第十五章 何かの間違い!②
週末。
待ちに待った、週末だ。
今週こそは、三人揃って買い出しへ行こう♪
と思い、早起きしたはいいものの……。
「何よ、これ……」
朝起きてリビングへ行くと、そこには数本の缶ビールの山と、飲んだままぶっ倒れている珀ちゃんとよっしいの姿があった。
「はあ……まあた二人してこっそりと飲んで……」
それでも、昼過ぎまで二人を待ってから、叩き起こした。
「ちょっとー!起きなさい!二人共ー!この酔っ払い!」
二人で、グダグダと……。
「千尋、おはよ……オレ、寝ちゃってた?」
「ぐっすりとね。一体何時まで飲んでたのよ。よっしいまで、信じらんない!」
「うーん……ごめん……」
最近のよっしいは、口を開けばごめんばかりだ。
「今週こそは、三人で買い出し行くよ!ほら、起きてったら!」
「千尋、ごめん。オレ、ちょっと出かけなくちゃならないんだわ」
「へ、珀ちゃん、どこへ行くのよ」
「バイト先。ちょっと店長に呼び出されてて」
「えー?そうなの?何だあ、せっかく三人で……」
「明日でもいいだろ、買い出しは。シャワー、浴びてくるよ」
「よっしい……」
「うん、買い出しは明日行こう。今日は、残り物でランチ作るから。千尋、何食べたい?」
「オムライス♪」
「分かった」
よっしいが、台所へと立った。
珀ちゃんはすぐに出かける支度をして、そのまま出かけていってしまった。
店長に呼び出し、ねえ……。
バイト先でも、相当態度でも悪いのかしら。
「よっしい、まだ?!」
「もうすぐできるから、テーブルの上片付けて」
「んもう……片付けもできないなら、こんなにビールなんて飲まない事ね。むしろ、あたしも起こしてくれたら良かったのにさ。二人して楽しい夜を迎えちゃって」
「いや、全然楽しくなかったけど……」
「え?」
「ううん、何でもない」
「そう?」
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