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4.マーケティング戦略って何のために行うの?

「マーケティング戦略の目的は、想定し得る状況で競争優位を確立するため」です。

ボクもちょっとは難しい本読んでるよ!をアピールするために難しく書きましたが、わかりやすく言い換えると、

「Customerに喜んで選んでもらうようにするため」

です。

連載ものです。前回はこちら、最初からはこちらお読み下さい。
Customerは、3C分析のひとつ、「顧客」を意味します。

「戦略」ときたら、マイケル・ポーター教授です。
このnoteを書くために、20年ぶりぐらいにポーター教授の本を読みました。今では肩肘をはらずに読める本がでているのですね! 自分の知識が20年間で付いた!と思いたいところですが、明らかに読みやすくなってます。

マイケル・ポーターの競争戦略/ジョアン・マグレッタ著

この中から言葉の定義的なところをボクなりに抜き取ってみます。

戦略とは、
・競合他社にくらべて相対的に高い価格を要求できる
・事業を相対的に低いコストで運営できる
・その両方を実現する
・何をやらないか選択する

ことです。

今日は、「競合他社にくらべて相対的に高い価格を要求できる」を解説したいと思います。

「競合他社にくらべて相対的に高い価格を要求できる」

「競合他社にくらべて相対的に高い価格を要求できる」が競争優位を指します。

競争優位、難しい言葉ですね。はい、思い出してください、上に簡単にした言葉書いてます。”Customerに喜んで選んでもらうようにする”ですね。

「競争優位=喜んで選んでもらう」をイメージしながら、具体的に競争優位を何?を見てみましょう。

競争優位とは、
・顧客のために価値を創造する
・業界内での有利なポジションを選択した結果、価値を獲得する
・独自性を見出し、よりよい業績を上げる

こと

「顧客のために価値を創造する」

「価値を創造する」は、「価値を提供する」と置き換えていいと思います。要は、選んでもらうために、対価に見合う価値(=Value)がないとダメですよ、ということです。

『マイケル・ポーターの競争戦略』では、高いが、買う人にちゃんと価値を提供している例として、アップルやBMWなどを示しています。競合に比べ、コストを20%多くかける一方、価格を35%高く販売できるかようなビジネスモデルです。

また逆に、コストを10%削減して、5%低い価格で価値を提供している企業例も示しています。皆さんご存知のIKEAやサウスウェスト航空です。

これら企業は、高価格または低価格で製品/サービスを提供する仕組みを構築することで、積極的に選択、納得して購入してもらえる理由を提供しています。それにより、使用だけでなく、所有することでも満足感を提供しています。

この状態、競合優位を確立している状態を、”喜んで選んでもらえる”と意訳しました。完全にボクの独自意訳です。

今後も、マーケティング初心者にも理解しやすいよう、意訳しまくります。

自分がマーケティングを学び始めた20代の頃、難しい本を読んで読んだつもりでも、全く理解できなかったことを思い出して書いていきます。その時の自分が、「この言葉に置き換えたら、理解できるだろう」と思って書いてます。

「製品/サービスを提供できる仕組みを作る」

ちなみに、「製品/サービスを提供する」ではなく、「製品/サービスを提供できる仕組みを作る」とボクが書いたのにも意味があります。

いい製品/サービスだけでは、モノが売れる時代ではありません。顧客視点に立った、製品/サービス提供はもちろん、販売前/後のサポート、購入のしやすさなど、全体的なバリューチェーンで”売る仕組み”を構築することが必要になってきています。

この話はまた別の機会に触れますが、「売る仕組み、バリューチェーン構築が必要なのね~」と、頭の片隅においておいて下さい。

*バリューチェーン=ValueChain(価値連鎖)=売る仕組みを、購買、製造、物流、販売/マーケティング、サービスから構成される各プロセスに価値を付加していく考え方

「業界内での有利なポジションを選択」

「業界内での有利なポジションを選択」は、さらーと読んではダメです。色々考えさせられる言葉なんです。

まずは、「業界内」というと、金融、製造、ITなどを思い出しちゃいますよね。それだと、「マーケティング勉強しているのに自分の仕事には使えない」と悩んでいた20代のボクになっちゃいます。

「業界」という単位は大きすぎます。
自分の身近なマーケット、もっと小さい単位に置き換えて考えるんです。

20代のボクであれば、当時はIT業界でセキュリティ関連ソフトを販売していました。なので、「業界」を「ITセキュリティソフト」に置き換えます。

今のボクは、不動産経営を東京都XX区のYY駅で行っています。”不動産経営”や”東京都”では広すぎ、”XX区”でも広すぎ、なので、「YY駅」に置き換えます。「YY駅」が集合として小さすぎる場合は、隣駅も含めた「YY駅+ZZ駅+・・・」といったくくり、集合、マーケットで考えます。

身近になってきませんか?

次は2つ目の視点です。「ポジション」は、単体では成り立たない言葉です。どういう意味かというと、「複数ある中での特定の位置」を意味しています。

はい、想像つきましたね。これは「Competitor(競合)との競合状態のなかで」という意味が含まれています。その中で、「有利なポジションを選択」するわけです。

あれ、「有利なポジションを”勝ち取る”」でないの?と思われた方!
ちゃんと見てますね!

そうです、「選択する」が重要なんです。

前々回のnoteで、「Competitor分析とCompany分析を同時に行い、Company(自社)のAs is(現在の状況)を尺度に、Competitorの強さ/弱さを把握、その中でどうやって戦っていくかを考える」と書きましたが、これが「選択」です。

戦って勝てる結果を得られるよう、何をやり、何をやらないかを決めることが重要で、そのことを「選択」と言っています。結果である「勝ち取る」ではないのです。

「独自性を見出し、よりよい業績を上げる」

「独自性を見出し、よりよい業績を上げる」は2つに分けて解説します。

「独自性を見出し」
「独自性を見出し」ですが、ここまで読んでくるともうわかってきますね。「Competitorが提供できないような”製品/サービス”または”仕組み”をCompetitor/Company分析を行いながら見つける」という意味です。”Customer”に触れてませんが、当然、Customer分析は行っている前提です。

20代のボクは、この説明をされると、こう思ったはずです。「アップルやBMWじゃないんだから、そんな独自性なんてそうそう出せるもんじゃないよ~」と。

はい、そうです。そんな簡単に出せるものではないです。明確に”独自性”ある製品/サービスを提供している会社は少数だと思います。なので、ここでは、「独自性」をもっと”尖ってない”言葉に置き換えると理解しやすいと思います。

「Competitorと同じかもしれないけれど、3C分析の中で見つけ出した、自社が喜んで選ばれる売る仕組み」ぐらいに考えるとアイデアも出てくると思います。

もしかしたら、自社(Company)の製品/サービスは、Competitorとほとんど違いはないかもしれません。でも、Competitorほどでないけど売れているのです。売れるのには理由があります。商流が違うかもしれないし、価格が違うかもしれません。

全体のバリューチェーンの各要素を選択し、”喜んで選んでもらえる仕組み化”を整えることが「独自性」という意味と考えるといいと思います。
*ごめんなさい、また”バリューチェーン”使ってしまいました。。。

「よりよい業績をあげる」
マーケティング戦略は、売るために策定します。でも、利益を得なければ、その企業、組織は存続しえません。いくらいい製品/サービスを提供しても、いくらいい仕組みを作っても、赤字になってしまっては、その製品/サービスや仕組みを提供できなくなってしまいます。利益を出さないとダメなんです。

最後のこのセンテンスが来ている意味は、「一連の分析、プラン策定は売上予想、コスト予想を元にした損益計算とともに行わなければならない」ことの確認です。

・その価格で売って、利益でるよね?
・その仕組みを構築して変動費大丈夫だよね?
・初期コストはいつ回収できるの?売れなかったら?

を、ちゃんと考えましょうね。ということです。

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