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不動産投資家(友人)が買っているマイホーム2 -都内高級住宅地の中古分譲マンション

「ポートフォリオワーカーになったボクから20代、30代のボクへ」第6回
-お金の使い方5-

シリーズものです。ホントの最初から読む場合は、こちらから。
”不動産投資家(友人)が買っているマイホーム”の最初から読む場合は、こちらから。今回は、D.都内高級住宅地の中古分譲マンションを購入する狙いを書きたいと思います。

A. 普通の新築分譲マンション(E)
B. 普通の一軒家(E)
C. 山手線内駅徒歩5分の新築分譲マンション(R)
D. 都内高級住宅地の中古分譲マンション(R)
E. 賃貸併用住宅(C)
F. 都内高級住宅地の土地から一戸建て(R)
G. ボロ戸建て再生(R/C)
H. ボロ中古分譲マンション再生(R/C)
*(E):Elder, (R):Re-sell Value, (C):Chintai

D. 都内高級住宅地の中古分譲マンション(R)

このやり方を実践しているのは、30代後半のHさん。外資系金融に勤務する兼業大家さんです。非常にアグレッシブルで、何事にも果敢にチャレンジされます。彼のスゴイところは、無謀なまでの行動力で、普通の人が引いてしまうボロ物件でも、儲かると思えば躊躇なく買い進めること。当然、痛い目には遭うのですが、最後には帳尻を合わせ、いやそれ以上にゲインを出しています。いい意味で、普通の人が感じるリスクを感じない鈍感さが、行動力と相まって、拡大速度がハンパないです。

そんな彼の自宅は、山手線ターミナル駅から2-3駅の渋谷区の中古分譲マンション。築はかなり古いと言っていたので、築30年超でしょうか。専有面積も50m2程度と狭く、奥さん、幼稚園のお子さんの3人では少々手狭とのこと。6-7年前、不動産投資を初めたばかりのときに、3500万円程度で、「これはお得!」と購入されたとのことでした。

それが、今年の3月、見事売却したとのことです。売却価格は、5500万円。6-7年間で、銀行借入元金を返済しながら、2000万円の売却益を手にしたのでした。狙い通り、Re-Sell Valueを実現できました! すごいですね!

もうひとりは、40代後半のIさん。独身時代に中古分譲マンションを新宿区に購入。十年弱住んで、確か5-6年前に値上がりした時に売却。2-3000万円の売却益を得たとのことでした。Iさんは、「F. 都内高級住宅地の土地から一戸建て(R)」でも登場します。どれだけ、不動産をうまく転がしているんだ!って感じです。

都内高級住宅地の中古分譲マンションの特徴

Hさんの中古分譲マンション所在地に近い地域(渋谷区桜丘町)の中古マンション価格推移(m2単価) Source:https://utinokati.com

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Iさんの中古分譲マンションに近い地域(新宿区九段下)の中古マンション価格推移(m2単価) Source:https://utinokati.com

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「この2つの地域の中古マンション価格相場の推移を見て、高級住宅地の相場価格の特徴をあげよ」という問いが出されたとしたら、特に不動産を勉強していなくてもすぐに特徴がわかりますね。そう、「中古マンション販売が底の時は普通の場所(高級住宅地でない場所)と価格差は少なく、活況のときには価格が跳ね上がる」のが特徴です。

特に桜丘町はわかりやすいですね。比較対象の”東京都”と比べてみると、2011年は例外としても、2012~2015年の価格はほぼ変わらないのに、2016年から徐々に価格差が広がっています。

Hさんの場合は、2011年とか2012年の中古分譲マンション価格が底の時に、それも相場より安い物件を見つけて購入。相場が下がり初めた段階で売却に成功したのでした(この表では2019年に下がり始めていますが、実際にはまだギリギリ高値圏で、なんとかそのタイミングで売却できたとのこと)。

ちなみに、東京都の郊外、小平市の相場価格 (Source:https://utinokati.com)を調べてみました。

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小平市の中古マンション価格は、10年間微動だにしていません。景気影響を全く受けていない感じです。他の東京の郊外ということで、八王子市の推移も見てみたのですが、小平市とほぼ同じ傾向でした。高級住宅地(上に挙げた2つの場所)の中古マンション価格が暴騰しているのは、場所による特性ということがわかります。

また、前回取り上げた”田園都市線・溝の口駅”の推移も調べてみました。

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2020年以外は、溝の口駅と田園都市線の推移がほぼ同じです。これら2つの推移は東京都とほぼ同じ価格推移をしている見えます。準ハイソ住宅地(こんな言葉あるか知りませんが)は、中古マンション市況と同じ動きをするようです。

以上、見てきた、3つの住宅地の中古分譲マンション価格は、場所、市況により異なった市場傾向があると推察できます。

中古分譲マンション価格の場所による市場連動性
山手線ターミナルから
20分以内の住宅地(例:準ハイソ地域):ほぼ市場推移と同じ
30分以上
の住宅地(例:東京都郊外):市場推移は関係なくずっと低空飛行
10分以内/内側
の住宅地(例:高級住宅地):活況の時は上昇

都内高級住宅地の中古分譲マンションのまとめ

見てきたように、都内高級住宅地の中古分譲マンションを購入する場合は、時期が重要です。残念ながら今は、徐々に価格が下がってきているとは言え、まだまだ高値域にあります。このパターンのマイホームを狙うのは、今は得策ではありません。紹介したHさんも、売却した場所から徒歩5分ぐらいの場所に賃貸物件を借りて住んでます。次の買い場を狙っているとのことでした。

都内高級住宅地の中古分譲マンション購入は、マイホーム購入であるため負債としての一面(キャッシュを浪費するだけのため)は当然ありますが、Re-sell Valueが狙えるのも魅力です。不動産投資の場合、安く買ってできるだけ高く売り抜けるが重要になります。そんな不動産投資と同じような側面も持ち合わせているといえそうです。

狭くてもいいから、都心のターミナル駅から近い、高級住宅地に住みたい、と思われている方は、この市場特性を知っておくべきです。Hさんのように、賃貸と持ち家の時期をコントロールすることで、自分のライフスタイルを実践しながら、お金を節約、うまくするとキャピタルゲインを得ることも可能なのです。

ちなみに、不動産投資はキャピタルゲインを得るのみの昔ながらの投資目標だけではなく、現在はインカムゲイン(家賃収入)をメインに組み立てることが常識化しています。

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