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【詞】新世界

頭上高くに停まる鳥は落ちるように街を下り
膨らむ風に羽根をあずけ 
鳴き声を一つ残して去った
魚のように流れる雲に、雨の予報は大外れ
見え隠れする日射しは熱く、
アスファルトをただ照らす

ぬるく漂う空気を取り込み、それぞれが街に踊る
空に昇るどこかの煙と、子供たちは帰り道
遠くの遠く望みを託して、
僕も出ていくよさよならと
あの鳥の後に付くように、
今出ていくよさよならと

枯れていく季節の花に浮かび上がる思い出や
昔のことはまるで川のように流れて消えていった
雲は旅人 そこで誰の手も引くように
連れてってくれる新世界へ


遠くに望みを託して今
鞄一つで世界を乗りこなす
時には変わる道 新世界の旅人か
ぬるく漂う空気と人と人との隙間をすり抜けて
あの鳥の上を走る雲 その後を続く旅人か

頭上高くに停まる鳥はまた落ちるように街を下り
膨らむ風の一粒までも含めて、
海の方へと羽ばたく
遠くの遠く望みを託した
一握りの新世界

目を瞑って
溢れ溢れる無意味の束を集め光にする


昨日に続き、新作です。
3年ほど前のノートに書いていた頃の詞を修正したものになります。
当時、出来上がった詞を見て、短い小説っぽいと思った結構自信作です^ ^

見出し画像は、アルバムにあった芝生の写真を白黒にして逆さにしたものです。
逆さにすると夕空みたいに見えて不思議です。

今日はうるう日ですね、4年に1度のこの日を記念して、noteに投稿しました。


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