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3. マーケティングフレームワークを学んだら、何でもうまくいくんでしょうか?

残念ながら、そこまでうまくいきません(苦笑
マーケティングフレームワークを学んで、使いこなせるようになっても、必ずうまくいくというものではありません。

理由は単純で、実現しようと思うゴールには立ちはだかる壁があるからです。それは、敵であったり、自分や自社の資質/リソースだったりします。

前回書いた3Cで語るなら、Customerやそのニーズを把握、理解できたとしても、強力な敵(Competitor)がおり、自分(Company)の今の現状では到底かなわない状況や状態は往々にあります。

そんな時は、いくらマーケティングフレームワークを使って考えても、現状を変えることは難しいことでしょう。

「じゃ、学ぶ意味ないじゃん!」
と思われるのは尚早です。

起こりうる将来をシュミレートする

マーケティングフレームワークを理解していれば、「CompetitorのXXが優れており、CompanyのYYが劣っている、だから今は立ち行かない。しかし、CompetitorのZZはそこまで強くないから、AAというマーケットをBBというアプローチで攻めてみよう」などと思いつくかもしれません。

あるいは、「CompetitorのXXはYYと相まって強力すぎる。Companyのリソース(人材、モノ、金)をフルに動員しても敵わない。消耗するだけだ。諦めよう。。。」と理性的な撤退判断ができるかもしれません。

Competitorのどこが強力かを明確にせずにただ漠然と”強い”と感じていた場合、対処のしようがありません。戦っては負けを繰り返すことになります。負ける理由を明確にしてこそ、GO、NO GOの判断ができます。

上手く行っていない時、何かを始める時、マーケティングフレームワークを使って、現状を把握し、起こりうる将来をシュミレートし、出来うる対処を事前に検討しておくことは有効なはずです。それが、撤退であってもです。

このように、マーケティングフレームワークを学び、使えるようになることは、なぜ出来る可能性があるのか、なぜ出来ないのかを考え、言語化、その指針に則った行動ができることにつながります。

うまくいく確率を上げる

おそらくですが、将来起こりうる事態をシュミレートすることで、うまくいく確率を上げることができる出来るとボクは考えています。3Cだけでは、現状分析のフレームワークなのでダメですが、それに続くSWOT→STP→4Pを使うことによって、それが可能です。

*初心者の方向けに書こうと思っているのですが、どうしても専門用語を使ってしまいます。続きモノとして読んでいただければ、少しはご理解いただけると思います。ごめんなさい。

”確率を上げる”を別の表現でいうと、”行動の有効性(率)を上げる”ということです。

なにかを上手くやろうと思えば、行動を起こす必要があります。その行動のインパクトが、いわゆる成功に結びついてきます。

大きな成功を得ようと思えば、それに比例して大きな行動や多くの(複数回の)行動が必要になります。その行動の有効性、効果を上げるのが、結局のところ、結果として、”うまくいく”ことにつながります。

この確率論の話になると、いつも思い出す話があります。
ちょっと脱線しますが、お付き合いください。

年収2000万稼ぐ中卒のSさん

ボクの大家仲間に成功し、サラリーマン卒業をして専業大家をしているSさんがいます。彼は、いわゆる中卒です。やんちゃだったわけではなく、彼の言葉を借りると「なんか、高校いかなくなっちゃった」ために、中卒になってしまったようです。

詳しい年収等は知りませんが、不動産CF(キャッシュフロー=家賃-借入金返済-諸経費)は、2000-3000万円ぐらいは稼いでいるのではないでしょうか。

国税庁「民間給与実態統計調査」令和元年によると、年収2000万円稼いでいる人は、人口の1.3%です。中卒の人が年収(実際にはCF)が年収2000万円を稼げる確率は、一般的な統計よりもかなり低いはずです。

にも関わらず、彼は2000万稼いでいます。
これを説明するのが、確率論です。

例えば東大卒が最終的に年収2000万円になる確率は、ざっくり推測すると、10-15%*です。中卒の年収2000万はどうでしょう?

単純に年収2000万割合1.3%に中卒割合18.8%を掛けた場合、0.2%になります。東大卒の場合、人口1.3%に対して10-15%(データに基づくボクの推測)なので、正規分布上位に多くの人がいることが予想されます。中卒は、生涯賃金は学歴上は一番低く、正規分布上でも低い方に偏るはずです。すると、年収2000万を稼いでいる人は、単純に中卒割合18.8%を掛けた場合の0.2%より、かなり少なくなることになります。

具体的に東大卒のように”10-15%”と導き出すためのデータが見つけられなかったのですが、0.2%以下、仮に0.1%とすると(根拠なし)、Sさんは、中卒10000人いる中で1人しか達成できない年収2000万円プレーヤーになれたことになります。

こんな計算をして、何をいいたいかと言うと、うまくいくか(例:年収2000万稼げるか)どうかは、確率論でしかないということです。

東大に入れば、10人に1~1.5人が年収2000万円稼げる可能性があるけど、中卒だったら10000人に1人。

当たり前ですが、東大に入れば、年収2000万を稼げることが約束された訳ではありません。本人の能力、努力や運が必要になってきます。

でも、2000万円を稼ごうと思った場合、東大に入るのは合理的な判断になります。

Sさんが2000万円稼いでるからといって、お子さんに中卒にさせ、2000万円を目指させる親はどこにもいないと思います。

つまり、この、できる、できないの可能の可否ではなく、うまくいく可能性が高くなる方法は存在しているということです。

未来に起きることは誰にもわかりません。

しかし、予想はできます。
そして、その予想に対して、準備することもできます。

その予想と準備が功を奏すよう、その有効性を上げることが、うまくいく確率を上げることだと思うのでです。

話を”マーケティングフレームワークを学ぶ”ことに戻すと、100発100中でうまくいくとは限りません。

が、マーケティングフレームワークを使うことで、うまくいく確率を高めることはできます。何もやらないときよりは、うまくいく率は必ず高まります。

現に、ボクは転職を繰り返し、年収を上げてきました。

まとめ

と、いうわけで、マーケティングフレームワークを使いこなしているボクでも、失敗は当然します。

でも、マーケティングフレームワークを使わなかったら、もっと失敗していたとも思うのです。うまくいくケースも少なかったかもしれません。

人生、何が功を奏すかわからないわけなので、うまくいく確率が高くなる、マーケティングフレームワークを学ぶことは有意義だと思います。特に、まだこれからの学生さんや20代、30代の方には、有益な知識となるはずです。

*参照データ
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年収1000万  人口の3%(国税庁「民間給与実態統計調査」令和元年)
年収2000万 人口の1.3%(同資料)
東大卒45歳平均年収 1155.3万円(Openwork 2021/2/17)
*全員がサラリーマンになるわけではないが、半数50%が1000万には到達できると考えられる

東大卒平均年収 729万円(DODA)
中卒平均年収 380万円(2017年 賃金構造基本統計調査)
中卒割合 18.8%(総務省「産業等基本集計結果」)
*2000万円を正規分布のどの辺の上位とするかで%は変わってくるのでざっくり感覚で
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