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テイスティング

どんな味なんだろうと想像する。

一口飲み、口の中で転がすように味わう。
そんなにお酒に詳しくはないが、この瞬間は新たな出会いや発見に興奮を覚える。

雰囲気のいいバーで、ゆっくりとした時間を過ごし気持ちよく飲めるって最高ですよね。早く行きたいものです。

※※※

どんな色なんだろうと想像する。

新しいカラー剤がサロンに届くと、早速試す。
カラーリストたるもの、剤のスペックと色の発色感を試したくなる性分。

毛束を染めたものも合わせて預かるので、こういう色なんだなと想像しながら薬剤を混ぜる。

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今回のテイスティングはこちらの髪の毛。
根本4LV、中間9LV、ブリーチ部中間13LV、毛先14LVのハイダメージ毛。

この毛先に薬剤をのせると、こうなるかなと想像する。その想定よりどうだったかが、この剤のスペックを自分の基準と比較する材料となる。

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今回は毛先のブリーチ毛に対し、1剤は単品での発色を見たかったので,根元の設定はできるだけ透明感を出すように12LVの薬剤をミックス。


まあ、それでも根元と毛先が揃う事はないが、できるだけ,仕上りとして違和感がない範囲で根元と毛先の薬剤を設定する。

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テイスティングは塗布しながらも始まっている。


染料の酸化重合が起こり発色してくるまで約10分。ブリーチ毛であればもう少し早く発色作用がおきてくる。その発色の感じが、経過がどうかでも薬剤の個性が出てくる。


塗布のしやすさ、ニオイ、塗布時の発色とシャンプー後の発色感の違い、アンダートーンに対しての色の出方など塗布する時には目と手で感じるようにする。


塗布後18分放置し、シャンプー。


塗布しながら見るのも大切だが,乾かしながら色をテイスティングすることも大切。乾かしながら乾いていく変化を日頃使用している色と比較していく。その時頭に浮かぶ言葉自体が,この薬剤に対する評価になっていく。

以外と発色するな
思ったより薄いかな
結構鮮やかだな
根元とのなじみ感があるから、濁りが多いのかな
かわいい色味だ
わりと地味だな
その色に近いかな

などなどぶつぶつと頭のなかで唱えるように味わう。


そして乾いたら、髪の毛を光にすかす、触る、動かす、コーミングする、

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そして一番重要なのは、第3者の意見や乾燥を聞く。

そこで、自分のなかでの感想を照らし合わせる。以外と人の意見や色の見え方と違ったりすることもある。共有できるとより、色に対する精度を上げていく事ができる。これは結構大切な色を見るトレーニングにもなる。

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今回のこのピンクは結構発色力のある、いい感じに青味ののったピンクだ。薄めやすくもあり、濃いものを足して少し物足りなさを補う事もできるマルチなピンクになるのでは。

メーカーによって個性が違うピンク。

赤すぎたり、濁り過ぎていたり,

そのどちらでもないピンクが是非とも欲しいものだ。

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