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美容師の日常のこと

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髪の毛のことが日々、気になります。
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#美容師

公園にて最後のカット。

最後のカットはパンツルック。 カッコよくなりすぎるので、あえての滑り台。 なんてないシーンもポージングで動きをつける、さすがのモデルさんです。 目が見えるか見えないか、それだけでムードがかわります。 森林に行ったり、部屋の中で撮ったり、公園でとったり、 シチュエーション、洋服、空気感、光、いろんなことが勉強になりました。 カメラの個性も知ることができたし。 そして1日お付き合い頂いたモデルさんには感謝です。 それではまたの機会に。

配色欲。

カラーデザインを考える時にいくつかの選択肢を持つようにしている。構築するうえでの要素や引き出しをいくつか用意するみたいな。 その中でも自分の中では外せない要素はある。要素と言えばなんだかデザイナーぽいが、自分の場合、病の発症のように起きる感覚だ。 それは どうしても左右を合わせたくなくなる病と、 どうしても黄色を配色したくなる病があいまって、 よせばいいのに、もう一色配置したくなるような、配色欲が湧き上がる次第でございます。

デザインの神様はいつ降りてくるのだろうか。

来週の月曜日に業界誌の撮影を控え、モデルさんのヘアカラーデザインをどういうアプローチで臨むかを何度もシミュレーションを行う。 絵(写真)としての強さ、カラーデザインとしての強さ、かっこよさ、誌面に紹介する上での説得力、どれも手を伸ばしもっとも良いところまで持っていきたいと欲張ってしまう。 それは決して悪いことではないのだけど、たまに欲張りすぎてしまう時もある。そんなんときは満足のいかない結果が待っていたり、「2兎を追うもの1兎もえず」状態になってしまう。 撮影日までは残

空気

ある人が、言った「空気」。 ある人は絵を描く人だ。 カメラと被写体の間にある「空気」がいらないと。 自分が絵を描くときに目の前には「空気」はないと言った。 初めは何のことだかわからなかった。 物質的な意味合いで酸素のない状態のことなのか、そこには匂いを感じるものなのか。 想像するけどその空気というものが何を示していて、どのような結果をもたらしているのかわからなかった。 絵画やイラストを記録のための写真を撮影する場合、その空気は必要のないものになる。 「スミとシアンを1

毎日人物を撮影することでわかることがありそうだ。なのですきあらば、カメラを持ち出す。

いい男というものはシャープにピントを合わせても、 少々ピント浅めにしてぼかしを入れても カラーでも、白黒でもいい男なんだと認識させられる。 カラーをした女の子、 パーマをかけた男のこ すきあらば、みんなを撮影させてもらう。 それはこちら側が「ちょっと撮らせてよー」といって撮る方が自然な行為になるような気がするが、 「撮って欲しい」と言われて撮るとちょっと不自然な空気感でしかシャッターが押せないような気がしている。この感覚がどんなものなのな、素人の自分には説明づけ

人の気配、残像、景色に色を足す〜③

カラーリストになるということ、 なったことで変わったこと、 そして最近感じることを書いてみました。2600文字くらいあるので、3回に分けます。 ✴︎✴︎✴︎  コロナ禍で、これまでの日常は変化した。  誰もいない街、誰もいない駅のホーム、だれもいない公園はどこか色褪せ、グレーな世界に潜り込んでしまったように感じた。  それは写真のモノクロの世界ではなく、ほんのり色味を感じるほどの色褪せた世界だ。そんな中全ての人が国内に留まり、日本を出ることができていない。まだ1年とわ

人の気配、残像、景色に色を足す〜②

カラーリストになるということ、 なったことで変わったこと、 そして最近感じることを書いてみました。2600文字くらいあるので、3回に分けます。 ですので、よろしければ①からお願いします。 ✴︎✴︎✴︎  東京に出てきて美容室に勤め、絵画を見に行くようになった。それは色への欲求が幼少期の反動のように出てきたものだと自分では正当化しているが、それはただの詭弁である。  反動なんてたいそうなものではなく、ただ単純に興味関心が出ただけだ。色に突き動かされてしまっていた。人間、

人の気配、残像、景色に色を足す〜①

カラーリストになるということ、 なったことで変わったこと、 そして最近感じることを書いてみました。 全部で2600文字くらいあって長く感じてしまいそうなので3回に分けます。 ✴︎✴︎✴︎  全てがグレーだったあの頃、赤色を選ぶという選択肢すら持ち合わせていなかった。    色を感じたという記憶をたどるとそんなに思い出せない。記憶の中にカラフルが存在しなければ、配色という言葉もない。なぜならば幼少期から十代の頃、色を意識して生活はしていなかったし、色に触れるのは小・中学校

ファインダー越しに見る空気感。

LEICA M10出動。 背景とモデルさんの距離感によって、背景のボケ具合が変わる。 ファインダーを覗き、「もう一歩前へ」、 シャッターをきり、「もう一歩前へ」、 ガラスから3歩程動いてもらった瞬間にシャッターをきる。 たまにピントが合っていない写真が いいムードをつくってくれるような瞬間もあったりして、 まあ好みなのだろうけど。 縦位置でピントを合わせることの難しいこと、 一度横に合わせて、縦に持ち替えるみたいな作業が必要だと気づかされたりして。 たまたまいい

カラーリストとして期待値を超える事。

美容師なので時には美容師らしい記事も書きます。見ていただく方の参考になればと思います。 ここ一年くらいカラーもパーマもされていなかったお客様、 今日は明るいオレンジにしつつ、パーマをかけたい。 しかもしっかりとしたパーマを。 髪の毛の状態は健康。ハリコシのある髪質だし、これはいけるかも。けしてのりで「いけるかも」と算段をしているわけではなく、いろんな状況を踏まえつつ「できる」と判断する。 「いけるかも」の「かも」にはやはり不安、心配というものがつきまとうからだ。明る

「魂を込める」-リライトからの固定記事としての自己紹介です。

自分は美容師という仕事に誇りを持っている。 美容師でない方にとって、美容室は数ヶ月に1度行く場所でありライフスタイルのほんの数%の要素でしかない。(毎日鏡を見て髪の毛を触るという事で言うと、その要素としてはもう数%は増量できそうだけど。) 自分にとっては「仕事」ということでも、「好きな事」という事としてもライフスタイルのほぼ大半を占めている。好きな服をきて音楽を聞きながらお客様と楽しく会話して髪の毛をきれいにして喜んでもらえる。お客様が落としてくれるお金の一部が自分の生活

春は春らしく、柔らかくフンワリといかがでしょうか。

春はなんだかパーマをかけたくなります。 そんなパーマかけたいなと思っている方へ。 これまでにパーマをかけたことの無い方に読んでもらえるといいなと思います。美容師さんが読んでも、そんなのわかってるよ〜という記事です。 それはもっともっとヘアスタイルにはバリエーションがあって楽しみ方も無数にあるんだぞ! ということを知ってもらえたらなと思ったからです。 パーマをかけるメリットから話すと、 朝のスタイリングの時間が楽しくなります。 ボリュームが出ます。 雰囲気変わった

疑いを持って、ケチをつけるつもりでテイスティングすることにより、あらたな発見をもたらす。

試すものがあれば、比較してみる。 感想を先に持つこと、予想を立てることで、疑問や発見が塗布している時に浮かんでくる。要は剤に疑いをかけることで、ものの本質を見るような感覚である。 時に、どっちがどっちだったかわからなくならないようにカップの色をわけ、わかるように努める。 洒落た本を読むこの金髪ガールは見ての通り地毛がかなり黒い。 黒すぎるがためにパワーが求められ、ブリーチ力は試される。 シャンプー後の写真が下の写真になる。 右が従来使用しているもの。 左が試作品

ヘアカラーを決める時の大切なこと。視覚と言葉。

note記事をみていただいている美容師のお客様Kさんが来店。 以前、接客中にKさんと話していたことを記事に書いていて、それを読んだというリアクションを今日されたのでなんだか小っ恥ずかしい気持ちになった。 でもいじって頂けるだけでもnoteやってて良かったと思える。 そして今日帰りがけに、また読みますからね、と言われれば今日のことも書かずにはいられまい。 ✴︎✴︎✴︎ Kさん「川口さんはお客様にカラーチャート、見せますか?」 この質問は、なんだか懐かしい感じがした。