧

日記(18)

2019年12月30日

 日曜日、近所のスーパーでドライゼロの6缶パックを買ってそれを1本飲みながら、本や原稿の整理をしていた。
 昨晩は、三田誠広『僕って何』(河出文庫)を半分まで読み、やっぱり自分は活動や運動がしたいんだなあ、と再認識した。
 保坂和志『読書実録』(河出書房新社)では、

 小説家にとって小説を書くということはまず何より手作業、手仕事である、画家も音楽家も手作業をなくすわけに

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日記(17)

2019年12月25日

 父が亡くなってから、うちではクリスマスが消えた。母は家庭的ではあるけど非常にドラスティックなので風物的な行事というものをしない。
 というわけでケーキも七面鳥もないイブを過ごした。それでベケットや稲垣足穂を読んでいる。
 秋から現在にかけて長篇をやめて、短篇、詩歌、評論、戯曲、占い、写真集などを読みあさっている。そうして目先を変えてみると、春から夏にかけて必死で取り組ん

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日記(16)

2019年12月23日

 先週の19日から21日にかけて奈良と京都に行ってきた。先月の文フリ東京では、前日に一睡もせず強行軍で現地入りして宿の二日間でもほとんど眠れずにしんどかったが、今度の旅では前日、初日とまずまずの睡眠が取れた。
 二日目は初めてひとりでバーに行き、カクテルやハイボールをピッチ速めで飲み、気分が高揚し初対面のバーの常連さんたちといろいろと余計なことまで語らって楽しかったけどい

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日記(15)

2019年12月18日

 火曜日は生憎の天気で、不眠による疲れからようやくまとまった睡眠をとることができたこともあって、体調回復に努めようと外出は控えた。
 それで半日を、書簡の執筆と高村光太郎『智恵子抄』(新潮文庫)に当てた。『智恵子抄』はミスチルの桜井和寿の愛読書としても有名だが、個人的にも思い入れのある詩集で、むかしの習作に登場させたり、途中まで読んだりしていたのだが、初めて読み切った。

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日記(14)

2019年12月17日

 とくに理由があるわけでもなく、ただ気分的にnoteの更新を怠っていた。でも小説のほうはせっせと進めていて現在8000字ほどだ。この間、アルトーやゼーバルトをちょい読みし、安部公房『壁』や石川淳「マルスの歌」を投げだし、石原吉郎と古井由吉の実在に迫った幻想性に思いを馳せ、石井ゆかりの双子座の本に本性を見透かされ、サルガドと『ベトナムから遠く離れて』(1967ー1968・仏

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日記(13)

2019年12月2日

 1994年と2014年のことをたびたび考える。前者は5月に阿部和重がデビュー、10月に大江健三郎がノーベル文学賞を受賞。コーネリアスのファーストアルバム『ファースト・クエスチョン・アワード』が2月に、小沢健二のソロアルバム『ライフ』が8月にリリースされた。大江以降の文化的礎がはじまった年といえる。僕はこの年の6月にダイエー岡崎店のアシーネでバイトをはじめた。同月、名古屋大

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日記(12)

2019年12月1日

 日中は精力的に活動できたのだが、陽が落ちて途端にやる気が萎んでしまい、コルタサルの短篇集の「動物寓話集」と「天国の扉」を読んだところで力尽きて、いままでずっとぼうとしていた。
 昨日から「生存書簡二期」がはじまった。一期はPさんと白熱した遣り取りができてとても楽しかった。先日の文フリなどで十冊ほどはけた。結果的に姉妹誌みたいになった「好奇心の本棚」にもざっと目を通した。脱

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