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美容師の日常のこと

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髪の毛のことが日々、気になります。
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#ヘアカラー

ヘアカラーを決める時の大切なこと。視覚と言葉。

note記事をみていただいている美容師のお客様Kさんが来店。 以前、接客中にKさんと話していたことを記事に書いていて、それを読んだというリアクションを今日されたのでなんだか小っ恥ずかしい気持ちになった。 でもいじって頂けるだけでもnoteやってて良かったと思える。 そして今日帰りがけに、また読みますからね、と言われれば今日のことも書かずにはいられまい。 ✴︎✴︎✴︎ Kさん「川口さんはお客様にカラーチャート、見せますか?」 この質問は、なんだか懐かしい感じがした。

髪の毛を明るくしたい衝動は春の訪れを感じさせます。

明るくしたい衝動は、春一番が持ってきているのだろうか。 今日来店したお客様の7割はトーンアップだった。通常という言い方があっているかはわからないけど、日々のサロンワークでは、トーンダウンかトーンキープの方が多い。 「落ち着かせる」 という常套句をついつい使ってしまいがちだが、その言葉が1番イメージの共有には持ってこいである。 今日東京は気温も15℃まであがり、肌寒さはあまり感じられない。明日は17℃まで上がるそうだ。 となると、こないだの春一番が吹いた後にだんだん春

毎日、毎試合、緊張感をもってやる。

染められた毛束はさまざまな色になり並べられて比較されます。 この色をのせるとこう発色する、この毛にはこうなるだろうという推測を叩き出します。 そんな時毛束を使って行うのがもっとも効率的です。味噌汁の味見をするのにどんぶりいっぱい飲む必要がないのと同じで、少しのけを使えば、どう発色するかを確認することができます。 濃さを確認し、 もうちょっと薄めかな、 もうちょっと、 もうちょっと と心の中でつぶやいているとこんな量になってしますので気をつけましょう。 ヘアカラ

ミキシングメッセージ。

名探偵コナンだったかな、いや金田一少年の事件簿だったかな、まあどちらでもいいか、 何者かに殺された人が死に際に残すメッセージのことを「ダイイングメッセージ」とよんでいた。死者が自分の血を使いイニシャルなどの英語文字をかいているような、あれだ。 英数字をみて、何かを感じ、何かを受け取り、何かを推測する。 美容室でも英数字を多用する。お客様の個人カルテだ。 ある英字と数字(比率)が並ぶと何かしらの暗号みたいに見える。その暗号を見ると 「あー、なるほど、こんな髪質の人にこ

デザイン欲は満たされているのか。

作品にかける思いは人それぞれなのかもしれないが、カラーのフォトコンに出すのに、ヘアカラーをしないという選択肢を持ってしまう人と、何かしらの色を配色してやるという意気込みを感じるデザインをする人とでは、最終的な仕上がりにかなりの差が生まれる。 何かを見せたい、こん配色を出したいという欲求がデザインに意思を感じさせると思う。 あー、こんな事したかったんだなー、 この色を見せたいから、この色を入れたんだなー、 みたいな狙いは見る人にワクワク感を与えてくれる時思う。 せめてホイ

もう少し寝かせてみる、という技。

美容師さん対象に開催している、アカデミーで講師をしております。 来年新たなカラーのコースを 新設するにあたり、 どうしたものかと思いを巡らせつつ、 改めてヘアカラーのベーシックが どうあるべきなのか、 おこがましい限りに 決め付けようとはしてるが、 まだまだスケジュールは先のため もう少しこの案件については 寝かそうと心に決めた、 疲れた日曜日の夜。 アシスタントのレッスンを見ながら でも、やはり考えてしまう。 うーんと、 楽しく学べて、 身になるほうが 絶対的に

地味に嬉しい事なので、書かせてもらうけど、実は結構嬉しいです。

最近良い事あったかと聞かれると、声を大にして言える事は特にありませんでした。 日々お客様の髪の毛に向き合い、楽しく会話し、そのほか管理業務をこなし、そのあいまでnoteを書いている。 そんな日常です。 もう旅行記もそろそろ最終章を迎えつつあるしなとか、 ヘアカラーの事はちょっとした時間で書けるものでもないなとか、 だから最近は日々起きる何かを書いていることが増えた様な気がします。 もはや誰にむけて書いているかもわからないくらいに、 日記的なものになってしまているが、あ

テイスティング

どんな味なんだろうと想像する。 一口飲み、口の中で転がすように味わう。 そんなにお酒に詳しくはないが、この瞬間は新たな出会いや発見に興奮を覚える。 雰囲気のいいバーで、ゆっくりとした時間を過ごし気持ちよく飲めるって最高ですよね。早く行きたいものです。 ※※※ どんな色なんだろうと想像する。 新しいカラー剤がサロンに届くと、早速試す。 カラーリストたるもの、剤のスペックと色の発色感を試したくなる性分。 毛束を染めたものも合わせて預かるので、こういう色なんだなと想像し

江戸時代の暮らしと「今どき」カラー剤の話!?〜参

カラーリストである自分が,ここ近年感じていたことを3回にわたりコラムとして書いた3つ目になります。あくまで個人的意見をふまえたコラムです,あしからず。最終回をどうぞ。 ※※※ 「今どき」て、いう表現も今さら感はあるが、これまでトーン表にあわせて色設計されたカラー剤メーカーの薬剤が主流だったが、「今どき」カラー剤というのはここ近年発売されているのは濁りや青味がひたすらに濃いカラ剤しかラインナップされていない薬剤の事をここではさしている。 ※※※ 冒頭に記述したラジオの話

江戸時代の暮らしと「今どき」カラー剤の話!?〜壱

カラーリストである自分が,ここ近年感じていたことを3回にわたりコラムとして書きました。あくまで個人的意見をふまえたコラムです,あしからず。よろしくお願いします!! ※※※ ラジオから流れる話に耳を傾けていると面白い事を話す人がいた。 彼女は数年前から冷蔵庫を持たない生活をしているらしく、そうなったいきさつを話していた。地震→原発→節電→ライフスタイルの見直し、簡潔に書くとこんなところである。ライフスタイルを見直す、いや発想を変えいきついたことが冷蔵庫を持たない生活だそう