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岬との事を過去にするには、まだまだ時間がかかるみたいだ。 だって、まだ一年前の事なのだか…
「もう、出逢う事もないだろうけど……幸せそうで良かった。これで最後、かな……」 「せやな…
それから……。 一哉と岬は、一緒に仕事をする事がどんどん増えていった。 あたしは、そんな…
岬と過ごした日々。 岬と一緒に観た映画。 岬と行ったドライブ。 岬と一緒に行った遊園地。…
「岬さん、グランプリおめでとうございまあす♪」 安奈がクネクネと腰をいやらしく振りながら…
壇上で、トロフィーを一哉が岬に手渡す。 とてもではないけれども、受け入れがたい現実だ。 …
吐き気がして、止まらなかった。 トイレの個室で、思わず吐いてしまう。 吐こうとすると、涙が出る。 涙があふれてくる。 一哉が、変に思うかもしれない。 必死で、アイライナーやファンデーションが落ちないように気をつけながら涙を拭く。 冷静に、冷静に。 そして、会場へと戻った。 「梨紗、どした?大丈夫?」 「うん、大丈夫……トイレ、さっきから我慢してて」 一哉はあたしの顔を覗き込むようにしてみせたが、特に何を言うでもなかった。 岬……。 どうか、あたしを見つ
まずは、歴代グランプリの挨拶だ。 「歌舞伎町、スーパーライト部長、藤堂一哉さん」 紹介さ…
誰が出場するのかは、知らされてはいなかった。 拓巳が出場する事を知っているだけだ。 あた…
全日本ホストグランプリ大会当日。 とうとうやってきた、この日。 一哉が開け放したカーテン…
毎年恒例の、全日本ホストグランプリの季節がやってきた。 全日本ホストグランプリとは……。…
「安奈も丸くなったみたいだね、少し安心した」 「あたし達、最高のライバルだと思う。それだ…
それから、三ヶ月の時が流れて……。 あたしの頬の傷は、綺麗に消えたのだった! これで、ブ…
「……で、あのさ……こないだの事だけど」 こないだの事。 勿論、『キス』した事だよね。 拓巳には、言えない。 一哉にヤキモチ妬かせる為に、ただキスをしただけだなんて。 「一哉さんと喧嘩でもしたん?」 「したけど、もう仲直りした」 「ええ?!」 がっくりとする拓巳。 あたし、かなり拓巳の気持ちを弄んでるよね……。 「ごめん、拓巳」 「でも、梨紗、言ってくれたよね。好きになってもいいって」 「そうだけど……」 「オレが一哉さんに勝てる方法、考える。てか、