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業務改善ってどうやるの?(概要編)

いろんな方へ私の経歴を話すと、業務改善や利益改善(赤字事業を黒字化させる)をどのように取り組んだのか質問されることが多いです。そこで私の経験やMBAで学んだ要素を盛り込みながら、数回にわたって記事にしたいと思います。

業務改善の意義

企業にとって継続的な利益を出すことは当然の宿命です。赤字続きの会社では、自社で掲げているミッションやビジョンの達成はかなり厳しくなります(戦略的に赤字にしている企業は除く)し、従業員の雇用も守れなくなります。また、利益が少なければ当然、会社として従業員への利益還元ができなくなりますので、従業員としても利益をより多く出せる企業の体質創りに貢献したほうが結果的にはメリットを享受します(するはず...)

業務改善=利益改善

利益を改善するためにトップライン(売上)を上げるのと、コストを下げる方法の2つを考えるのは誰でもわかると思います。

そして業務改善は正しく進めればどちらにも働きかけられるので、業務改善=利益改善となります。

また、業務改善は時間を創出することが主目的です。無駄を省くことで人の作業時間を減らすことで組織に余裕をもたらし、残業代などのコスト削減に加え、「攻めのプロジェクト」を企画・遂行する余力を創出できます。

業務改善における大まかなフロー

私の経験上、次の10ステップを上手に踏めば、大体の改善はうまくいくと確信しています。

Step 1:Whyの説明(なぜ改善するのかを説明する)

Step 2:ヒアリング(トップ→現場→現場責任者→トップ)

Step 3:プランニング(改善内容の選定とアクションプランの詳細設計)

Step 4:社内調整(上長との合意・バイイン)

Step 5: 共有(実装、現場へアクションプランを共有する)

Step 6:インプリメンテーション・アクション(導入・実行フェーズ)

Step 7:ヒアリング(検証)

Step 8:修正

Step 9:デレゲーション(権限委譲)

Step 10:定期的なチェックイン

では、これらをもう少し詳細に見て行く前に、序章として「チェンジマネジメント」について今回は書きます。

序章: チェンジマネジメントを理解する

人は変化を嫌うし、現状維持が心地よい

業務改善や利益改善を任されたプロジェクトマネージャーなどがよく陥るのは、最初に「理論的に」企画を進めることです。実際にMBAの授業でも数値や分析をベースにどうやったら理論的には改善できるかを学びます。

では、どうしてMBAを持っている人たちや、頭のいいプロマネさんやコンサルさんたちの多くは期待していた結果を得られないのでしょうか?

それは、人は変化を嫌がる傾向にあることを加味しないからです。

特に慣れ親しんだフローを変えることに殆どの人は大きな抵抗感を示します。もしあなたが業務改善を担っているのであれば、そもそも相手(改善してもらうチーム)は心の中で反発していることを理解しておかないといけません。

そうした聞く耳を持たない相手に変化を訴えかけるには、いかにその人の信頼を勝ち取るかがポイントです。(ちなみに、MBAではそこは教わらなかったです。)

理論的に戦略をプレゼンしたところで相手はそもそも提案を受け入れようとしていないため、トップダウンで無理矢理やらせたところで、継続性もなければ無駄な離職率を上げる要因となってしまうリスクを伴います。

なので、まずは自分自身が「相手のそもそもの心境を理解し、それを解きほぐすために慎重に、かつ時間をかけて挑まなければならない」ことをしっかりと受け止めた上で、上司などとこのフェーズに時間がかかるという合意を取ることが最初のステップです。

ただ、上司も会社の業績を担っているのでそう簡単に時間をかけたいとお願いしたところで首を縦にふりませんよね?なので、そもそもの改善計画の中でのスピード感(スケジュール感)の企画段階でその時間をしっかりと盛り込む必要があります。

ベストは、その企画段階で現場のリーダーに現実的な時間と、チームにとってできればベストなタイムラインを事前にヒアリングしておくと、調整がしやすくなります。これを行うことで、一気に現場からの信頼をもらえますし、最終的な落とし所を自分の中に持つことが可能となります。

(なお、この現場のリーダーとの事前ヒアリングの際のポイントは次の記事でもう少し詳しく書きたいと思います)


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