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パリタクシー
なんともチャーミングなおばあさんなのである。
励ましになることしか言わず、
笑わないと年をとる とかいうのである。
92歳で、しっかりと歩いている。
サイトにある作品紹介ではこうだ。
パリでタクシー運転手をしているシャルル(ダニー・ブーン)は、金もなければ休暇もなく、免許停止寸前という人生がけっぷちの状態にあった。ある日彼に、92歳のマドレーヌ(リーヌ・ルノー)をパリの反対側まで送り届けるという仕事が舞い込んでくる。彼女の頼みでパリの街のあちこちに立ち寄るうちに、マドレーヌの知られざる過去が明らかになっていく。
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知られざる過去とは何か。
それは思いっきりネタバレになってしまうが。
思い切りのよいことをしてしまう。
1950年、まだ離婚もできなかった時代。
女性に対する暴力、子どもに対する暴力に対する感覚よりも
「女が逆らう」事に対する嫌悪感しか示さない裁判官。
女を裁くのに、全員男性の陪審員。
不当だと、上告することすらできない。
「それが50年代」とマドレーヌは言う。
そうなんだろうなと思う。
DVもモラハラも、30年前ですら言葉がなくて
離婚するのに大変だった女性が日本にもたくさんいただろう。
それでもフランスは、彼女の量刑を半分にしたし、
裁判の時ですら「マドレーヌを無罪に」というデモもあった。
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ひとり息子は元夫との子供ではなく
マドレーヌは息子だけを愛していたけれど
弁護士になると言っていた息子は
報道写真家になってベトナムに行ってしまい、
帰っては来なかった。
そんなことの後で、彼女は50年生きたのである。
タクシー運転手のシャルルが、高級住宅街だと認識する家に
彼女は暮らしていたのである。
シャルルは、籍を入れない事実婚だけれど妻を愛していて
女を殴る男は信じられないと思うタイプみたいだった。
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ラストは。
金が敵の世の中であるが、彼は
ただ、マドレーヌの人柄に惚れ込んだのである。
心から、見て良かったと思う映画だった。
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テレビの「クレイジージャーニー」で
パリ市内に住むのは家賃が高くて大変で
と言いながら美しい風景が流れていたのを思い出した。
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