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【冒険教育】名古屋から伊勢まで138㎞を歩いて旅する6日間の挑戦②~大切にしている3つのこと~

こんにちは!EDUCAMPの曽雌です。

今回は、138㎞トライウォークの紹介、第2弾です。

3月28日~4月2日までの6日間。
5泊6日で小中学生の子どもたち15名が、熱田神宮(名古屋)から、伊勢神宮(伊勢)まで、距離138㎞の道のりを歩いて挑戦します。

今回は、

挑戦するうえで大切にしていること

について書いていきます。

大切にしていることは大きく3つです。

①自分たちで挑戦を決めること
②チームのあり方を考えること
③挑戦の意味を見失わないこと

一つずつ説明していきますね。

①自分たちで挑戦を決めること

これはプログラムの全てにおいて大切にしていることです。

そもそも挑戦やチャレンジは人にさせられるものでなく、自分自身で決めるものだという考え方を根底においてプログラムを作っています。

これはプロジェクトアドベンチャーという冒険教育のメソッドの中にある、

Challenge by Choice チャレンバイチョイス
 チャレンジのレベルと方法は自分自身で決めるもの

という考え方をもとにしています。

僕自身この考え方を学び、大きく影響を受けた部分でもあります。

以下、プロジェクトアドベンチャー(略称PA)のHPより引用です。

【フル バリュー コントラクト】Full Value Contract(FVC)
PAプログラムでは、プログラムを始める前に簡単な約束をしてもらいます。
これをフルバリューコントラクトといいます。
これは、お互いの努力を最大限に評価するという約束です。
つまり、「自分を含めたメンバーをけなしたり、軽んじたりしない」、
具体的には「お互いの心の安全と身体の安全を守る」、「自分に正直である」、「ネガティブなことにこだわらない」
などがあげられます。

プロジェクトアドベンチャージャパンHPより引用

【チャレンジ バイ チョイス】Challenge By Choice(CBC)

PAプログラムには強制はありません。
挑戦への選択の自由が常に保証されています。
個人の挑戦レベルとその方法は、自分自身が決定します。
また、自分が挑戦を選択しなかった場合でも、グループから外されるのではなく、グループの仲間にどのような方法で協力できるのかを考えることも選択のひとつになります。

プロジェクトアドベンチャージャパンHPより引用

【体験学習サイクル】Experiential Learning Cycle
体験学習のサイクルは、David Kolbが提唱した理論を土台にしています。
①実際の体験
②ふりかえりを含む観察
③(抽象的な)概念化
④積極的な実験(適用)
という、プロセスをPAプログラムの学びの基本としています。
今の体験で、
「何が起こったのか?、何を感じたのか?」
「そこから何を学べるのか?」
「この体験を次にどう生かせるか?」
といったことについて、みんなで話し合う過程を通して、それぞれが体験の重要性に気づくだけでなく、実社会と関連付けることにより、体験から得られる学びはより深くなります。

プロジェクトアドベンチャージャパンHPより引用

挑戦は誰かに強要されるものでなく、一人一人の心の中に存在する。その根底があって初めて、主体的な行動が生まれるようになるという考え方。

そのため挑戦を決めるところから、自分で決めることを大切にプログラムを作っています。

エントリーと面接もその一つ。

誰かに挑戦を強制されたのでなく、最後の最後には、自分自身で挑戦を決めたというステップを作ることを大切にしています。



②チームの在り方を考えること


僕自身、幼少期から長らくサッカーをして育ちました。高校時代にはインターハイにも出場し、結構ガッツリと打ち込んでいたんです。

その中で、チームの在り方についてよく考えるようになりました。同時に、EDUCAMPという会社を創ったことも、チームの在り方を考える大きなきっかけになりました。

チームの意味って何だろう?

集団と聞くと、まず思い浮かぶのが学校です。みんなと同じようにすること、みんなと歩幅を合わせることが求められます。

でもそれってあくまで集団であって、チームではないですよね。

全員が同じことを同じようにしなければならないのが本当にチームなのか?

それならばチームを創ることの意味があまり感じられないです。

チームを創る以上、一人でするよりもメリットがないと意味がないと思いませんか?

一人でできることを、ただ多くの人数でやっても、そこに意味を見出すことは難しいと思います。

つまり、チームとは一人でするより、大きな価値を生み出すためにあると思うんです。

それをもとにこの言葉を考えると、僕はすごくしっくりするんですね。

「早く行きたいなら一人で、遠くへ行きたいならみんなで行け」
(If You Want To Go Fast, Go Alone. If You Want To Go Far, Go Together)

アフリカのことわざ

チームで動くからこそ、一人で行くよりも遠くまで行ける。

目の前の場所に早くいくだけならば、一人で行ったほうが早くつく。
でも、遠くまで行こうと思うと、一人では困難なことがたくさん生まれていきます。

もしも足を痛めたら。
もしも食料がなくなったら。
一人で運べる荷物にも限りがありますからね。

でも、チームで動けば、その困難を力を合わせてのりこえることができる。

一人一人の強み出し合って、それぞれの弱みを補っていくことができる。

それだけでなく、一人で行くと心が折れそうな場面でも、チームで行くから楽しくなる。気持ちの面でも大きな影響を与えてくれます。

これこそチームの本当の意味でのあり方なんだと思っています。

チームとは自分の行動や挑戦を妨げられるものではなく、チームがいることで自分の行動や挑戦がしやすくなっていく。

138㎞の旅を通じて、子どもたちにはこの部分を学んでほしいなと思っています。


③挑戦する意味を見失なわないこと


これは子どもたちというよりも、指導者やスタッフにとって大切なことです。

子どもたちは138㎞の道のりを歩ききることを目標に挑戦をしていきます。

この目標は誰しもが共通して持っているもので、ぶれることはありません。
指導者やスタッフにとっても同じです。

本番中は子どもたちにもここを達成できるように声をかけ、サポートをしていきます。

達成してほしいと本気で思っています。


それでも、指導者にとっては、何のためにこの挑戦をしているのか、という挑戦する意味、挑戦する目的を見失ってはいけないと思っています。

それは、子どもたちがこの挑戦を通して、何を身に着けるのかという視点でもあります。

それがないと、何とか138㎞を達成させようとどんどん口を出し、手を出し、いつしか子どもたちの挑戦を奪ってしまうことにつながりかねません。

あくまで挑戦をするのは子どもたち自身。

だからこそ、この挑戦をどう学びに変えていくのか、どう次につなげていけるのかという考えることが大切だと思っています。

そのための事後コーチングです。

もしも138㎞の挑戦が失敗に終わっても、子どもたちがなりたい自分に近づけるようにその体験を生かすことができれば、このプロジェクトは成功です。

たとえ138㎞の挑戦に成功したとしても、ただの体験で終わってしまい、ただの自慢話に終わってしまえば、このプロジェクトは失敗です。

そんな覚悟を持って取り組んでいます。

だからこそ、挑戦する意味を見失わないことが、指導者にとって大切なことだと僕は思います。

子どもたちのチャレンジを奪わない。
そのバランスが難しいんですけどね。


いかがだったでしょうか?
何か参考になったことがあれば幸いです。

今日はここまで!

曽雌


株式会社EDUCAMP
https://noasobikids.com/

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