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グローバル化(2):ヨーロッパ

今回はヨーロッパの話。前半は歴史後半はビジネス関連の話題です。

ヨーロッパはプライベートでは2回だけ。あとはビジネス出張になります。90年代から数えると、ドイツが7回、イギリスが4回、スペインが2回、イタリア、オーストリア、スイスが1回ずつとなっています。コロナ禍が空けたら、ぜひ北欧諸国にも行ってみたいと考えています。

ヨーロッパの歴史

ヨーロッパの歴史は知れば知るほど、奥が深いですね。下記「ヨーロッパ全史」を読むと、ヨーロッパは古代ギリシャ時代からずっと戦いに明け暮れていたことを改めて理解することができます。

大陸の中にこれだけ多くの民族、国家がひしめき合っていれば、それぞれがお互いに領地と富を巡っていがみいがみ合い合従連衡を繰り返してきたのは致し方ない事なのかもしれません。

こうした見方について、これまで歴史学者や社会学者が多くの研究を行ってきました。まず始めにフランスの歴史学者 フェルナン・ブローデル氏が書いた「地中海」の歴史における環境の役割、集団の運命と全体の動き、出来事・政治・人間 それぞれをまとめた5冊の大著が有名です。ただ、難解で専門家以外にはわかりづらいということだったので、下記、入門編を読んでみました。

つぎに紹介したいのは、より広範囲な観点から世界の歴史・社会全体を捉え、「世界システム論」として展開したアメリカの社会学者ウォーラーステインです。彼の著書「近代世界システム」も出版されていますが、これも分厚い分冊が4冊と歯が立ちそうにないので、この本の翻訳をした大阪大学名誉教授 川北稔氏の「世界システム論講義」を読むと概要が理解できます。

さて、上記2冊とも学術書なので入門版とはいえ、やはりヨーロッパの歴史や地理にそれほど精通していない日本人には少し取っつきにくいところがあります。

最後に、戦争の戦略策定・分析から生まれた政治地理学・地政学の分野において、最近出版された出口治明さんの「教養としての『地政学』入門」は、世界における合従連衡の歴史・背景を陸と海の視点から鮮やかに解説しています。

この書籍ではヨーロッパだけでなく、アジアやイスラム、日本など幅広く書かれていますが、膨大な読書量に裏打ちされた分析、他の著作と同様にわかりやすい解説には敬服するしかありません。


ヨーロッパ経済とビジネス

さて、このように最近までヨーロッパ諸国が戦争に明け暮れていたのですが、第二次大戦後、1993年のマーストリヒト条約発効によってEC(欧州共同体)からEU(欧州連合)へと変わったことは記憶にも新しいでしょう。

 EUの目的
 (a) 域内国境のない地域の創設、及び経済通貨統合の設立を通じて
   経済的・社会的発展を促進すること
 (b) 共通外交・安全保障政策の実施を通じて国際舞台での主体性を
   確保すること
 (c) 欧州市民権の導入を通じ、加盟国国民の権利・利益を守ること
 (d) 司法・内務協力を発展させること
 (e) 共同体の蓄積された成果の維持と、これに基づく政策や協力形態を
   見直すこと  つまり、EUは、経済統合に加え、政治統合の推進を
   目指す
ものであり、ECを基礎とするが、これを包摂するより大きな
   機構であると言えます。(外務省HPより)

そして、1999年にはユーロ(欧州統一通貨)が発行されます。

個人的には、90年代前半はヨーロッパに渡航すると国を跨ぐごとにパスポートを提示して入国審査を受けて、通貨もそれぞれの国の通貨に両替していたのが、2000年代になると、まるで国内を移動するかのようにEU内を移動できたのが新鮮な驚きでした。(イギリスは最後までユーロを導入せず、ポンドのままでしたが。)

ただ、こうしたようやく出来あがったEUも、ユーロ危機や難民問題、BREXIT、そして最近はコロナ禍と多くの難問に直面しています。
EUが万が一、解体するような事になれば、すぐに戦争が始まるという話ではないと思いますが、歴史の後戻りによる各国の混乱や経済的な打撃は計り知れないでしょう。

さて、ヨーロッパで実際にビジネスをするのは、EUが設立されたとは言え、大国アメリカや中国とは異なる難しさがあります。私自身も現地のグループ会社やパートナーを通じて、いくつかの案件や商談をしましたが、国や地域ごとの違いは噂では聞いていても実際に接してみると、やっぱりな。という面と、そうでもないな。という面が半々くらいのように思います。
(ラテン系でも真面目にきっちり仕事をする方も結構多いとか。。)

こればかりは実際に経験してみないと想像の域を出ないと思いますが、下記のようなヨーロッパビジネス経験者の書籍も出ていますので、参考にしてみてください。

最後に国ごとの違いということに関して、「異文化理解力」の著者 エリン・メイヤーさんが有名ですが、その中のリーダーシップ・マップに興味を持ちました。

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個人的にもドイツの出張回数が一番多く、ドイツ人の友人・知人が多いのですが、何となく彼らと意見や肌が合うなぁと感じていたのは、このマップにあるように日本同様、コンセンサス重視で組織階層も重視するお国柄からなのかもしれません。(製造業が強いというところも似ていますね)

ただ、ある人に言わせると、ドイツ人も多くの人の意見を聞いて物事を慎重に進めるが最後は決める。逆に決定していない状況自体が不安。一方の日本人は多くの人の意見を聞くものの明確な結論が出ないまま、世論や社内の空気が動くのをずっと待っているのが大きく違うと聞いたことがあります。

やはり、世界の中でも日本人は独特な考え方やマネジメントをしているように見えているかもしれませんね。



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