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中森 剛志/中森農産

法人名/農園名:中森農産株式会社
農園所在地:埼玉県加須市
就農年数:6年
生産品目:米・麦・大豆・子実コーン
HP:https://www.nai.organic/

no.83

「農業は稼げない。だからカッコ悪い」イメージを打ち破る

■プロフィール

 世界の食糧問題について考えるようになった10代、福岡正信氏の自然農法の本を通じて、農業がさまざまな社会問題解決の糸口になる可能性を知り、東京農業大学農学部に進学。

 在学中から、神奈川県の中山間地域の果樹農家と首都圏を結ぶ八百屋や飲食店を起業し、「日本スローフード協会」の立ち上げや、「国家ビジョン研究会」でのシンクタンク活動を展開するなど精力的に行動するなかで、日本の農業の最大の課題は生産分野、特に水田農業にあるという結論に至る。

 埼玉県の米農家で1年半の研修を経て、2016年に農地10ヘクタールから業務用に特化した水稲栽培を始め、2017年に法人化。

 以来、毎年の規模拡大を行い、2022年現在は、180ヘクタール(作付面積は延べ240ヘクタール、うち25ヘクタールは有機JAS)に拡大。

 ASIA-GAP、有機JAS認定事業者。埼玉県稲麦作経営者会議理事。

■農業を職業にした理由

 東京農業大学在学中から、将来の日本の食料安全保障に対して危機感を募らせ、卒業後は農地の保全を目的に土地利用型農業を志すことに…。

 首都圏の穀倉地帯を調べた結果、埼玉県であれば、米の産地としてブランド化されておらず、農業従事者が高齢化しているので、農地の集積・集約化を効率よくできると判断して就農先に選ぶ。

 農地の借り受け範囲を半径10km圏内に広げ、地域の集まりなどで人間関係を築きながら丁寧に交渉を続けた結果、6年間で10ヘクタールから180ヘクタールに拡大。

 外食産業向けの業務用米に特化することで、初年度から黒字経営が続いた。2020年はコロナ禍を見越して米相場が下落する前に、契約栽培や有機JAS栽培に切り替えるとともに、販路の比重を外食産業向けから中食(スーパー・コンビニなどの持ち帰り需要)向けに転換して収益の維持に努めた。

■農業の魅力とは

 農業という営みのうえに、私たちは毎日「当たり前」の暮らしをおくっています。

 しかしながら、日本の農業人口はこの先10年で半減し、その後継者の多くが未定という先進大国としては稀有な課題を抱えています。

 就農以来「メガファームの構築」を第一の目標にして、日本の農業生産能力の維持向上につなげようと、農地拡大に邁進してきたのは、これが理由です。

 私にとっての農業の魅力は、人々が「当たり前」に過ごしている暮らしに貢献できること。当たり前の食事、当たり前の健康、当たり前の人生…。

 歴史を振り返れば、これらのことが決して「当たり前」ではないことに気づくでしょう。農業の歴史は、文明の歴史そのものであり、これほど人々にとって不可欠な仕事を、私は他に知りません。

 しかし、現在の日本の農業界が抱える「農業は稼げない、だから、カッコ悪い」というイメージが原因で、後継者がいないのであるのなら、私たちがそれを変えていきます。

 農業は尊い仕事であるだけでなく、稼ぐことができ、関係者一人ひとりの豊かな人生を実現できる仕事であるということを証明していきます!

■今後の展望

 更なる規模拡大と農場開発を進めていきます。

 2023年以降は、関東や四国、中国地方など過疎化が進んでいる産地を中心に5つの直営農場を作る計画です。

 再現性の高い事業モデルを構築し、多拠点展開する計画を実行に移していきます。

 また、有機JAS認証を取得した農産物の増産と商品開発を進め、自社ブランドを確立していきます。

 これらの事業展開を通して、「農業がもたらす価値を最大化し、人々の食を守り抜く」という私たちの経営理念を体現し、日本の食料安全保障、人々の食と健康を守る企業を目指します。

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