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日記

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2019年11月の記事一覧

日記(11)

2019年11月27日

 旅から戻って睡眠不足を解消するためか、暇さえあれば横になっている。そのため身体がなまってきたので夜の散歩に出かけたはいいが、ますます鬱屈としてきた。
 それでさきほどまでまた寝ていたのだが、これではさすがにまずいなと思い直し、pabulumで付録としていただいた『必要性の丘2』を読んでみた。俳句については、正岡子規、芥川竜之介、尾崎放哉くらいしか恥ずかしながら読んでいな

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日記(10)

2019年11月26日

 文学フリマで入手した本を同人評みたいなかたちで書こうかと意気込んでみたものの、数が多いし、そんな技量もないので日記としてのらりくらりと断片的な感想を記すことに留めたい。それならTwitterでもいいようにも思うが、あれはあれで煩雑になるのでのんびりと読んでいく。
 それでまずはじめに手に取ったのが会場でもまっさきに買いにいった『カフカと私』(pabulum)。
 盛りだ

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日記(9)

2019年11月25日

 むかしから薄い本が好きだった。ウィリアム・バロウズ『トルネイド・アレイ』(思潮社)、アントニオ・タブッキ『夢のなかの夢』(岩波文庫)、中原昌也『キッズの未来派わんぱく宣言』(リトル・モア)。
 はじまりは、コナン・ドイル『失われた世界』やサン=テグジュペリ『星の王子さま』などの絵本の幸福な原体験からなのだろうか。
 戯曲というものはほとんど読んでこなかった。あのシェイク

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日記(8)

2019年11月21日

 昨日、今日と消耗品の購入や旅の準備などのために外出した。そのついでにカミュ『ペスト』(新潮文庫)を買うつもりでいたが、けっきょく『雪の女王 アンデルセン童話集』(角川文庫・山室静訳)にした(この名作復刊シリーズにカフカ『ある流刑地の話』本野亨一訳もある)。休憩場でホットココアを飲み、持参した『キャプテンサンダーボルト』(上巻・文春文庫)に取りかかろうとするもまったく読め

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日記(7)

2019年11月18日

 朝、地元の先輩と遣り取りして読書会の日程が決まる。来春の寄稿者との打ち合わせも無事すませる。昼、7年前のテキストでスペイン語の勉強を軽くしてから、最寄りのコンビニで東京流通センターへの宅急便を出した。その足でコインランドリー前の自販機の爽健美茶を買った。冷たいものにしてしまい激しく後悔するも後の祭り。歩き飲みをしつつ公園に向かう。公園を横切りまえとは違うコンビニへ。雑誌

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日記(6)

2019年11月17日 

 日曜日は終日家に引きこもっていた。土曜日には書店へ出向き、オーウェル『あなたと原爆』(光文社古典新訳文庫)と梯久美子『狂うひと』(新潮文庫)を購入。抹茶ラテを飲む。スペイン語の教本は買わなかった。NHKの『旅するスペイン語』を2週にわたって録画予約したがもうやめてしまった。ナビゲーターはシシド・カフカだった。22日には『バビロン・ベルリン』が最終回。7話から観ていない

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日記(5)

2019年10月31日<深夜>

 パスカル・キニャール『謎』(水声社・小川美登里訳)を読んだ。以下、印象的だった箇所を引用する。

 体を起こしながら彼は例の名を繰り返そうとした。その名はそこ、彼のすぐ近くにあって、舌の先まで出かかっていた。まるで靄のように彼の口の辺りに漂っていた。その名は彼の唇の端に近づいたり、遠ざかったりした。しかし、いざ妻にその名を告げる時になると、その名は彼のもとから消

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