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毎日、毎試合、緊張感をもってやる。

染められた毛束はさまざまな色になり並べられて比較されます。

この色をのせるとこう発色する、この毛にはこうなるだろうという推測を叩き出します。


そんな時毛束を使って行うのがもっとも効率的です。味噌汁の味見をするのにどんぶりいっぱい飲む必要がないのと同じで、少しのけを使えば、どう発色するかを確認することができます。


濃さを確認し、

もうちょっと薄めかな、

もうちょっと、

もうちょっと

と心の中でつぶやいているとこんな量になってしますので気をつけましょう。

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ヘアカラーは一度塗布が始まると、もう戻ることは不可能です。

走り出したトロッコのごとく、発色という反応を止めることはできません。ブレーキをかけるにはシャンプーする必要があるし、ついてしまった染料は発色反応を続けていくことでしょう。

となると、カラーの仕上がりはカラー剤を混ぜる時にすでにおおかた試合結果は出てしまっています。試合開始の合図はお客様とどんな色にするかを決める時に始まってしまっているのです。


ヘアカットは切り始めが、試合開始みたいな感じがあります。そしてハサミをおく時が施術における試合終了です。その時には形も長さも仕上がっているからです。

でもカラーはハケを置いたところでまだ試合終了ではないでのす。塗布が終わり放置し、シャンプー、乾かす。乾き切る寸前が野球で言う9回裏と言ったところでしょうか。


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さてこれまで何度、この放置時間から乾かして仕上がるまでのドキドキ感を感じたことか。試合終了までの時間は約25分間。その間も他のヘアカラーを塗っているわけだが、サイドの仕上がりをお客様に見ていただいてから、感想を聞くまでの数秒がもっともドキドキするのである。

それは何度重ねても、そしてこれからも変わらないのだろうか。

ベテランであっても関係のないことだ。むしろいつまでもその緊張感を持っていないと仕事に対して馴れ合いになりかねない。馴れ合いは失敗や失望を生みかねないので気をつけていきた。

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