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人間の平等は我々が作った神話なのか

サピエンス全史がまあ~面白くて読み進めているわけですが、今回は第6章「神話による社会の拡大」について自分なりの考えを書いていきます。

ホモ・サピエンス(我々)は持ち前の頭脳で、繁栄していったって言うのは前回の話ですが


狩猟生活から農耕による定住生活へと移っていった人類はやがて国を作っていきます。

この「国」というエコシステムを支えたのが「神話」の存在というのが今回のテーマです。

想像の話をするのは知能を持った人間の特権で、この神話を作ることで大勢の人をコントロールできると。たしかに。


本書では、この代表例としてアメリカの独立宣言を引用しているのですが、

我々は以下の事実を自明のものと見なす。すなわち、万人は平等に造られており、奪うことのできない特定の権利を造物主によって与えられており、その権利には、生命、自由、幸福の追求が含まれる。

どれも証明できる事実ではないんです。語弊を避けて言うと、生物学的には人間それぞれ差異があるので平等ではないですし、自由といった権利も生物学的には保証されているものではないんです。なので、ある意味人間が作った架空の神話を我々は信じて従っているわけです。

生まれてずっと正義・平和とはこう言うもの教えられてきたので、こんな考え方があるのかと衝撃を受けました。

現行の法律や秩序は、より安定した社会を目指すために造られた「神話」なんだと、、

*別に過激な思想をしたいわけではないので、ご理解ください🙇‍♂️

なるほどと思ったのですが、そもそも"より安定した社会" = "平等"となったのも不思議なんですよね。今では当たり前に感じられますが、例えば昔の国家では奴隷の存在が当たり前でしたし、彼らは身分差があることが安定した社会を築き上げていると主張するでしょう。


人類平等が正とされるまで、どのような経過があったのかを辿ることは避けますが、人類の移動範囲が広がり他国の政治や宗教を知るきっかけが増えたのが大きいのではないかと考えています。

それこそ1,600年から1,800年にかけてイギリス、アメリカ、フランスといった国で革命が起きましたが、これは偶然でもなく他の国の状況に鼓舞されて身分の低い人たちが闘った結果です。


一方で、いまだに身分の差や差別が存在する国々もあります。それらは厳格な宗教を信仰する結果そうなっていたり、覆しようのない強権がふるわれてい太刀打ちできなかったりしていますが、それらの国にとっては、それが安定した社会であり彼らが信頼している「神話」なわけです。

昨今は西欧諸国をはじめとした国々がこれらの国家を非難しているわけですが、それは世界で影響力のある国の大半が、人間平等の神話を信じているからに過ぎないと感じさせられました。


*もちろん、僕は人間平等であるべきだと考えています。ただ見る角度によっては正義なんていかようにでも定義が変わるんだなと思わされた事例でした。




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