駆け落ちするほどの恋って若いときだけのものじゃないかな
夜の果てまで / 盛田隆二 を読んで。
学生の頃は片思いしかしていなかったし、恋という恋はしたことがないのだけど、若い頃の恋というのは衝動的になりやすいし、はまり込みやすいし、依存的になりやすいんじゃないかなあ、なんて数少ない自分の経験を思い出しながら読んだ。
若いときは性欲も強いし、体を許す関係って普段自分が隠している部分をさらけ出すことになるし、隠していた自分を受け入れてもらったら自分の全部が認められたような気になって、
自分を受け入れてくれた人が裏切るようなことはない、なんて変に信頼するようになって、その信頼から相手から離れられなくなりだんだん依存していく、
みたいな感じなんじゃないかな、と分析してみる。
自分が好きになった人が自分を受け入れてくれたら、その人とはどこまでも一緒に居たいって思うようになるし、その人のためならどんなことでもする、っていう変な正義感みたいなものが芽生えちゃって。
だから主人公の大学生は就活も卒論もうまく行っていたのに、結婚している女性と体の関係になったこと、その女性の境遇に同情してしまったことで駆け落ちし、これからの人生設計を壊してまで好きになった女性と一緒にいることを選んでしまったんだろうなあ、と思うのだ。
まだ引き返せる、やり直せるという冷静な判断を頭の片隅ではわかっているものの、彼女と一緒にいヤれるほうが満たされる快楽には勝てなかったんだろう。
もし僕が主人公と同じような 20代前半とかだったら共感できるんだろうか? と考えたときに、駆け落ちするかは想像がつかないけれど、彼と離れてしまうくらいなら、自分の夢を少し妥協することはやるかもしれない。
まだ若いというのもあるし、やり直しの効く年代だからというのもあるかもしれないけど。
20代後半とか、30代に入ってくると自分の人生ができている人もいるだろうから、駆け落ちして生き辛くなるか今の生活を維持するかを天秤にかけたとき、冷静に判断できるようになるだろう。
それにたくさんの人と恋愛したり体の関係を持ったりすれば、「この人が絶対!」感もいい意味で薄れてくるから、駆け落ちするほどのめり込まなくなるんじゃないか、と邪推してみる。
まあ恋愛体質とか寂しがり屋の人は駆け落ちしちゃうかもしれないけど。
分からんでもないけど、もう共感する歳じゃないかなあなんて思いました。
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