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Withコロナ時代の広報とは? 「BK PR MTG 2020 ー 伝わる広報が未来を変える」

2020年9月6日に開催された「BK PR MTG 2020〜伝わる広報が未来を変える」をオンラインで開催。第1回となる今回は、中野区広報アドバイザーの佐久間智之氏を迎え、ポストコロナ時代における行政広報の在り方をわかりやすく語ってくださいました。
オンライン配信には200人以上の申し込みがあり、自治体職員のほか民間企業等で広報業務に当られている方々にもご参加いただきました。

行政広報の在り方とこれから〜コロナ禍の事例を交えて〜 | 佐久間智之氏(中野区広報アドバイザー)

コロナ禍中の行政広報には行政と住民との間に思いのズレがあり、この状況ポストコロナ社会では、デジタルのものに別のデジタルのものを付加価値としてつけることが時流になる。具体的には、WEBサイトというデジタル情報に「共感」「ストーリー」「思い出」「信頼」といった付加価値をつける動画やSNS、多言語配信などのデジタル情報を加えることが求められる。

広報誌を作ることというのは、ゴールではなくてあくまでもプロセスの手段。だから、見た目だけに力を入れるのではなくて、いかに情報を各住民に届けるのかが重要。『広報みよし』はリニューアルが功を奏して、住民に「見たいな」と思わせる広報誌となった。佐久間氏は「伝えるではなく伝わる広報」を発行目的にしてリニューアル。その自治体でなければ作れない、地域に寄り添った広報誌でないといけない。それにより地域のファンを増やすことが重要で、共感やストーリーといった部分が今後求められ、それが住民の行動変容につながるのではないか。

重要なのは、伝えるのではなくて伝わること。佐久間氏が講演の最後にこう語った。「行政広報が変われば住民が変わって、住民が変わればまちが変わる。まちが変わると、日本の未来が変わる。」

これからの広報誌リニューアル戦略 | 永井伸英(文化工房広報メディア局チームリーダー)

今回のコロナにより、「イベント中止」「紙面が急遽変更」「緊急でコロナ対策を紹介」「臨時号発行」といったこれまでに無い対応を経験をされた各自治体。対応したにも関わらず「分かりづらい」等の声が届いたりと、新聞やニュースでさまざまなことが伝えられました。
そういった中で、高齢者への情報発信は、即時性は、欲しい情報にたどり着かないなど、「情報伝達のあり方」の問題に直面。ただ発信するだけでなく、「情報の伝わりやすさ」や緊急性などいろいろな課題が生まれました。

当社は「情報の伝わりやすさ」にどう取り組んでいるか。その問いに、中野区「なかの区報」のリニューアル事例を紹介。区からは「手にとって見てもらえる区報にしたい」という要望に対して、表紙や特集の中身、フルカラー化、掲載記事の見直し、編集工程の見直し、SNSとの連動などいくつかの課題をもとに誌面を一新。リニューアルのポイントは、読者に表紙や特集といった紙面の見た目など「第一印象を変える」こと。興味を持っていただくために、「読みやすく、親しみやすくする」こと。そして、今後は紙媒体だけでなくWEBなど「さまざまなメディアとの連携」も大切になってくる。

広報誌専門のWEBサイト「WEB広報誌」、特集記事と連携した「誌面連動動画」、テレビ番組とタイアップした広報展開など、さまざまなメディアとの連携事例を紹介。「広報誌は人と、地域と、まちと、をつなぐコミュニケーションマガジン。メディア同士が連携したリニューアルで多角的な“伝わる広報”を」と締め括りました。

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トークセッション「伝わる広報が未来を変える」 | 佐久間氏、永井

中野区「なかの区報」のリニューアルについてのトークセッションに続き、事前質問を5つのテーマに分けて、佐久間氏が答えました。「広報を行う上での意識や心構えは?」との質問には、住民が主役の広報誌というのが一番。「住民の命を守るもの」という使命をもってお知らせ欄などを作っていたので…、そういう意識が重要ですかね、と答える佐久間氏。

他にも、「読みやすさと伝えたいことのバランス・工夫」「制作する上での悩み」「新しいアイデア・アプローチ方法」「育成・コミュニケーション・その他」といったテーマにも丁寧に答えてくださいました。

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今回、講師を務められた佐久間氏は140枚にも及ぶ資料スライドをご用意され、並々ならぬ意気込みで臨んでいただきました。ケーススタディーなどの具体例を多数交えながらのお話には、すぐに「使える」内容も多く、皆さまにとって有益な催しになったライブ配信となりました。

11月8日(日)には、杉並区広報専門監の谷浩明氏をお招きして、第2回を開催します。上記ページから申し込みを受け付けているので、ぜひご参加ください。

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