- 運営しているクリエイター
記事一覧
クレームは忘れた頃にやってくる
記事を見た読者や取材先からクレームが来ることは、そう珍しくない。前回の水島新司の図版使用の件では幸いクレームはなかったが、「これ、クレーム来るかもなー」と覚悟しているときは案外来ないもので、思わぬときに思わぬところから来たりする。
たとえば、西原理恵子さんのマンガの取材でサハリンに行ったときのこと。サハリンへは小樽空港からアエロフロートで飛んだのだが、その機体がとんでもなくボロかった。気密性
肖像権と著作権と水島新司
昔の野球マンガには、実在の選手が実名でバンバン登場していたものだ。『巨人の星』はもちろんのこと、『がんばれ!!タブチくん!!』なんてタイトルにまでしちゃってる。『タブチくん』のヒットで火がついた野球4コマブーム当時は、それこそ1軍レギュラークラスの選手はほとんど全員ネタにされていたと言っても過言ではない。
しかし、今やそんなマンガはほぼ絶滅状態だ。プロ野球を題材にしたマンガがなくなったわけで
このマンガがやばい!
前回ご紹介した『硬派銀次郎』や『巨人の星』は、セリフの差し替えだけで済んでいるが、題材やエピソード自体が不適切として、お蔵入りになってしまった作品もある。
有名なところでは、手塚治虫の『ブラック・ジャック』(73~83年)。「指」と題されたエピソードで、ブラック・ジャックの旧友の間久部緑郎という6本指の男が登場する。2人が出会ったのは中学時代。〈わたしもきみもみじめだったなあ/わたしは身体障害
トルコがソープに変わった日
トルコがソープに変わった日のことを覚えているだろうか。
事の発端は1984年9月、一人のトルコ人青年が「愛する祖国の名前が、いかがわしい風呂屋の名前になっている」と当時の渡部恒三厚生相に直訴。それを受けて渡部氏は「貴国の風呂とは何の関係もないのに、いつの間にか俗称が使われている。いますぐ行政の力で命令することはできないが、自粛するよう呼びかける」と約束した。
厚生省は、公衆浴場に外国の国名、
「未亡人」と「寡婦」
かれこれ10年以上、朝日新聞でマンガ評を連載している(南信長名義)。アサ芸と違って老若男女幅広い読者が対象なので、紹介する作品も厳選するし、原稿もそれなりに気を使う。なるべく誰にでもわかりやすい平易な表現を心がけ、チンコマンコとかは最初から書かない。私にだって、そのぐらいの分別はあるのである。
しかし、それでも思わぬ問題が出てくるから油断は禁物だ。
タイ・カッブ、ニコラ・テスラなど歴史に名
アサ芸用語の基礎知識
「隣の家の淫ら妻」などの特濃グラビアからヤクザネタ、浅草キッドの名物連載「週刊アサヒ芸能人」まで、何でもアリなイメージの「アサヒ芸能」。東日本大震災の直後に〈「深刻ブラジャー不足」被災地のオッパイを救え!〉なんて男気あふれる良記事を載せていたのも印象深い。好きか嫌いかといえば、好きな雑誌のひとつである。
しかし、その内実は、私がこれまで仕事をしたなかでトップクラスにタブー用語の多い雑誌だった。チ