エデュマル

なかなか本が書けませんでした。

エデュケーショナル・マルトリートメント、つまり、
大人たち、社会が子どもたちに対して行っている不適切な教育行為が存在していることを「概念」として伝えたいのだけれど、

教育虐待という言葉を使えば、親を傷つけるのと同じように、
マルトリートメントという言葉が、
そこに思い当たることをしてきた大人たちを責めることになり、
傷つけ、場合によっては反感を買うことが予測されたからです。

私が学会大会で説明すると、教育委員会の人たちが、
何を言われているのかわからないと首を振りました。
私が記者に伝えると、
社会の責任にするというのはあいまいで記事にならないと
却下され、
親の責任にされました。
出版社の編集者に繰り返し説明しても、
うちではちょっとと言われました。
賛同して下さる知人に聞き書きしてもらおうとしましたが、
それもうまくいきませんでした。

どこでどう書いたらいいのか迷いに迷ってやっと書いた今回の本は、
『やりすぎ教育』という個人の行為を思い起こさせるタイトルで
出してもらえることになりました。

広報でも「虐待?!」というワードが目を引き、
それで販売部数が伸びます。
まずはとにかく読んでもらうこと。ひきつけること。とても大事です。

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でも、何よりも伝えたいのは社会的な虐待。
家庭内のことではなかったのですが、
入口をそこにしなければ、伝わらないのが現実です。

子どもたちが商品化されているという指摘は、以前から教育学の中でもされてきています。
でも、それをしているのが誰なのかというと、新自由主義の人たち、とされてしまいます。

いえ、それは私たちなのです。
批判をしているあなたも含めた私たちが、
子どもの権利を守るという大人としての責任を果たす力がなく、
マルトリートメントをしてきたのです。

保護者だけではなく、
教師教育者や臨床心理士や精神科医や教師など、
子どもに関わる職種の方たちに気づいてもらいたいのです。
でも、その人たちにも自分の子どもがいることがあるから、
まずは保護者として読んで、
それから、自分の仕事につなげて考えてもらえればと思っています。

これは、自分事なのです。
エデュケーショナル・マルトリートメントというキーワードから
皆が考え始めてほしいと願っています。

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