第十一章 復活⑤
それから、三ヶ月の時が流れて……。
あたしの頬の傷は、綺麗に消えたのだった!
これで、ブリリアントに復活できる!
あたしの時給をアップして、待っていてくれたブリリアントの店長やマネージャー達、よっちゃん。
本当に嬉しい、ありがとう。
今日は、あたしの復活祭だ♪
たくさんの人が、お祝いに駆けつけてきてくれた。
本当に感謝の気持ちが止まらないよ。
皆、ありがとう……。
そして、一哉も来てくれた。
そして、拓巳まで来てしまって……。
それでも、何とか無事に営業は大成功のまま終える事ができたのだった。
心機一転頑張りますから、あたし!
なんて思っていたんだけれども、早速潰れてしまった。
どんなに飲んでも潰れない自信はあったあたしだったが、飲酒自体久しぶりなのだ。
今日はまあ、仕方がない。
皆に飲まされて……。
そして、日向梨紗が復活したという事実は、瞬く間に歌舞伎町で広まってゆくのだった。
次の日。
なんと、安奈がやってきた。
「梨紗、復活おめでとう」
「あ、ありがとう」
とりあえず、安奈の隣の席に座る。
「傷、消えて良かったわ」
「三ヶ月以上ブランクがあるから、またイチから頑張らなくちゃならないけどね」
「上手くいってるの?一哉と」
そうか……。
安奈と逢うのは、あれ以来なのだ。
あたしと一哉の家に、安奈が押しかけて以来。
結局、AVまで出演していたのにあたしにはその話をせずに、借金があると同情までさせておいて、一哉を奪い返そうとした……。
探偵まで雇った事で、あれからずっと、安奈はスーパーライトには出禁なのだろうか。
「安奈は、逢ってるの?」
「知りたい?」
安奈は、意味ありげにあたしを見つめてきた。
一哉に聞けばすぐに分かる事ではあったが。
「嘘よ。もう、喧嘩吹っかけるのはやめた。面倒くさい。逢ってないわよ、出禁にもされたし。ここまで嫌われると、逆に悲劇よね。笑っちゃうしかないみたいな笑」
そう言って、安奈は本当におかしそうに綺麗な笑顔を見せた。
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