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読みや解きに時間がかかるという方へ +α

対象読者

よく現代文の悩みとして、読むのが遅かったり、解くのが遅かったりして時間内に終わらないというのがあります。今回はそのような悩みを抱えている方に向けて書いていきたいと思います。読みに関しては小説で困る人はあまりいないと思いますので、評論を中心に話していきたいと思います。

今回はよくアドバイスとして言われる文章の強弱を把握して、大事なところはゆっくり読み相対的に大事でないところはスピードを上げて読むという方法は、あえて挙げないでおきます。これが出来たら苦労しないとなると思いますので。どうしても気になる方がいらっしゃれば中野先生の読解の基礎講義に取り組んでもらうといいと思います。

文章編 

読みを早くするための大事な事は、語彙力をつけたり、背景知識を学んだり、文章展開のパターンを無意識化できるレベルまでみにつけておく事です。これらの力を身につけることで、文章を理解しやすくなり、躓く場所が減ったりしてスムーズに読めるようになります。

語彙力の重要性

まず早く読めないという方の多くは読書経験があまりなかったり、語彙の勉強に力を入れていない方ではないでしょうか?そういった方の多くが文章以前に文自体に含まれる一つ一つの語句でつまっている(読み、意味で)のではないですか。読む事自体につまづいていては内容把握以前の問題です。これは英語で考えてもらうとイメージしやすいと思うのですが、文章を読んでいて意味のわからない単語ばかりだと内容も把握しずらく早く読む事なんてできませんよね。現代文も同じです。早く読めるようになるためには語彙力の充実は不可欠です。読む上で大事な語彙力は解く時も大事で、言い換えに気付く力や記述を上手くまとめる力などの向上にもつながります。一石二鳥どころではないので、是非語彙力を鍛えてください。参考書は意味が載っていれば何でも大丈夫です。一応自分が使っていたものを挙げておきます。(個人的には旺文社系かビブリアがオススメです)

よくある文章の展開をストックしておく

これは意外と軽視している方が多いと思いますが、早く読めている方は自然とできている事だと思います。具体例を挙げると譲歩構文、一般論↔︎筆者の主張、疑問文→答え、論→例→論などです。これらのようなよくある文章の展開を頭に入れておく事で、展開を予測しながら読む事ができます。それにより理解しやすくなるのでよりスムーズに読解していくことができます。ここで注意しておいてほしいのが、他の記事でも話したように、この文章展開のストックは内容把握に支障が出ないレベルまでほぼ無意識にできるように訓練しなければなりません。本番で「確かに」があるから今から一般論(敵役)の話がきて、逆接の後に筆者の主張がくるんだなというふうに考えていたらゲームオーバーです。本番までに出来るだけ内容把握に脳のリソースを割けるようにしっかりと無意識化できるように訓練しておいてください。

背景知識の重要性

正直、共通テストまでなら必須ではないので、共通テストでしか現代文を使わないという方は、読み飛ばしてもらって構いません。本題に入ります。この背景知識は文章内容を理解しやすくしてくれるものです。理解しやすくなるということはそれだけ読み返す回数やとどまる部分がへるので読む速度があがります。わかりやすいところでいうと、サッカーのルール本をサッカーに興味がない人に読んでもらうと知らない用語のオンパレードだったり、なかなか状況をイメージできなかったりして、理解しずらく読むのにかなり時間がかかると思います。しかしサッカーをしている人や詳しい人が読むと即座に理解できますよね。これは現代文でも同様で文章で既知の情報が多いほど読む速度が速くなるので、背景知識を勉強する必要があります。この注意点として読解を補助するあくまで一つのツールにすぎないので、問題を背景知識だけをつかって解くということはしないでください。

内容を完璧に理解しようとしすぎない

誤解をしないでほしいのですが、理解をしようとする姿勢自体は大事ですし、ある程度の理解は必要です。しかし、学校の授業の弊害か完璧に理解しないといけないと思っている方が多すぎる気がします(ここでの完璧な理解とは予備校講師のレベルをさします)。学校の授業では先生が一つの文章について何時間もかけて説明してくださるので、当然ほぼ完璧に文章を理解できると思います。しかし、それに慣れすぎてしまったせいか同じ感覚で入試問題に取り組んでしまい、問題を解くときに、学校で扱っている文章のレベルまで理解しようとしてしまいます。その結果として読むスピードが落ちている方が多いように思われます。よくあるパターンとして、第一段落の抽象的でわかりにくい部分を、あとから説明されるから説明された後に理解できていればいいのに、第一段落だけで理解しようとしてそこだけを何度も読み返して時間を費やしてしまうという場合です。
問題を解いていく中で、内容がわかってくる部分もありますので、完璧に理解しようとするのは本当にオススメしません。繰り返し述べますが、理解しようという姿勢自体は大事です。

おまけ
本文の内容を覚えられないという方へ

先程話した完璧ではなくとも、ある程度の理解が必要と話したのはここに関係してきます。暗記で考えてもらうとわかりやすいと思うのですが、全然理解していない物を丸暗記しようとするのはかなり難しいです。現代文も同様で理解していない内容はなかなか頭の中には入れずらいものです。したがって、内容を理解しやすくする方法や文章を読む中で迷子にならないようにする方法、覚えておくべき要点を把握する方法を学んでおく必要があります。一番よく言われるものでいうと、わかりにくい抽象部分を具体例を通して理解したり、具体例を読む時は要点から離れないように抽象部分と対応させながら読んだりするなどです。これらの事を学ぶ事で、ある程度のスピードで文章を読みながら内容を頭にいれていけるようになると思います。
そもそも一定のスピード以上で読み切らないと、最後の方を読む頃には最初の方の情報を残すことはかなり厳しくなってしまいます。今回紹介した方法を実践していく中で、少しずつこの問題点(内容を覚えられない)は改善されていくと思います。
今挙げた3つの事を学べるオススメの参考書をあげておきます。

設問編


何が回答のポイントか明確にしておく

この記事を読んでくださった方の中には、読むのは早いけど解くのに時間がかかってしまうという方もいるのてばないでしょうか?その方々は消去法でやったり、なんとなく選択肢を選んでいる方が多い気がします。この2つのやり方はどうしても時間がかかってしまいます。まず消去法だと全ての選択肢を丁寧に見ていかなければいけないので、必然的に時間がかかってしまいます。しかもそれだけではなく選択肢がそもそも切れない事もあるので、消去法はなおさらオススメしません(絞り切った後の消去法は大丈夫です)。2つ目のやり方として、なんとなく選択肢を選んでいませんか?とききましたがこの方法も時間がかかります。大前提として探すものが明確になっていなければ見つかるものも見つかりません。ということはそれだけ見つけるのに時間を要しますよね。例えば赤い物はどれですか?と聞かれ、赤いりんご、赤いペン、赤い本、赤いファイルが選択肢にあったとします。この時ただ赤い物を探しているだけだと回答は絞れませんよね。ここで探す物を明確にしないといけないという事がおきます。もしこの傍線部を含む一文中に果樹園にあるとあったら答えはりんごになりますし、A君がもっていたとあればペンになりますし、B君がもっていたとあったら本になります(ここでは本文にA君がペンをもっており、B君が本をもっているという記載があったとする)。探す物を明確にすることで答えに辿りつけましたよね。また、先程あげた消去法の弊害である選択肢が切れないという状態のように、もし本文に全て選択肢の記載があるとすると、間違いはないので×を打つ事ができません。全部丁寧にみていかないといけないのに選択肢が切れないとなっては最悪ですよね。したがって、解く時は消去法ではなく積極法で解き、探す物(ポイント)を明確化しておかなければなりません。この時大事なのは傍線部の分析とその設問で狙わらていることの把握なので、それを学べる参考書をしてもらうといいと思います。おすすめは設問の解き方について上手くまとまっているプラチナルールです。船口の最強の現代文は傍線部について丁寧に扱われていてオススメです。

それでも厳しい方はある程度誤答選択肢のパターンを頭に入れておく

先程、積極法で解いてくださいと話したのですが、問題によっては回答のポイントが拾いづらかったり、選択肢が切りずらかったりしてなかなか解ききれない場面が出てくると思います。そこで役立つのが別の角度のアプローチ法で誤答選択肢のパターンを頭に入れておくことです。具体例を挙げると、対比関係の混同、因果関係の逆転、本文と矛盾しているなどです。これらを頭に入れておくことで解答のポイントがわかったり、間違っている箇所がみつけやすくなるので正解に辿り着きやすくなります。自分の場合、評論で選択肢が切れないという事はなかったのですが、小説では多発していたのでかなり細かく自分なりにパターン化して補助的に使っていました。
おまけとしてもう一つ上げておきます。積極法のアプローチが厳しい時、選択肢に共通構造があればそれも回答の手がかりになります。例えばSが同じや対比の構造が共通しているなどです。これらをヒントに前者ではSの部分の説明を探しにいこうや、後者であれば本文の対比されている箇所を参照しようというふうに回答の手掛かりになることが多いです。
このようにてずまりになった時は選択肢に目をむけると、突破口になり解くスピードを上げることができます。
評論の誤答選択肢のパターンについては、これら4つの参考書で学ぶことができます。参考程度にパラパラみてもいいかもしれません。
誤答選択肢のパターン分けはフレームで読み解くが一番詳しいです


ゼロから始める現代文

フレームで読み解く現代文

一冊読むだけで現代文の読み方、解き方が身につく本

受験生の参考になれば幸いです。


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